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90話 口パク

通常配信を何度か挟み。ついに初のメンバー限定の配信を行う。


「それではそろそろ今日の配信は終了したいと思います。今から枠を立てるのですが、この後からメン限配信をしようと思います」


月・水・金の週3配信をしてきたけど。メン限用に更に1日追加するのはバイトのシフト的にも厳しいので通常配信後にそのままメン限に移行するのが1番楽なんじゃないかと思った。


「初回メン限配信になるので今後のメン限の内容の相談や雑談配信になると思います。気になった方はこの機会にメンバーシップに加入してみて下さい」


そして、既に作成済みの枠を立ち上げた。


「枠立てたので、この配信が終了次第そちらに移行します」


果たしてどれくらいの人数が来てくれるのか。

同接は1万人以上居る。メンバーシップ加入者も約2000人居る。

無料だから観てくれてる人が大半でアーカイブ勢も居るからメン限配信に来てくれるのは多くて500人。

普通に考えたら200人くらいだろうか?


「本日もご視聴頂きありがとうございました。またのご来店をお待ちしてまーす」


通常配信を閉じ。一応、マイクをミュートにしてからメン限配信の画面を開き・・・気合いを入れる為に普段飲まないエナドリを一口飲みグッと伸びをした。


「ふーっ・・・んっ・・・緊張してるからか身体バキバキだ・・・」


通常配信中もその後のメン限配信の事が気になってずっと緊張していたから無駄に力が入っていたのかもしれない。


「よしっ!」


と、気合いを入れ直し改めて椅子に腰を下ろした。


待機画面を閉じ、通常の背景にシフトする。


「先程振りです。初のメン限配信なんですが緊張してます」


同接を見ると1000人を超えている。


「えっ、同接1000人超えてるんですけど・・・」


体感、メンバーシップに入ってくれてる人の割合として。

みぃのファンが1000人、シュウさんのファンが500人、伊達さんのファンが300人。石倉先生が200人。

端数が僕のファンというか・・・その4人目当てじゃない人ってイメージがある。


「メン限の内容とはまた別なんですけど。開始時の挨拶もメン限用に考えた方が良いのかな?って思ってるんですけど・・・ん?どうしました?」


1000人も居るのでコメント欄の流れが早くて全部は追えてなかったけど。時折「ミュート」や「マイク」や「口パク」等のコメントが気になった。


「え?あれ?あ・・・す、すみません・・・マイクミュートにしたままでした・・・」


配信開始時にマイクをオンにしたはず・・・。

どこかのタイミングでオンとオフが入れ替わってた?


「え?何時からオフになってました?」


コメント欄を見ると。


「ふんふん・・・待機画面中音声入ってた。え、本当ですか・・・?」


何かマズい事言ってないよな・・・?


「で、待機画面が閉じると同時にオフになった。と・・・。オン・オフ逆にやったみたいですね・・・僕、何か言ってました?」


待機画面中は伸びしたくらいだから何も言ってないと思うけど・・・。


「ふんふん・・・緊張してるとか言ってました?身体バキバキ?あぁ・・・伸びしてたんで・・・なるほど・・・」


聞かせるつもりの無いのを聞かれてたのって思ってた以上に恥ずかしい。


「危ない事は何も言ってなかったみたいですね・・・安心はしたけど恥ずかしさは物凄いです・・・」


で、何の話をしてたっけ・・・事故って全部吹っ飛んだ・・・。


「あ、そうだ。メン限用の開始時の挨拶って要ると思いますか?」


さっき言った事をまた言うのも何か気恥ずかしい。


「ふんふん・・・要らない。メン限なんだから素で良い。挨拶とか無い方が良い。なるほど」


メンシに入った事無いから他の配信者さんがどんな風に配信してるのか分からないけどメン限ならではの素っぽさが求められてるのかもしれない。


「では、新しい挨拶を考えるのはナシで。どんな配信内容が良いとか要望はありますか?」


通常配信の時にこの話題を振ると他の配信者さんの名前で埋め尽くされるけど、有料という事もあってか治安が良い。


「ふんふん・・・配信で言えない裏話。素の作業雑談。ASMR。腹筋森カー。悩みとか愚痴。うーん、愚痴とか聞きたいですか?」


配信モードをオフにした素の僕が求められてるんだろうか?


「やっぱりメン限の方がって言うと角が立っちゃいますけど・・・こっちの方がちゃんとした意見が出ますね」


気合いを入れる為に普段飲まないエナドリを飲んだのは逆効果だったか。

マイクのオン・オフをミスったのも普段と違う事をしてたからだろうし・・・。



そんな感じで出だしに事故りはしたものの有益な情報を得る事も出来てメン限の初配信は成功だった。


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