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第83章 パーティー

 エレナは豪華な白いドレスを着せられ化粧を施されると侍女に囲まれていた。


 あの後リッドから王族や貴族が集まるパーティーに出てほしいと言われたので断ろうとしたのだがそれを察したリッドに泣きつかれてしまいしょうがなく承諾したのだった。


「綺麗だわ!」


「本当! お人形さんみたい……」


(もう早く旅に出たいのに……)


 エレナは魔物が言っていた数日後に来るという魔物の襲来を食い止める為魔物の大陸がある北へ旅立とうと決心すると、食材を買い旅の準備をしていた。


(セリア達には悪いけどこの大陸の人達を見捨てられないよ……)


「エレナさんちょっといいかしら」


 エレナは部屋を出て会場に向かおうとするとある人物に呼び止められた。


(確かここの侍女を仕切っている人だよな、何だろ?)





 アルトはエレナと同じくパーティに呼ばれており場違いな雰囲気に戸惑っていたが次から次へと声を掛けられる。


 その殆どが勧誘だった。


 貴族の専属警護に国の親衛隊などでどれもアルトには信じられないほど魅力的な話だったがそれを受ける気になれなかった。


(昔の俺だったら喜んで頷いただろうな。だがあいつに出会ってしまったからそんなのじゃ物足りなくなっている……俺はあいつの行く末を見てみたい)


 ザワザワ


 アルトは何やら騒がしいなと思ったがフッと小さく微笑む。


 見なくともアルトはその理由が分かっていたからだ。




 エレナはぐったりしながらも会場に連れて来られていた。


 会場の者はその姿を見ると動きが止まりあるいは羨望の眼差しを向ける。


 何処に行ったらいいのかな? そう思っていると後ろから声を掛けられた。


「エレナさん!」


 振り向くと王子3人が顔を赤くしてエレナをじっと見ていた。


 「「「……ゴク!」」」


 そして皆の視線は胸にいっているのがわかる。


(確かにこのドレス露出が少し多いんだよね胸元が出てるから胸の谷間が見えるし)


「す、凄く綺麗です! エレナさん」


 ロイズは何とか声に出すとハラントとカイジスも後に続いた。


「エレナさん貴方は天から降りてきた女神様の様だ!」


「エレナ殿ようこそいらっしゃいました歓迎します」


『ありがとうございます嬉しいですわ』


 エレナは先程悲鳴を上げるほど丁寧に教え込まれた言葉使いと挨拶のポーズをした。


 そこへ王様達が集まって来ると挨拶をされる。


「エレナ殿ワシはザザーラン国王のノーツだ。先の活躍見事だった礼を言う」


「私はロックス国王のダリスだ同じく礼を言う」


「私はバイシュ国王のワイズだ直に見ると更に美しいな」


『エレナと申します』



 挨拶が終わると王様達からの質問攻めが始まった。


 何処から来たのか、何処でその力を得たのかなどエレナは答えをはぐらかしていた。


「エレナ殿は婚約者はいるんですか?」


『いえ』


 そんな質問に答えると国王達は笑顔で「「「おお!」」」と嬉しそうに声を出した。


「エレナ殿うちのハラントの側室になる気はないかの?」


「いや! うちのロイズはどうだね。素直でいい子だよ」


「待て、それならうちもカイジスの側室になって欲しい」


 いきなり各国から結婚を打診されるとエレナは何て断ればいいのか分からず困っていると王子3人が前に出て国王達に宣言した。


「父上! エレナ殿程の女性にまだ私達は釣り合いません!」


「そ、そうです! もっと強くなって認められる様になるまでは!」


「俺にも目標が出来た。エレナ殿に相応しい男になる」


 そう言われて国王達は呆気にとられるとしょうがないと笑い、顔を見合わせて退散していった。


 王子3人は真剣な顔になるとエレナに話し始めた。


「エレナ殿、あの魔物の話なんですが……」


『数日後に数万もの魔物がこの大陸に来る話ですよね?』


「今日緊急で国家間会議を開き議論がされました。皆信じられない様子でしたが」


「だが俺達は確かに聞いた……これは現実だ」


「エレナさんはこれからどうするんですか?」


『そうですねやっぱり魔物がこの大陸に来るというなら倒すまでです』


「ですが数万もの数をどうやって!」


『大丈夫です。昨日の通りサッと倒してきますよ』


「本当に行かれるのですね……」


「あなたは何故そこまでするんですか」


『みんなを守りたいから……後はこの力をくれた人達の為でもありますかね』


 エレナはそう言うとその場を離れていった。


 その後もあらゆる人に声を掛けられたエレナはやっとのことでアルトの元に来た。


「大変だな」


『まあリッドさんの頼みだしね』


「これからどうするんだ?」


『うーんまずは帰る方法を探そうかな』


「そうか……」


 パーティが終わるとエレナは宿に戻り旅の準備を始めた。




 日も出始めてまだ薄暗い朝、エレナはまだ武闘大会が終わっても飾りはそのままになっている道をフェイを肩に乗せて歩いていた。


 街の門をくぐり門番に挨拶をすると目の前の草原を前に歩き出した。


「全く1人で行こうとは」


 目の前にはアルトが大きな袋を置き待ち合わせていたかの様にそこにいた。


『アルト……』


「お前には与えてもらってばかりだからなここでひとりで行かせたらバチが当たる」


『でもレナとルトはどうするの?』


「学園長の家に暫く預かってもらう事になった、ナナとも仲良くやっているし問題ない。それにひとりで行かせたと知ったらレナに口を聞いてもらえなくなる」


 アルトの言葉に微笑むエレナ。


『そっかじゃあ行こう』


 ガラガラ!


 エレナ達の元に物凄い勢いで馬車が走って来ると目の前で止まった。


 ガチャ!


 中から王子3人が出て来るとエレナに跪いた。


「エレナさん俺達も連れて行ってください!!」


 ハラントがそう言うと他の2人も頭を下げた。


『でも貴方達はこの大陸の未来を担う人じやないですか。危険な旅なんですよ?』


「そんなの魔物を倒さなければ同じ事! それで終わりです」


「王にも話はつけています。俺達を連れて行って下さい」


『……分かりました。行きましょう』


「俺が御者をやろう」


 アルトはそう言うと運転席に乗った。



 かくしてエレナ達は北へ向けて馬車を走らせていった。





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