第11話 元主人公でもふられてしまってごめんなさい!
ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ!!
午前の4時間が終わり、昼飯の時間がやってきた。
「圭!飯食べよう!」
「お、おう……」
いつも通り俺の事を飯に誘う正人。
あまりにいつもと変わらない正人だ。
(警戒している意味がわかんなくなってきた……)
実は午前中の間も特に何かある訳ではなく、警戒している自分がバカらしくなるほどの変わらなさだったのだ。
今に至っては茜先輩が俺に嘘の情報を流したのではないかと思い始めていた。
(実際、有り得ない事じゃねぇんだよなぁー)
茜先輩は妙に俺が正人を心配する事に対して反応するところがある。不思議な話だが、男である正人に対して嫉妬している様な感じだ。
でも、先輩が俺を好きになった理由も正人を支える俺の姿なのだから有り得ない事もないのだ。
「ちょっと圭?話聞いてた?」
「……あぁ……すまん。考え事してた」
ちょっと考え事が過ぎた。
こんなに頭を使っていては飯がまずくなっちゃうし、目の前の飯と、一緒に食べてる正人との話に集中する事にしよう。
「で、なんの話だ?」
「いや~今日の弁当多すぎてさ~
ちょっと食べてくれない?」
俺たちは2人とも基本的に弁当を作ってもらっている。
そして教室で二人か三人程度で飯食う。
そのため、時々おかずを交換したりもするのだが……
このパターンは初めての事だ。
「んん?……まぁいいけど……」
「よかった~じゃあ……」
そう言うと正人は箸でニンジンをつまみこちらに向けてこう言った。
「あーん」
ん?こいつ何言ってんだ?あーん?
「おいおいおいおいおいおいおいおい!!!!」
「どうしたの圭?そんなオラオラ言って……」
「いやスタープラチナじゃねぇよ!
ってそれより!なんだよ「あーん」って!」
「え?普通に食べさせようと思って……」
「いや!全然普通じゃない!明らかにおかしいから!」
「なに言ってるんだよ圭。
ただ食べさせようとしてるだけだよ?」
「いや、まず食べさせるってところから間違いだ。
そこに気付け正人」
「え?でもそこの人達はやってるよ?」
そう言って正人が指さしたのは前の方の席にいる男女だった。
「いや、あれカップルだから!」
「だから?」
「いや、「だから?」じゃねぇよ!
なんで男同士そんな事しなくちゃならないんだよ!」
「やっぱり……そう……だよね……
男同士……だもんね……」
正人はそう言うと少し暗い顔をした。
この時正人はまだふられてしまった事に対して思うところがあるのだろうと俺は考えてしまった。
だが、それとこれとは話は別だ。
絶対に「あーん」などしない。
俺は小春や真冬ちゃん、千秋ちゃん以外の「あーん」は基本欲していない。
ましてや男からの「あーん」などどこに需要があるというのだ!?あるとすれば腐女子受けオンリーだ。
「さぁ、早く食い切れないぶんをよこせ」
「分かったよ……はいこれ」
そうして正人が手渡した弁当は男の弁当とは思えないほどに綺麗な和風の彩り弁当だった。ニンジンなんかは飾り切りが施され、だし巻き玉子も整えられていた。
(いつもはもっと雑な感じで焼きそば弁当みたいなのが多かったのに……)
「うまそう……だな……」
「そう?まぁ食べてよ」
「いただきます」
俺は整っただし巻き玉子を口の中へと運んだ。
すると……
「んん!うんまーい!!!!」
どこかの料理アニメの様に服が破け、お肌けをしてしまった。
「なんだこれ!出汁のカツオが主張しないのに活きていて、玉子本来の味と出汁の旨さが見事なまでにマッチング!」
「本当!?そんなに褒めてもらえるとは思わなかったなぁー」
「ん?何を言ってんだ?これ、お前母さんが作ったんじゃないの?」
「うん!今日は僕が作ってみたんだ」
「嘘だろ!?お前が!?こんなに美味い料理を!?」
「そうだよ!最近練習してんだ
昨日だって出汁を仕込むのに苦労したんだから!」
正人は自慢げにそう言った。
「やぁ人間分からねぇもんだな!
お前にこんな特技ができるなんてなぁー」
ただ本心としては少し複雑だ。
だって、昨日って……
こいつはふられた後に家に帰って出汁を作ってた事になんだよ?
そう考えると意外とふられても大丈夫だったんじゃ?とか、逆にふられて病んじゃったのか?とか疑問も多いのだ。
(分かんない!分かんない!わっかんないよ!
正人の事何一つわっかんないよ!)
キーンコーンカーンコーン
そうこうしているうちに昼休み終了の鐘が鳴った。
まだ正人についての考察が終わっていないのに、それより先に昼休みが終わってしまった。
「あ、もう席に戻んなきゃ」
「おう、俺のとこにもの置いてくなよ正人」
「大丈夫だって!前のあれじゃないんだから!」
前のあれとは……まぁ前のあれである。
詳しくは後にやる予定のサイドストーリーで。
「あっ、そうだ圭!」
「ん?なんだ正人?もう席着かないと怒られるぞ?」
「じゃあ簡単に言うけど、今日の放課後少し教室に残ってくれない?話があるんだ」
「……ん?」
正人はそう言うと席に着いた。
あまり正人は変わらない様に思えるのだが、
なぜだろう?
嫌な予感がする……
そして難なく授業は終わり、放課後がやってきた。
その時点で本当の地獄が始まるまでのカウントダウンは30分をきっていたのだった……。
今回もお読みいただきありがとうございます!
y2です。
なんと!つい最近この作品が日間ランキングにランクインしたことを知り誠に嬉しく思っています!
ブックマークもとても増え、もう感無量です!
こんなわたしの作品ですがこれからも応援よろしくお願いします!




