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第64章 新たなる旅

「待ってくれ!」


 山を登ろうとした時後ろからアルトの声がしたのでエレナは振り向くと後ろから三人が息を切らしながら大きな袋を抱えてやって来た。


「俺達も行く」


「お姉ちゃん僕達も連れて行って!」


「お願い!」


『村の人に何も言わないで来たの⁉︎』


「大丈夫だ、置き手紙を残して来たからな」


『そう……うん! 分かったよ行こう!』


 エレナは嬉しくなり微笑む。


 そうして皆で山を登り始めたのだがやはり道がないので草木を掻き分けて進んでいた。


 ルトとレナも一生懸命について来ていた。


 途中で魔物がいたがアルトが素早く倒していた。


(やっぱり強いな……アステシアさんといい勝負をしそうだ)


 お昼近くになっていた頃ちょうど小さな洞窟を見つけたので休憩をしていた。


 アルト達は次から次へとエレナが料理道具や食材を出しているのを見て驚いていた。


 さっきもアルト達の持ち物を指輪に収納して驚いていた。


「さっきも思ったが凄いな、どんなカラクリ何だ?」


 アルトは思わずそう聞いた。


「お姉ちゃんはマナ使いなんだよ!」


 ルトは興奮した様子でアルトに話した。


「剣士でマナ使いとは……あんたにはいつも驚かされるな」


『色々あってね、ねえあんたじゃなくてエレナって呼んでよね』


「あ、ああ分かった」


『すぐ作るから待っててね』



 休憩を取るとまた進み始める。


『アルトさあ、どのくらいかかるかな。山を越えるのって』


「そうだな前に来た時は2日かかったな。だが道も分からなかったからな、あてにはならないと思うが」


『じゃあ日が落ちるまでに野宿にいい場所を見つけないとね』


「そうだな」


 またしばらく歩いて行くと大きな崖が立ちはだかった。


 エレナは上を見て呟やく。


『ここを登ればかなり短縮できそうな気がする……』


「俺は多分行けるがコイツらは無理だ」


 それを聞いたアルトが疲れて座っているルトとレナを見て言った。


『ふふふ、大丈夫!』


 エレナはそう言ってルトとレナの所に行くとマナで身体強化してふたりを抱え上げた。


『ふたりともしっかり捕まっててね‼︎』


「「うん‼︎」


 ガシ! としがみつくようにエレナに抱きついた。


「おい、まさか……」


『お先‼︎』


 エレナは崖をスイスイと登って行った。


「嘘だろ……」


 アルトは思わずそう漏らして小さくなっていくエレナを見ていた。


 エレナに抱えられたふたりは崖をスイスイと登るエレナに驚くと共に日に当たってキラキラ光る海や絶景に感動していた。


「凄い! 海が綺麗に見える‼︎」


「綺麗……」


 アルトがやっと崖を登り切った頃には日が落ちそうな時間でかなり体力を使い仰向けに倒れていた。


「やっと着いた……」


「あ、来た! お兄ちゃんこっち‼︎」


 ルトがアルトを呼びに来たのを見て重い体を起こし立ち上がった。


「野宿の場所を見つけたのか?」


 アルトは服に付いた砂を払い落とすとルトに聞いた。


「うん‼︎ 来て!凄いんだよ‼︎」


 ルトは興奮した様子でアルトの手を引いた。


「何が凄いんだ? いい景色でも見つけたのか?」


 そこに着くとまたもアルトは目の前のコテージを唖然として見ていた。


「ね‼︎ 凄いでしょ?」


『お疲れ様!』


 エプロンをしたエレナが出て来る。


「今の俺は実はエレナが神様と言われても信じるぞ」


 アルトは真顔でエレナに言った。


『何言ってんの! ほらご飯食べよ』


 夕食を食べて休憩をしているとエレナは独り言を呟く。


『そろそろかな』


「ん? 何がだ?」


『お風呂』


「は?」


『ルトとレナはお姉ちゃんと入ろうか?』


「うん‼︎」


「お風呂なんて入ってなかったから楽しみだわ!」


 ルトとレナはおおはしゃぎで「早く!」とエレナの手を引っ張る。


 エレナは驚いているアルトを見て意地悪っぽい顔をする。


『覗かないでよね』


「の、覗くか‼︎」


 アルトは顔を真っ赤にして反応した。


『冗談だよ、先に入るから出たら入っていいよ』


「あ、ああ」


(ふふふ面白い反応だ、クセになりそう)


 焚き火を消さないように薪をくべるアルトにお風呂に入っているエレナ達の声が聞こえてくる。


「気持ちいい!」


「あ、お姉ちゃんおっぱい大っきい!」


『わ! こらこらさわっちゃダメだよ〜』


「えー」


『えーじゃないよ!』


「いいなぁレナも大きくなるかな」


 アルトは聞こえないように考え事をしようとしたが……無理だった。


 ずっと顔を真っ赤にしていたのだった。


 コテージでは皆で布団に入って眠ろうとしていた。


 エレナの両脇にはルトとレナがお腹の上にはいつもの通りフェイがいた。


「お姉ちゃんあったかい……zzz」


 ルトとレナはエレナに抱きついて少しすると流石に今日の山登りは疲れたのか寝てしまった。


「起きてるか?」


 少し離れた布団で寝ているアルトがエレナに話しかけた。


『うん、どうしたの?』


「エレナはこれからどうするんだ?」


『まずは大きな街に行ってここが何処なのか把握しておきたいんだよね』


「そうか、申し訳ないんだが街に行ったら寄りたい所があるんだ」


『いいよ、こっちもあるし』


「エレナが倒れていたのは何かあったのか?」


『……』


 エレナはアルトに話したカダル王国での事を。


 アルトはエレナから話される事実に眠気が覚める程衝撃を受けた。


「そんな事があったんだな。そんな魔物がいるのか……話を聞くともしかするとエレナは違う大陸から来たかもしれないな」


『うん、そんな気がしてる』


「早く仲間に会えるといいな」


『うん……もう寝ようか、おやすみ』


「ああ、おやすみ」




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