第69章 入学
宿屋で部屋を2つ取ってエレナの部屋にアルト達が集まった。
「いいのか? 宿代なんか出してもらって」
『大丈夫だよ今日お宝を売っていっぱいお金あるし、助けてもらったお返しだよ』
「すまない」
『じゃあご飯作ったから食べよ!』
「わあ!」
「今日は何かな!」
子供達は先程からするいい匂いにどんな美味しい料理なのか楽しみにしていた。
『今日は美味しいお肉だよ〜』
「お肉大好きー!」
子供達は椅子に座ると喜んで食べていた。
食事が終わるとこれからの事を話合った。
『とりあえずはアルトの剣が直るまでここにいようか』
「すまないな早く帰りたいのに」
『ああ、まだ帰る方法が分からないし、それに少しの間だけど学校に通えるし楽しそうじゃん』
「明日は迎えが来るそうだから朝に宿の入り口でな」
『うん、じゃあまた明日ね皆んなおやすみ』
「お姉ちゃんおやすみ!」
「おやすみ〜」
そして次の日の朝、宿屋の入り口で待っていると制服を着た女の子がやってきた。
「おはようございます!」
『えっとデュアルさんの言ってた案内の人?』
「あ、はい! デュアルは私のお父さんです! 私はミントって言います。よろしくお願いします!」
(へぇ〜あのゴツい親父さんの娘さんかぁ全然似てないし性格も礼儀正しいな)
『じゃあ学校までよろしくね』
「よろしく頼む」
「では行きましょう!」
一緒に歩いているとミントはチラチラとエレナを見ていた。
「まさか噂のエレナさんがうちの学校に来るなんて驚きですよ!」
『え、何で名前知ってるの?』
「それはもうこの街の学生は皆んな知っていますよ。昨日はエレナさんが何処の学校に行くかの話題で持ちきりだったんですよ!」
『そうなんだ……』
「皆んな驚くだろうなぁ、まさか一番来ないと思っていた学校なんですもの」
『それってどういう事なの?』
「あれ? 知らないんですか? うちの学校はこの街で一番下の学校って言われてるんですよ」
『何かランク付けでもされてるの?』
「まあ詳しくは学園長に聞いて下さい」
「何か怪しいと思っていたんだ」
隣のアルトからエレナの思っていた事がそのまま言われたのでエレナは少し笑った。
『ふふ、確かに』
しばらく歩くと先頭を歩いていたミントの足が止まった。
「着きました! ここがリチーナ学園です!」
エレナは大きく立派な建物を見上げると心の中でまだ会ったことなない学園長に謝る。
(いや〜申し訳ないけどさっき一番下の学校とか言ってたから小さくてボロボロの学校を想像してた! でも外から見る限りでは立派な建物に見える! 偏見は良くないよね〜)
門に入ろうとすると周りの学生に囲まれてしまった。
「え‼︎ 嘘でしょ⁉︎」
「うちの学校に入るんですか‼︎」
「エレナさんがいる‼︎」
「ミント‼︎ どうゆう事!?」
「皆んな! エレナさんはこの学校に入るそうです!」
ミントは集まる生徒に大声で宣言すると周りから物凄い歓声が起こった。
「夢じゃないよね⁉︎」
「これから毎日会えるなんて……学校が楽しみだわ‼︎」
「この学校でよかった……泣」
「じゃあみんなこれから先生の所に行くから道を開けて!」
前の人だかりが割れて道が出来る。
どんどん増えていく生徒に見送られながら建物に入って行った。
案内された部屋にはひとりの女性がいた。
「おはようございます、私はここの教師をしていますライアナと言います」
『エレナです』
「アルトだ」
「では早速ですが入学試験をしていただきます。と言っても実力を見たいので得意な分野は何ですか?」
「俺は剣が得意だ」
『えっと剣とマナが使えます』
それを聞くとライアナは驚いた表情をした。
「何ですって⁉︎ あなたマナ使いなんですか⁉︎」
『はい』
「もうそれだけで十分合格なのですが一応見せていただきますね」
ライアナに連れられて外に出ると生徒はいなかった。
(授業中かな?)
後から女性と男性が出てくる。
「では剣は先生のエドラさんにマナはアエルさんが担当します」
「エドラだ、では早速君から試験を行う。これを使ってかかってきなさい」
エドラは木製の剣をアルトに放り投げた。
パシ!
剣を構えてエドラに向かって行った。
カン! カン!!
木の剣でしばらく戦っているとエドラは焦っていた。
(何だコイツは‼︎ もう学生のレベルじゃない‼︎)
「す、ストップだ! 凄いな、誰から教わったんだ?」
「親父からだが」
「そうか合格だ」
それを見ていたライアナは目を輝かせていた。
「じゃあ次はあなたね」
アエルはエレナを見てそう言った。
『何をすればいいんですか?』
「そうね、マナを何か使ってもらえば分かるわ」
そう言われたのでエレナは考えた。
(ちょっと驚かせちゃおうかな〜)
エレナは手にマナを溜めると上空に大きな花火を打ち上げた。
ドォーン!!
大きな音を立てて空にはパラパラと光が舞っていた。
エレナは視線を空から皆に向けるとちょっとどころじゃないことに気が付いた。
その光景を見たまま皆時が止まったように空を見ていた。
「何という威力なの‼︎」
アエルはあまりの凄さに感動していた。
ライアナは体が震えていた。
(このふたりならいける‼︎ この学校を救ってくれるはず‼︎ こうしてはいられないわすぐに学園長に報告に行かなければ‼︎)
「ふたりとも合格です‼︎」
「今手続きをしますので! アエルさんふたりを応接室へお願いします‼︎」
ライアナはリットに報告しようと走って建物に入って行った。
アルトはエレナに近寄り驚きが収まらないまま話しかけた。
「あんなに凄いマナを使えるのに剣士なんてやる必要があるのか?」
『うん、託された物があるからね』




