表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界譫  作者: 紗遮
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/9

第五話

誰もいない商店街を、僕はあてもなく歩き続けた。


閉ざされたシャッター、無人のまま明かりだけがついた自動販売機。歩けば歩くほど、現実の神座市をそのままコピーして作ったレプリカの中に放り込まれたような、奇妙な感覚が強まっていく。


しかし、駅前を抜けて住宅街の方へと向かうにつれ、風景のあちこちに奇妙な「歪み」が混ざり始めていることに気づいた。


「あれ……あそこって、確か先月取り壊されて更地になったはずじゃ……」


角を曲がった先には、去年の夏に閉店し、今はもうこの世に存在しないはずの古い駄菓子屋の店舗がそのままの姿で佇んでいた。かと思えば、そのすぐ隣には、現実世界では来年完成予定であるはずの最新のタワーマンションが、まるで昔からそこにあったかのようにそびえ立っている。


数年前のデザインの古い看板と、まだ誰も住んでいないはずの新しい建物が、何の一脈の脈絡もなく隣り合って並んでいる。

時間がごちゃまぜにかき混ぜられたような、支離滅裂な光景だった。


「まあ、夢なんだからこれくらい普通か。夢の整合性なんてそんなもんだしな」


頭のどこかで奇妙な違和感を覚えながらも、僕は自分にそう言い聞かせて納得した。夢の中で見る景色が多少おかしくなっていたところで、深く気にするようなことではない。


足を進めるうちに、僕は見慣れたエリアへと辿り着いた。昼間、美玖や芽衣先輩とその近くの話題を出していた、ひばりヶ丘公園だ。

中に入ると、やはりここにも人っ子一人いなかった。錆びついたブランコが、風もないのにわずかに揺れているような気がして、僕はそっと目を逸らした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ