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第84章 ラテアナ大陸へ

 セリア達はコーデリーの港町に到着すると皆で分かれて行動を開始した。


 ユギルはリンドラ王国でラテアナ大陸は貨幣が違うと言われていたので金を作る為あらかじめ買っておいた宝石を売りに行った後宿を取りに向かった。


 他の3人は手分けをして情報を集めに出かけた。



 3時間の時が過ぎた頃、疲れた表情をしたセリア達は集合場所に集まるとユギルの取った宿に入っていった。


「どうだった?」


 セリアは皆に情報を聞くがあまりいい顔はしていなかった。


「私はダメだったわ」


 マイナは残念そうに言うと疲れたのか下を向いた。


「そう……私もよ」


「私も色々聞いたんだけど……」


 セリアが俯くとサラがある情報を持ち出した。


「でもね、ひとついい情報を聞いたわ」


 その言葉にセリアとマイナは顔をガバっと上げてサラを見る。


「何ですか⁉︎」


「ここから東に行ったグランタルって街で大きな武闘大会をやっているそうよ」


「武闘大会?」


「でね、そこにはこの大陸中の人が集まるらしいの、だからそこで情報を集めればきっと」


「行きましょう!」


 サラが話し終わる前にセリアは即答した。


「すぐにこの街を出ると思ってな馬車は手配しておいたぞ」


「流石ユギル!」




 次の日の朝、馬車に乗ったセリア達は東のグランタルに向けて馬車を走らせた。


 セリア達がグランタルの街に着いたのは2日後の朝だった。


 街は大会が終わって3日が経っており街を飾る装飾も取り払われて元の雰囲気に戻り、街に来ていた観客達もすでに自分の街へと帰っていた。


 その為数日前までは酔っ払いが大きないびきをあげてあちこちで寝ていたが今は静かで小鳥の鳴き声が聞こえている。


「へぇ〜凄く大きい街ね」


 マイナは街に入ると辺りを見回していた。


「そうね、ポーラトールくらいかしら」


 セリアも大きな街を眺めていたがそこへある会話が耳に入った。


「今年の大会は凄かったな〜」


「ああ、まさかガゼル学園が負けるとはな」


「そうそう!まさか最下位常連のリチーナ学園が勝つなんて誰も思わんだろ」


「まさにあの3人は救世主だな」


「俺会場で観たんだけどそりゃ凄い戦いだったよ! 皆大盛り上がりだ」


「俺も行きたかったぜ噂の美少女の戦いを間近で見るなんて羨ましいぜ」


「でも最後は流石に死を覚悟したよ魔物が多く出てきて逃げようと思っても出口が封じられてね。でも勇者エレナ様が全部倒して皆を救ってくれたんだよ!」


 セリア達はその名前を聞き逃さなかった。


 ずっと探し求めていた名前を……


 セリア達の足は会話をしていた男に向かっていた。


「あの‼︎ すいません‼︎」


 セリアは男達に話しかけるとその勢いに男達はたじろぐ。


「な、何だい?」


「今言ってたエレナって子、青い瞳に金髪で髪の長い女の子ですか!」


「あ、ああ確かそうだったな」


 セリア達はエレナが生きている事を確信すると抱き合って喜んだ。


「それでその子は今何処に?」


 マイナは男達に聞くと首を傾げた。


「最近見ないんだよな〜まあ詳しく知りたいならリチーナ学園に行ってみな、彼女そこの生徒なんだよ」


「ありがとうございます!」


(エレナが生きている!)


 セリアの足は自然と早くなっていた。


 リチーナ学園に着いたセリア達は頼み込んで学園長に会わせてもらう事になった。


「どうも私はリチーナ学園長のリッドです。何か緊急の用があるとか?」


「お忙しい所すいませんエレナは今何処にいるんですか?」


「彼女の知り合いかい?」


「はい!」


「まあ座りたまえ、少し話が長くなりそうだ」


 そこからセリア達は大会の顛末を聞かされた。


 大会でのエレナの活躍を皆微笑んで聞いていたが最後に魔物の侵攻の話を聞くと深刻な顔に変わった。


「多分彼女は魔物の討伐へ北に行ったはずだ」


「それはいつ行ったか分かりますか?」


「確か2日前の朝だよ」


「これから急いで向かえば追いつけるかも!」


 学園を後にしたセリア達は街で旅の準備をすると馬車に乗り込んだ。


「街ではエレナの名前皆んな知ってたね」


 セリアは街で旅の準備をしていた時エレナの話が幾つも耳に入って買い物に中々集中出来なかった。


 セリアはそれを思い出し嬉しそうに笑っている。


「私も色々聞いたわ。この街では勇者って言われてるのよ」


 マイナも街で聞いた話を嬉しそうに話していた。


「それにしてもエレナらしいわね数万の魔物をひとりで退治しに行くなんて」


「多分100万って言われても行くわよあの子」


「あはは! そうね!」


 エレナが生きていることを知ったセリア達は自然と笑顔で話していた。


「ふっ」


 馬車を動かしながらユギルは中から聞こえてくる楽しそうな会話を久々に聞いた気がして自然と微笑んでいた。






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