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プロローグ
人々が美しいモノを求めて空想した、その光景。
まるで空想の、いや、空想でも辿り着けない領域。
——汚れを知らない純白の景色。
——汚れを知らない透き通った結晶。
——紅を纏った、目の前の少女。
鳥居が先に幾つも待ち構え、この少年を歓喜する。そこにいる少女はともかく、少年を祝福する暖かみでこの領域は満たされていた。
瞬間、輪っかの形をした細い虹の光が、視界の目の前で弾ける様に広がっていった。
キラリと音を立てても不思議ではないくらい、優雅に、美しく。
音一つ立たない不思議の回廊。
声を出していても、少年の耳には入ってこない。
まるで、他の存在を拒絶するような冷たさ。
歓喜と拒絶の混じった不気味の領域。
空想を超えた透明な光景。
そこに一人立ち尽くす、紅の少女。
——俺はこの場に立って、耐えられないほどの。
胸に、痛みが奔った。
——『無音回廊』——




