えらい事に俺の期待は裏切られました。
ブックマーク泣きそうなくらい嬉しいです。
本当にありがとうございます。
いい作品出来るように頑張ります。
ダルクが泣いているそれを見守る様に側に寄り添うミリア、俺は2人に背を向けリーの元に足を進める。
俺は血で汚れたナイフを袖で綺麗に拭き取るとリーに
「ありがとう」
とナイフのグリップをリーに向け差し出す。
リーもナイフを受け取りる為に手を俺の方に差し出したものだと判断したのだが、予想外にリーはナイフを受け取らず、俺に手の平を見せてこう言った。
「7900G」
「えっ???」
俺がその言葉に理解が及んでいない事を察するとリーは分かり易い様に俺に説明してくれた。
「汚物の付いたナイフなんて要らないわよ。弁償して7900G」
「・・・・」
俺に差し出した手を少し上下に振って、まるでサッサとしなさいよと言わんばかりだった。
勿論俺の所持Gを知っているリーは俺が出せるギリギリを提示してきた。7900G支払うと俺の所持Gは100Gである。100Gあれば2・3日は暮らせる。冒険者にとって100G残しと言うのは冒険者の心得にも掲げられてる基本中の基本なのである。
そして俺はリーに渋々7900Gを支払った・・・俺が手の甲をナイフで刺した時の目の輝きは、これだったんだなと今理解した。
油断出来ない女リー俺は根こそぎ持っていかれた所持G見てそう評価した。
そんなやりとりの後泣いているダルクの方に顔を向けた俺はそこで奇跡を目の当たりにした。
ダルクは今までフルプレートの鎧を着ておりその顔おろか姿形さえ見ていなかった・・・そんなダルクは目から流れる涙を拭う為、フルプレートの頭部分を外している・・・そう俺は初めてダルクの顔を拝んだのだ!
透き通る様な青い髪の毛と肌、髪は癖毛でまるで猫耳、満点の星空の様に輝く瞳、絵に描いた様な可愛らしい鼻、吸い込まれる様な唇・・・
お、女???俺はダルクを直視出来ずに目を背ける・・・俺は確かめる様にもう一度ダルクの方に目をやる。
「・・・・」
ダルクを見た俺は全ての思考回路が停止する・・・
「ぷはっ」
息をするのも忘れており俺の防衛本能が働き息をし始める・・・俺は再びダルクから目を離す・・・そして俺は足を広げこの世界で聞いた事のない言葉を自然に言葉にしていた!!
「も、萌えぇ~~~」
俺は気が付くと力の限り天にも届く声でそう叫んでいた!!
ミリアとリーはドン引きしている様だったが今の俺には全く関係なかった。
むしろ俺は自分に「グッジョブです」と言葉かけていた!!!!
しばらくしてダルクは泣き止み自分の顔をパンパンと両手で叩いてみせた。
「ご、ごめんなさい」
と俺、ミリア、リーに頭を下げると、ダルクの顔は迷いの無い顔立ちをしており、振り切れたのだろうと俺は思った。
しかし俺の中では・・・ダルクが女・・・ダルクが女・・・俺は何故かショックを受けていた・・・
でも可愛い・・・
俺はダルクに少し弟分の様な感覚を抱いていたからである。
でも可愛い・・・
そこで俺はとても良い事を思いついた!
俺はダルクの前に近寄ると・・・
「これからは、お兄ちゃんと呼びなさい」
と言葉を発する俺
「近寄るな!!うじ虫」
とミリアが間を割って入った。
「あはははは、ルーさん、どしちゃったんですか?」
とダルクが言うと、俺の顔は自然と笑顔になり鼻の下を伸ばしていた。
「ねーねーそれよりさ〜私には何かない訳?」
と俺とダルクのやり取りが気に入らないのであろうミリアが話題を変える。
先程の話題の戦闘でのアドバイスであろうが・・・俺は口元で拳を作り
「コホン」
と咳払いをする。
まだなの〜まだなの〜とワクワクしながら目を輝かせ俺の言葉を待つミリアに俺は一言アドバイスをした・・・
「戦闘中寝るなよ」と・・・
ミリアは固まり・・・
リーは口を両手で塞ぎ「ありえないわ〜」的な顔をして・・・
ダルクは流石に少し引いたみたいで・・・
「ミ、ミリアちゃん、そ、それは、ちょっと・・・」
と言葉を濁してミリアをいさしめる。
冷や汗タラタラのミリアに俺はまんべんな笑顔で肩を数回叩いた。
そして街に向けて歩き出て1時間程経った頃。
あいも変わらずミリアは俺を睨みつけている。自業自得だろ〜と思う半分ダルクに引かれた事に嬉しさがこみ上げる俺。
そんな時リーが突然・・・
「あれ」
と指を指したのだ!
指差す方向にはゴブリンが3匹おり、ゴブリンもこちらに気がついた見たいでゆっくり間を詰めてくる。
【ゴブリン】悪意を持った精霊に属する生き物で知性は有るが人程では無い、スライムの次に弱いとされる存在である。
戦闘体制に入る、俺が前衛、ダルクが中衛、リー、ミリアが後衛で位置取る。
俺はリーの方に向き・・・
「リー俺に気にせず思いっきりやれ」
と激励を送る。
静かに頷くリー・・・
それを確認してから懐からマジックハンドを取り出した。勿論同じ轍は踏まないよう普通に取り出した。
《俺の作戦はこうだ、ダルクは中衛で傷付いた仲間をすぐに切り込み回復に集中する。魔法が使えるリーは後衛から魔法を放ち魔物をリーに個別で向かわせる、体力の無いリーは向かってくる魔物の攻撃を避け、拳を突き出すつまりカウンターだけでいいのだ。そして俺の仕事はリーが1対1で戦える様残りのモンスターを足止めすればいいのだ。そしてミリアは・・・起きてればいいのだ・・・》
魔法は長距離に用いられる攻撃方法である、魔法で攻撃を食らった知性の低い魔物は単純で、魔法を放った者に目標を定める。それを活かした戦法が先程説明した戦いになる。
リーが使える魔法は精々下階魔法であろうが、モンスターを引きつけるだけなら十分である。
勿論俺は本気を出さない、今後の事もあり自分達の戦い方を一早く身に付けて欲しいからだ。
「さぁ〜戦闘開始いくぞー!!」
俺はそう言葉を発すると前方のゴブリンに地面をひと蹴りして間を詰め剣とマジックハンドを合わせる。その圧倒的スピードと何故自分が剣を合わせる事が出来たのか理解出来ないゴブリンであったがすぐ合わせている剣に力が込められてきた。
その様子を見ていたゴブリン2匹は俺と対峙しているゴブリンに加勢する為遅い足運びではあったが近づいてくる。
ここら辺かな?俺はタイミングを見計らいリーに声をかける。
「今だリー」
さぁ〜ここだリーこのタイミングで下階魔法を使うんだ!!これがお前の戦い方なんだ!!
と思っていたのだか・・・
≪予想外の事に・・・≫
「ラメゾーマ【上位火属性魔法】」
≪リーの魔法は強力で・・・≫
強大な炎の渦が舞い落ちる。
≪その炎は・・・≫
広がる炎の渦。
≪勿論俺を巻き込んだ・・・≫
俺は包まれた炎の中・・・
リーの方に振り返ると・・・
リーは俺にピースして見せた・・・
ここまで読んで頂いてありがとうございます。




