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善悪のなんでも屋  作者: しょぼん
第一章
8/8

嘘つき

『お母様!』


『ふふ、気をつけて。転ばないように来なさい』


 しかし、幼い彼女はエリスは走って母親に抱きつく。天使のような微笑みでエリスを迎える。


『お母様、お母様。私ね私ね』


『はいはい、落ち着いて』


『魔法を使えるようになったの!』


『それは、凄いわね!』


『そうでしょー、えっへん』


 むふーという顔をしながら自慢気に話す。

 エリナが手を伸ばし、エリスの頭を撫でる。優しい手つきだった。それが幼いエリスは大好きだった。


『エリス』


『…どうしたのですか、お母様?』


 エリナの顔が険しくなった。真剣な眼差しでエリスを見つめる。


『確かに、貴方の年齢で魔法を使う事が出来るのは凄いことよ。でもね、その力を人を傷つける事に使ってはダメよ。人を守る事に使いなさい』


『うん!分かった。なら私、お母様を守る魔法使いになる!』


『ふふ、ありがとう。でも、私以外の人達も助けてあげてね。世界には困っている人達がたくさんいるから』


『約束しましょうお母様!』


 そう言ってエリスは右手の小指を差し出す。エリナもそれに応え小指を前に出して、絡ませる。


『分かった、お母さんとの約束よ』


『うん!』


 エリナの右手の甲には赤い花の紋様があり、『四つ花』である事が分かる。昔は騎士団で副隊長をやっていたらしい。

 エリスの右手の甲にも赤い花の紋様があった。あるのは当たり前だ、無いと魔法が使えない。

 しかし、『何か』が違った。

 花弁が、『二つ花』の証明のである2枚の花弁。違う、『3枚』の花弁が刻まれてあった。

 それは、『三つ花』の証

 間違えようのない、自らの記憶

 



 目が覚めた。自分の右手の甲を見る。


「花弁は…2枚」


 『2枚』の花弁

 間違えようのない、自らの視覚で得た情報

 直後、頭痛がはしる


「ぐっ…!」


 あまりの痛さに声を漏らしてしまった。

 考える

 なぜ、今更この記憶が?

 なぜ、今まで違和感を覚えなかった?

 そこで、コンコンコンとドアがノックされた。


「お嬢様、おはようございます。着替えのお時間ですが、入ってもよろしいでしょうか?」


 時計を見る。もう、朝ご飯の時間だった。

 慌てて


「少し待っていてくださいね」


 と言葉を返し、ベットから出て朝の準備を始めた





 

 



 










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