跳んで9月
意思決定科学部門の部屋には野村肇と主人公が仕事をしていた。彼女はあくまでもアルバイトなので平日は参加は出来ないが、彼女の働きは球団にとって宝石のような価値がある。
「最近、監督はクローザーを9回限定で登板させてないですね。」
パソコン相手に仕事をしていた肇は、次回の選手編成会議用の資料の印刷をしていた。
「監督とコーチとでブルペンの選手たちと相談をしたそうやな。」
来期の選手編成プランを考えていた主人公は、今の二部リーグの現状を考えていた。
レイカーズは五つある二部リーグの所属するリーグでは優勝は当確である。しかし鬼門はプレーオフ。二部リーグ優勝チームとの対戦は自信はあるが、降格プレーオフでの一部リーグの球団との対戦では、こちらに若干の不利があると予感していた。
「始めはクローザーの投手も疑問に思っていたらしいですけど。」
クローザーを任される投手にとっては、最終回に投げることは自身のプライドにも関わることでもある。最終回を投げるクローザーはブルペンでチーム最高の投手が投げる。このことが常識であるので、他の回でセットアッパーとして投げるのは、クローザー降格を意味することでもある。
「この起用方法に笑って承諾してくれたそうです。」
監督とコーチとの対談でクローザーの投手は納得してくれたそうである。敗けられない試合では最大のピンチにおいては、最も信頼出来る投手を起用すべき。その考えにクローザーを任される投手は、心を揺さぶられたようである。
「格上の相手には、常識ハズレの奇襲をかけるもんやで。」
~選手編成会議~
「これが来期のプランであります。」
そこでの主な説明はこうであった。
・特殊なスキルを持つ捕手
・守備データとスカウトが評価した、本当に守備の上手い選手
・投球にとある傾向がある投手
・大胆な守備シフトを採用
「我々レイカーズには一部リーグの一流どころか、二流ですら獲得は厳しいです。」
このプランはあくまでも一部リーグの進出してでのプランではあるが。
「なのでトレードやFAで見逃された価値を見つけにいきます。」
スカウトもこの考えに則り、データを活用しつつも本当に守備の上手い選手の発掘に尽力している。
データ班は効率的な守備シフトの模索、投球データや打撃データの編纂。
監督とコーチは練習時に守備シフトの練習や、投手の投球にムービングボールという新たなパターンを加える。
今シーズンは出塁率やFIPやBABIPといった指標を活用した。そして来シーズンでの新たなデータ活用は決まった。
三流投手を一流投手レベルの活躍をさせること。




