第95章 幸せな日々
エレナが帰還してから1年の歳月が流れていた。
今エレナ達はポーラトールの孤児院を拠点として活動している。
セリアはアクセサリーを作る勉強をしながらサラのもとでマナの力を高めている。
弓に関してもユーリアやユギルと共に日々特訓を重ねていた。
マイナは服を作る勉強をしながらサラに術を教えて貰っており、かなりの術を習得した。
また、時間ができるとハーデルト王国に行って国民の治療などをしていた。
サラはポーラトールにマナを教える教師として働きマナの発展に貢献していた。
リンドラ王国やハーデルト王国にも臨時教師として行く事がありその際はユギルも同行し、ふたりで旅行のように楽しんでいる。
ユギルは冒険者となるとその強さで瞬く間に有名になり、現在は最高ランクの冒険者として活躍している。
アルトはユギルと共に冒険者として一緒に魔物を倒しながらユギルに鍛えられ強さを追い求めている。
アリシナはエレナと行動する事が多く孤児院で雑用を手伝い今では子供達に大人気となっていて楽しい日々を送っている。
フェイはユギル達についていく事もあれば一日中孤児院の庭で寝ていたりと自由に生きている。
エレナはポーラトールとリンドラ王国にレストランを出す為リアスとラバーツの協力のもと半年で運営を開始した。
有名建築家のリアスが手掛けたレストランにラバーツの培った知識を駆使したプロデュース、そこにエレナの料理が加わり毎日人の行列が絶えなかった。
毎日店のコックに料理を教える為ポーラトールとリンドラ王国を行き来して忙しい毎日を送っているがそれでも剣とマナの訓練はしっかりとやっておりユギルとサラによって更に力をつけていった。
夕方になるといつものように孤児院には皆が集まり食事を食べながら今日あった出来事を話していた。
『ユギルとアルトは依頼でサンカダルの港町に行ってきたんだよね? どうだった?』
エレナは無言で食事をしているユギルとアルトに話しかけた。
サンカダルとは旧カダル王国のことであり、あれからエレナの提案通り港町として船を量産しこの大陸の上に位置するシャラス大陸との架け橋になるべく復興を目指している。
「随分とデカい船が何隻か建造されていたな、地元の話では近々シャラス大陸に向かうと言っていた」
ユギルが淡々と答える。
「シャラス大陸かぁどんな所なのかなぁ」
セリアはまだ行った事のない場所に想像を膨らませている。
『これから開拓が進むだろうから落ち着いたら皆んなで行こうよ』
「しばらく旅をしていなかったから久々にいいかもね」
マイナは一年前の旅を懐かしみ笑みが溢れる。
「エレナ最近忙しさが増してる気がするけどけど大丈夫?」
サラは疲れが見えるエレナが心配のようだ。
『でもやりたかった事だから辛くないよ。今度ハーデルト王国にもレストランを出してくれってマイナの義兄さんに泣きつかれちゃってさ』
「また忙しくなるじゃない! 時間はあるんだからゆっくりやろうよ」
セリアも流石に心配になってくる。
「そうね、明日は休みなさい。皆んな心配してるのよ」
『ありがとう、そうだね明日はゆっくりしようかな』
「今日街に買い物に行ったらラテアナ大陸から来た人に会ったんです! 他にも結構いるみたいで逆にこっちからも結構な人が行ってるみたいですよ」
アリシナは少し重い雰囲気をみて話題を変える。
サラの術によってラテアナ大陸に容易に行けるようになり半年前から盛んに大陸間での交流が増えていた。
その為船の増産と改良が進んでいて前は3日はかかる渡航も今は2日までに短縮していた。
「リンドラ王国で聞いたんだけどラテアナ大陸の国々と近々会議をするそうよ。何処でやるかは分からないけど」
サラも聞いた事を話した。
『ラテアナ大陸にも全然行ってなかったから行かないとね、アルトとアリシナも家族に会いたいよね』
「おじいちゃん元気かな……」
エレナの言葉にアルトは妹弟を思い出しふっと微笑む。アリシナも祖父を思い出して少し感傷に浸った。
「今度ラテアナ大陸に行きましょうよ! まだ行っていない所もいっぱいありますよね?」
アリシナが元気な声で皆に提案した。
「久々に旅なんていいかもね」
「行きましょう」
皆んな賛成の意志を表明していくとエレナは頷いて言った。
『じゃあ一週間後にしようか』
「決まりね」
そうしてエレナ達はラテアナ大陸に行く事にしたがその予定は無くなる事になるのだった。




