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仔猫の恋  作者: くろくろ
狐と黒猫の攻防戦
34/61

お付き合い、はじめました

side.T。バカップルの攻防戦、はじめました。

「よ、よろしくお願いします」

「よろしく…って、これ何度目?」


笑う声はとても機嫌が良さそうで、珠稀もつられてはにかむ。

…とはいえ、これからどうすればいいのかわからない。


当たり前だが、珠稀は男の人…まぁ、男の子もだがー…と、付き合った経験はない。

それが『はい、付き合いましょう!』で、あっさりと変われるはずもないのだ。


自分の│フィールドにいながら、アウェイ感に苛まれる珠稀は、折りたたんだままの足の上で、もじもじとお尻を動かす。

正座を崩すのもろくに出来ない珠稀は、直の動き一つにしても緊張してしまっていた。


「タマ」

「ふぁいっ!?」


「そこまで緊張しなくてもいいだろ」


気合いが入りすぎて変な返事をした珠稀に、直は苦笑して頭を軽く叩く。

ぽんぽんと軽い調子で叩かれた後、短い前髪を指先で整えられる。

くせでも付いていたのかもしれない。

硬直したまま、されるがままになっている珠稀はそんな風に思っていた。


やがて手ぐしでクセが直ったらしい前髪から、指がスルッと滑り降りる。

今度は手の平全体で頬の弾力を楽しむように何度も撫でさすられ、珠稀はくすぐったさに思わず顎を引く。


「直さん…」

「何?」


「喉、鳴りませんよ」


スリスリと撫でていた手を首から離して、彼は何も言わずに笑った。

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