第47章 最後の結晶石
10階の森を進んでいくとガサガサッと草が揺れた。
「何かいる!」
セリアは弓を構えた。
するとそこから出てきたのは小さな生き物だった。
エレナはイタチのような見た目で可愛いと思った。
その生き物はクリクリした目でエレナ達を見つめていた。
『魔物じゃなさそうだね』
「か、可愛い……」
セリアは触りたそうにソワソワしていた。
その生き物はエレナに近づくと嬉しそうに周りをクルクル回り肩に乗ってきた。
『懐いてるのかな?』
「連れて行きましょ!」
セリアがそう言うのでエレナは連れて行くことにした。
更に進むと遠くの方に神殿のような建物が建っていた。
ユギルはおかしいと呟き過去の記憶を呼び出していた。
「あんな建物は無かったはずだ」
『という事はあそこが怪しいね』
エレナ達は小さな動物について歩きながら会話をしていた。
『そういえばこの子の名前どうしようか?』
エレナは肩に乗っている生き物を見ながら言った。
「そうね〜何がいいかな〜」
「こういうのって難しいわよね」
(確かイタチのペットでフェレットていたような)
『フェイってどうかな?』
「フェイか、いいんじゃないかしら」
「そうね呼びやすいしそれにしましょ!」
そうしてフェイと言う名前に決まった。
そうしているうちに神殿のような建物の前に着いた。
『そういえば何でこの階層に魔物がいないのかな?』
「確かに変ね」
「油断すなよ何処かに潜んでいるかもしれん」
入口の扉は大きく水晶が置いてあった。
『これは……』
「中にいるな……」
『どうする? 少し休むか明日にするか』
「もう夜の時間だわ」
「ここで野宿しましょ」
エレナとセリアは一緒に料理を作っていた。
マイナはマナの練習をユギルは周辺を探索していた。
「ねえ、エレナはマイナを受け入れたのね」
『……』
「私もちゃんと愛してくれるなら構わないわ」
『ふたりとも絶対幸せにするよ』
「そう、じゃあ不安を消して欲しいなぁ」
セリアはエレナを向き目を閉じていた。
エレナはセリアの腰に手を回しキスをした。
「ん」
少し長いキスをした後セリアは笑顔でエレナに抱きついた。
皆で食事をしているとフェイも同じものを美味しそうに食べていた。
エレナはその勢いと食べる量に引いていた。
(ガツガツと勢いよく食べているけどあの小さな体によく入るな)
そうしてコテージに入って眠ることにした。
エレナはセリアとマイナに挟まれて寝る。
フェイはエレナのお腹に乗って眠っていた。
ユリナは族長に魔物に変えられてからこの洞窟の最下層で暮らしていた。
ガァー‼︎
ドスン!
ユリナはこの階にいる魔物と戦っていた、その理由は暇だから。
(今日も大きな魔物を倒したわ! 石を集める人早く来ないかなー)
それから月日は流れる。
(……何年経ったんだろう、一向に誰も来ないわ……)
ユリナはまさかこんなにも来ないと思っていなく、つまらない生活を送っていた。
(洞窟の最下層の森には魔物がいっぱいいたんだけど暇だったからみんな倒しちゃったんだよね〜たまに湧くけど私にすぐ倒されちゃうし)
ユリナは魔物を倒す度に強くなっていった。
(何か魔物を倒す度に強くなって行く気がするけど気のせいかな)
そしてその時は来る。いつもの通り魔物が湧いていないか散歩をしていた時、人の声が聞こえてきたのだ。
(あれ! 誰か来たー!)
ユリナは嬉しくなり急いで様子を見に行った。
ガサガサ
草木を避けながらそこに行くと4人の男女がいた。
(あれ? あの男はサラさんに付き纏ってたやつに似てるなー、うわーみんな美人ね)
ユリナは近いて行くと真ん中にいた少女の首にかかった光るものに目がいった。
(あ、あの石は‼︎)
待ちに待った瞬間だった。
(おお‼︎ ついに来たー‼︎)
ユリナは嬉しくなってその女の子の周りをクルクル回った。
そして肩に乗り懐いているアピールをする。
『懐いているのかな?』
女の子はそう言った。
(うんうん!)
その後フェイという名前を付けられた。
(フェイか、まあまあな名前ね、私女だけど……まいっか)
フェイは女の子達に可愛がってもらっていた。
(ああ、皆んないい子で良かった、特にセリアって子は色々お菓子を食べさせてくれるの)
驚いたのはご飯だった。
夜になると皆んなでご飯を食べていたのだがこれが美味い。
(何これ‼︎ 美味しい〜)
フェイは夢中になって食べていた。
(ご主人様は料理が得意みたい! こんな美味しいものがこれから食べれるなんて!)
フェイは今までろくなものを食べていなかった事で新たな楽しみが増えて幸せな気分になった。
(もう一生ついていきます‼︎)
そしてエレナに忠誠を誓うのであった。
エレナは朝起きるとまだ皆んな眠っていたのでゆっくりと起こさないようにコテージから出た。
『さて朝ご飯でも作ろうかな』
料理を作っていると皆んな起き出してくる。
「おはようエレナいつもありがとう。ああ、いい匂い」
「おはよう今日は何かしら」
『おはよう出来たよ!』
皆んなで朝食をとった後戦闘準備を始めた。
『じゃあ皆んな行くよ』
水晶にマナを流すと扉が開いて行く。
ゾロゾロと中に入って行くと広間になっていた。
そして予想通りそれは大きな音を立てて現れた。
ドォーーン‼︎
目の前にはデカいツノと牙を持った黒い竜がいた。
グォォーーー‼︎
『ラーガの族長だ‼︎』
「来るぞ‼︎」
ユギルは先制攻撃を竜に仕掛けようと突っ込んで行った。
オーラを纏い剣で竜に斬りかかる。
ガキン‼︎
腕に当たったが剣は弾かれてしまった。
「く! 硬い‼︎」
エレナはマナを溜めてロッドに流すと竜に向けた。
『レーザーボルト‼︎』
ロッドから電撃を帯びた熱線が幾つも飛んで竜を襲う。
グガァ‼︎
竜は叫び声を上げて仰け反るとエレナは手ごたえを感じた。
『効いてる‼︎』
すかさずセリアは矢にいかずちを付与して放った。
物凄い速さで竜に飛んでいくと腹に刺さる。
竜は暴れ回ると神殿を壊して外に出て行った。
「行くぞ‼︎」
神殿から出ると竜は上に飛んでいた。
「ちい! この広いフィールドだと厄介だな! 攻撃が届かん‼︎」
『何とか落とせないかな!』
セリアは弓を放つが避けられてしまう。
「これだけ広いと当て辛いわ!」
(作戦を考えないと……)
あれからどれくらい戦っているだろうかエレナ達は一向に活路が見出せずにいた。
マイナはその戦闘を見ながら作戦を考えていた。
そして作戦を考えるとエレナの方へ移動した。
「ねえ、作戦を思いついたの」
『どんな作戦?』
「あの竜の攻撃パターンは広範囲ブレスと単体を狙うブレスに翼での突風と爪での攻撃の4パターンよ」
「見ていたけど突風のあと必ずブレス攻撃を仕掛けているの」
「多分ブレスは隙が多いからそれを緩和するのと突風をしている間にブレスを溜めているんじゃないかしら」
『じゃあ突風の後ブレスをするときに隙ができるのか』
「そうね誰か突風を回避しながら攻撃すれば当たるはずよ」
『分かった! 皆んなに相談してくるよ!』
エレナは竜にいかずちを放ち少し時間を稼いだ。
『皆んな聞いて! あの竜は突風攻撃の後必ずブレス攻撃をするんだ!』
「そうか! じゃあ俺が囮になるからお前達で攻撃を頼む!」
そう言ってユギルは竜に向かって行った。
『分かった! セリア集中してブレスの瞬間を狙うんだ!』
「全力の一撃を撃つわ!」
『そうだね! 僕もそうする』
竜にユギルが向かって戦っている。
そしてその時は来た。
竜は突風を仕掛けユギルは突風を剣で防いだ。
竜が大きく息を吸い込んだ瞬間エレナとセリアは渾身の一撃を放った。
エレナとセリアの全力を込めた一撃が竜の口に入っていった。
ドォーン!
竜の中で爆発が起こると煙を上げながら下に落下して行った。
『ユギル‼︎ 今だ‼︎』
「準備は出来ている!」
ユギルは剣を構えていた。
ヒュン‼︎
ズシャー‼︎
凄い勢いで竜の腹を切り裂いた。
オオオオオ……
竜は消え虹色の結晶石が落ちていった。




