↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/30

第11話 勇者一行が魔王城へ侵入してきたので、清掃の邪魔になりました

ついに勇者一行が魔王城へ。

そして最初に出会ったのは――当然、清掃員です。



魔王城。


東門。


その日。


警報が鳴った。


「侵入者だ!」


「人間だ!」


「勇者一行が入ったぞ!」


城内が一気に騒がしくなる。


その頃。


俺は。


廊下を掃除していた。


シュッ。


==========


《東棟第3廊下を清掃》


MP+9200


==========


「よし」


綺麗になった。


次。


曲がり角。


そこに。


泥。


かなりひどい。


「誰だよ、こんな汚したの」


足跡。


何人分もある。


しかも。


奥から。


ドン!


ガキン!


大きな音。


「戦ってる?」


嫌な予感。


掃除したばかりなのに。


俺はモップを担いで向かった。


角を曲がる。


そこには。


人間が4人いた。


先頭。


金髪の青年。


剣。


白銀の鎧。


その横。


杖を持った少女。


弓を持つ男。


そして。


神官服の女性。


==========


《勇者一行》


==========


「勇者?」


金髪の青年が俺を見る。


「人間?」


「そうですけど」


「なぜ魔王城に?」


「仕事です」


「仕事?」


「清掃員です」


4人とも。


固まった。


「清掃員?」


「はい」


後ろで。


魔王軍兵士たちも固まっている。


そのうち1人が。


俺を見て叫んだ。


「レン様!」


「様はやめてください」


勇者が眉をひそめる。


「レン?」


「はい」


「お前が噂の」


噂?


「魔王城の怪物か」


「誰が怪物ですか」


また変な噂。


勇者が剣を構える。


「悪いが」


「はい?」


「魔王の手先なら、通してもらう」


「いや」


俺は床を見る。


勇者たちの足元。


泥。


血。


砂。


ひどい。


「その前に」


俺はモップを構えた。


勇者たちが身構える。


「来るぞ!」


「魔法準備!」


違う。


「動かないでください」


「何をする気だ!」


「掃除します」


「は?」


シュッ!


光が走る。


「うわっ!?」


勇者たちの足元。


泥。


血。


砂。


全部消えた。


==========


《勇者一行周辺を清掃》


MP+18400


==========


ピロリン!


==========


LV105 → LV107


==========


「2つ上がった」


「今の魔法は何だ!?」


勇者が叫ぶ。


「清掃です」


「そんな清掃があるか!」


よく言われる。


その時。


杖の少女が。


俺を見る。


目を見開いた。


「待って」


「どうした?」


「この人……」


少女の顔色が変わる。


「魔力が」


「魔力?」


「見えない」


勇者が眉を寄せる。


「どういう意味だ」


「大きすぎるの」


沈黙。


「大きすぎて」


少女の声が震える。


「測れない」


全員。


俺を見る。


「いやいや」


俺は手を振る。


「そんなわけないですよ」


==========


レン


LV107


総合戦闘力:268000


==========


いや。


確かに。


ちょっと増えた。


勇者を見る。


==========


《勇者・レオン》


LV96


総合戦闘力:118000


==========


「……あ」


俺の方が上だ。


でも。


黙っておこう。


絶対。


「お前」


勇者レオンが剣を下ろさない。


「本当に清掃員なのか?」


「はい」


「ならなぜ」


勇者が俺を見る。


「魔王軍の兵士が、お前を見て震えている」


俺も知りたい。


その時。


後ろから。


魔王軍兵士が叫んだ。


「勇者ども!」


「レン様に近づくな!」


「様やめてって!」


レオンが。


一歩下がる。


「……やはり」


「何がです?」


「魔王軍の幹部以上の存在か」


「違います!」


「ならなぜ兵士が守ろうとしている!」


「知らないですよ!」


話が進まない。


その瞬間。


ドオオオン!


天井が揺れた。


「何だ!?」


別方向。


爆発。


黒煙。


そして。


俺は。


床を見る。


「……最悪だ」


勇者が構える。


「来るのか!?」


「違います」


「何がだ」


「せっかく掃除したのに」


黒い煤が。


廊下に。


降ってくる。


「また汚れた」


俺はモップを握った。


「ちょっと」


「何だ」


「戦うなら」


一拍。


「外でやってもらえません?」


勇者一行。


魔王軍。


全員。


沈黙した。

お読みいただきありがとうございます!


勇者LV96。

レンLV107。


ついに主人公が勇者をレベルで上回りました。


しかも勇者側から見れば、

「魔王軍に恐れられている正体不明の清掃員」

にしか見えません。


次回――

勇者の必殺技で廊下が壊れたので、清掃員がキレました


レン、初めて少し怒ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。