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魔術的鍵師物語  作者: mono
第九

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ママ‐じゅうにこめ

 数日たって、アスカの手元には新たな依頼書が届いていた。


「ハッセン・・・・・はやく見つけ出さないとだなぁ。」


 アキナは、アスカの顔の横からそれを覗き、そうねと同意する。


「まっ!一個ずつね、行きますか。依頼もこなして、ハッセンの情報も集めて、また頑張りましょう。」


 アスカは、体を伸ばしながら、首を二度三度鳴らす。

 そしてアキナの母の言葉を思い出したのか、自分の腕やら脚やらの太さを確認していく。


「お世辞よ。あんまり気にしなくていいわよ。きっと。」


「ええ、結構うれしかったんだけどな。」


 最近は闘うことも多いし、と愚痴を溢しながら自分の体を見続けていく。


「でも母親ってああゆう感じなんだよな。俺の母さんは、もう死んじゃってるんだけど。」


「・・・・触れずらいわね。」


「確かに。まぁでもなんか俺は若干楽しかったよ。あそこ。アキナはどうだったかは分かんないけど。」


「そうねぇ・・・・・思ってたよりも・・・・・なんか、うん。やっぱり言わない。これは私だけのもの。だから内緒。」


 アキナは、唇で指を立て、はにかむように笑って見せる。

 赤みのある頬が持ち上がり、目元に近づく。

 泣いてたときみたいだとアスカは思うと、ぐっと身が固まる。しかしそれを強引に緩め、笑い返す。


「じゃぁ、俺も内緒ってことで。」


「ええ、じゃあって何よ。じゃあって。」


 そんな会話もイエレナが転んだことで一度途切れる。

 両方の手を繋がれたせいか、両足を引きずりながら体だけが前に推し進められていた。


「だ、だいじょぶ?」


 イエレナは一度、手を自由にし、足元の砂ぼこりを払う。 

 アキナもそれを手伝うかのように帽子の位置を直したり、羽織っているものを直したりなどしていく。


「気を取り直して、行きますかね。」


 そうして、アキナの故郷から完全に離れていくのだった。

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