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えらい事に人の話を聞かない人ばかりでした。

遅くなりました。すみません

 燃え盛る炎の中俺は考えていた。


 勿論これ位の炎では傷付かない俺の体・・・

 でも心に大きな傷を負った俺・・・

 確かに思いっきりやれと言ったのは俺だ・・・


 しかし・・・


 《一言あっていいよね?》と心で叫び泣いていた・・・


 涙は出ては蒸発出ては蒸発を繰り返しそれはまるで、天が俺に泣くなと言っている様だった。

 俺は周りを見渡し戦っていたゴブリンが廃になりかけている様を見て何故か凄く心いたたまれなくなっていた。


 「戻ろう」


 そう呟くと俺は燃え盛る炎の中、足重たく仲間の元に足を進めた。




 炎から姿を現した俺を発見したミリア、リー、ダルクは驚いた顔をして立ったまま両手で口を塞いだ。


 俺はその3人を見て心温まり先程の気持ちが嘘の様に晴れやかになった。心配してくれたんだな・・・

 俺は内心泣きそうなくらい嬉しかったが、女の前で涙なんて見せられないと我慢して笑顔を作った。


 すると3人はプルプルと肩を揺らして涙目になっていった・・・


 こ、困ったな・・・泣かずに済む言葉なんてすぐに思い浮かばない・・・なんて声をかけよう。

 やっぱりシンプルに「大丈夫だ!」かな?とか色々考えていたのだが・・・


 ゆっくりミリアが俺の方に指を差した。


 俺は背後に何か居るのか?と振り返ったがそこには誰もいない・・・


 もう一度ミリアの方に目をやると、まだ指を差していた。

 不思議に思いミリアが指を差しているのは俺か?と尋ねる様に自分に指を差す俺。


 すると3人は口裏を合わせた様に頷いた。


 まだ意味が分からない俺に、次はリーが自分の頭を指を差した・・・


 俺はそれを見て自分の頭に手をやると、そこにある筈の物がない事に気がついて思わず口に出した。


 「あ、あれ?俺の髪の毛は?」


 それを聞いた3人は膝を落として・・・


 「あははははははは」


 と今まで我慢していたものを全て吐き出した。


 「・・・・」


 どうやらチリチリの俺の髪の毛は大変よく燃える様であった。




 3人の笑いが収まり俺に近づく3人


 「めんご、めんご」


 と軽く謝るミリア


 「よかったわよ」


 と何故か褒めるリー


 「ほ、本当に、ご、ごめんなさい」


 と真剣に謝るダルク


 そう俺は今体育座りをしてスネているのである・・・そんな俺を無視して話し合いは続く。


 「ねぇ〜所でどうする?この頭・・・こんなのと、歩いてる所見られたら、私お嫁行けなくなるよ」


 と無茶苦茶なこじつけをするミリア


 「マジックで書けば?」


 と適当なリー


 「ぼ、僕、切って見ましょうか?」


 と理にかなった事を言うダルク。


 ミリアとリーは少し考えて・・・


 「マジックで書いた後、切ろっか」


 と遊ぶ気満々である。


 もういい・・・もういいよ・・・・好きにしてくれと俺は何の抵抗も示さない。


 すると・・・


 「だ、ダメだよ、ルーさん、可哀想だよ」


 とダルクが2人の暴挙を制止してくれた。


 天使や〜やっぱりこの子、天使やわぁ〜と俺はダルクの評価を天界まで引き上げる。


 「ちぇっつまんないの」


 と残念がるミリア。


 俺の中のミリアの評価を地底の奥深く魔界まで引き下げる。


 「き、切りますね」


 ダルクはそう言うと上段から俺の頭の中心を真っ直ぐ切った、すると・・・


 しばらく沈黙後・・・


 「あははははははは」


 と笑い出す3人・・・


 俺が不思議に思い頭に手をやるとその意味が理解出来た。


 俺の頭は切られた部分だけ髪の毛が復活しており、それ以外は何も無いただの頭皮なのである・・・そう今俺はモヒカンなのだ!!!


 それを見たミリアが結局俺の頭にマジックで線を引き・・・


 「ダルクこの線に切って!」


 と言葉を発しては・・・

 

 「あははははははは」


 という行為を幾度も繰り返していた。




 しばらくして・・・


 「はぁ〜もう飽きたね」


 とミリアが言葉を発すると


 「そうね、そろそろこの不快な頭も見飽きたわね」


 とリーが俺の心を更にえぐり


 「じゃー切りますね」


 とダルクが閉会宣言をする・・・


 そうしてダルクが幾度と無く俺の頭を切り、俺は再びチリチリのアフロヘアーを手に入れたのである。




 しばらくして俺は心を立て直しリーに質問をする。


 「なぁリー、上位魔法は炎属性だけか?」

 「ええ、そうよ、私炎属性しか使えないわ」


 リーがそう俺の問いに答えると俺は、「理解した」と静かに頷いた。


 《【上位魔法】人間という種が生涯をかけて辿りつける魔法の位である。しかし魔法は更に上に【超位魔法】【最高位魔法】【神位魔法】があるがとても人間がそこまで到達するには寿命が足りないのである。


 俺はもちろん【神位魔法】を使用する事が出来る。


 リーは炎属性だけだが魔法使いの中級者、上級者ともなれば5ぐらいの【上位魔法】は使用出来でるのである。》


 しかしダルクといいリーといい癖はあるもののその域はもはや中級者クラスの冒険者、それに比べて・・・俺は視線を楽しそうにダルクと会話しているミリアに向け・・・悲しい視線を送った。


 「そうそう」


 俺が言葉を発すると3人は俺の方に顔を向けた。


 「ダルク渡したい物があるんだ!」


 と俺はダルクに近寄り言葉をかける。


 「ウィンドウオープン、アイテム」


 俺はウィンドウに表示されている中からあるアイテムを具現化してダルクに渡す。


 それは剣であった・・・鞘と柄が真っ白な剣は誰が見てもその作りが業物の類の剣である事が分かった。


 「こ、こんな凄い剣頂けませんよ」


 と畏るダルクに俺は言葉をかける。


 「これは俺が持ってても仕方ない剣なんだ、職業柄装備する事が出来ないし、それに俺に持たれて使われないより、ダルクに使われた方が剣も嬉しいだろうしね」


 暫くダルクは黙り込むが・・・


 「わ、分かりました、た、大切にします。」


 そう言うと深く頭を下げた。


 それを見ていたリーが・・・


 「はい」


 と俺に手の平を差し出した。


 「ん?」


 と一瞬考えたが私にもよこせと解釈して


 「リーにはこれがいいな」


 とアイテムを具現化してリーに渡した。


 「それは天女の羽衣と言うアイテムでってオイ・・・」


 リーは俺の話途中にも関わらず、天女の羽衣も羽織って動いて見せた・・・


 天女の羽衣は月の光に透けて七色に光り、それを羽織るリーは正しく天女そのものであった。

 それを見ていた3人はリーの動きに見とれその場に立ち尽くしていた。


 「体が凄く軽くなったわ」


 リーがそう言うと


 「そういうアイテムだ」


 と俺が返した。


 そして非常に小さく俺の聞き間違いかもしれないが・・・


 「ありがとう」


 とリーが俺にお礼を言った。俺は聞き間違いかもしれないその言葉に笑みを浮かべていた。


 《その後この出来事によりダルクは聖剣聖女せいけんせいじょと呼ばれ、リーは大魔武王だいまぶおうと呼ばれる様になる、その名は天界・魔界・深海・地上に名を馳せるのであった。それはもう少し後の話になる》



 「ねーねー」


 とまるでおねだりする犬の様にミリアが駆け寄ってきた。


 「う〜ん」


 俺はウィンドウに表示してあるアイテムを見て・・・色々と考えて見たがミリアに渡せるアイテムは持ち合わせていなかった。


 魔法使いの装備は勿論持ってはいるのだが、その全てが魔力を込めて使用するものばかりで、恐らくミリアは魔法が使えないと推測している俺は、そのアイテムを渡す事により、ミリアが魔法を使えない事をリーとダルクに知られてしまう事を恐れたからだ。


 しかしミリアだけお預けしてはミリアは俺を恨むであろうから、俺は消費アイテムを渡す事にした。


 「ではミリアにはこれを」


 とアイテムを具現化して渡そうとした時、ミリアは俺の手からアイテムを奪い取った。


 「何これ〜変なの、飲むんだよね?」


 と聞いてきた。


 「ああ、それはってオイ・・・」


 俺の説明を聞かずに俺から奪い取ったアイテムをミリアは飲み干し・・・


 「あれ?何も起こらないよ〜変化ある?」


 とリーとダルクの近くに行きクルクル回っている・・・


 まっいっかと俺は説明する事を断念した。


 夜も大分更けてきたので、俺たちは周りに聖水を巻き仮眠をとる事にした。

《聖水をまく事により人間以外の生き物は近寄る事が出来る為、安心して仮眠が取る事が出来るのは冒険者の基本である。》


 そして仮眠を取り始めて30分した頃だろうか、寝ている俺を揺すって起こす者がいる。


 「ね〜ね〜ルーね〜ルー」


 それはミリアだった・・・

 目を見開き白目が充血していた、ハッキリ言ってホラーだった・・・


 「さっきのアイテムってさぁ〜もしかして・・・」

 「ああ、そうだミンダハだ」


 俺はそう一言言うと眠りについた。


 「シクシク・・・」


 と泣く声が聞こえた様な気がしたが俺はそれを無視した。


 《【ミンダハ】説明:眠り効果を無効にする。しかし眠気は覚めない》

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

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