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アルグリア戦記 ~1/31,104,000秒の世界~  作者: 虎口兼近
第4章 詐欺師飛翔編
23/40

第22話 廃神さん...傍観する(5)

 毎月...3日...13日...23日......更新予定ですが、アルグリア戦記が累計八万字達成するまで3日から毎日更新しています。集英社WEB小説大賞に本作を応募する為です。

 今回の投稿で八万字が達成したので、次回投稿から通常更新に戻ります。

 作者には夢があります。“妄想ゲームの歴史を現実でゲーム化する”事です。コー○ー○○○ゲームスさんで、○○の野望のファンタジー版歴史シミュレーションゲームとしてゲーム化される中継点になる事を切に願って投稿します。

 いつから本作が仮想小説だと誤解していた? 本作は作者の妄想ゲームの設定集を備忘録化したものです。勘違いさせたのならお許し下さい。

●アルグリア大陸暦千五百三十八年三月十日 

【アルバビロニア大帝国~帝都プロローズ】






【ノクレ・オーディス】

「次の方、お入り下さい......」






 老年の地精霊人(ノーム)の商人が、次の現地従業員面接の相手を呼ぶ。




 入って来たのは商人と同じ地精霊人(ノーム)の老年の紳士だったが、その姿を一目見て商人は()()()()を思い出した。




 ベニアス王国で、商人の成り上がりを助けてくれた人物に余りにも酷似(こくじ)していたからだ。




 だが、紳士から受け取った紙を読み質問を繰り返す内に他人の空似(そらに)だと判断した。




 受け答えと履歴書から有能な人物だと、採用だと商人は判断するも、己の直感がこの紳士の完璧さが怪しいと警告を発していた。




 商人は、己の直感を絶対視する。




 何故なら、過去にその直感よりも人情を優先して、商人は()()()()()()からだった。




 直感に従いこの紳士は落とそうと決めた商人に、待ったを掛けた者がいた。




 その者は、別室から面接室を除いていた、空中に浮かぶ真っ裸の赤ちゃんだった。






【カルマ】

『ノクレ、この人は合格でお願いします。......』






 商人は、主からの言葉に了解の意を()()で伝えると同時に、忠告もした。




 この人物は怪しいと。




 赤ちゃんは告げる。




 この老紳士は詐欺師だと。




 商人は驚き再度、忠告する。




 その様な者を、内に入れるは危険ですと。




 赤ちゃんは告げる。




 この老紳士は、訳有りだと。




 それから、赤ちゃんは商人に色々と指示を出した。






【ノクレ・オーディス】

「アエニブスさん、本音で話をしましょう......」






 老紳士は(とぼ)ける。




 何の事でしょうかと。




 商人は柔和に語る。




 あなたの経歴もあなたの有能さも完璧過ぎると。




 私の直感が失礼だが、あなたは(なにがし)かの嘘を付いていると言うんですよと。




 すると、老紳士は目に見えて狼狽(ろうばい)し出す。




 滴々(ダラダラ)と汗を()く様は、先程までと同じ人物とは思えない。




 商人は、呆気(あっけ)にとられた。




 先程までの胆力が嘘の様に無くなり、あっさりと白状した。




 詐欺師の紳士は、()()()()()()()()()、土下座しながら語る。




 実は探している物があると。




 この商会なら、その()()かその物の()()が得られると思い従業員面接に来たと。




 商人は、詐欺師からその物を聞き答える。




 ここには()()はありませんが、手に入れる事は()()ですと。




 詐欺師は、土下座から瞠目(どうもく)した表情で、顔だけ上げて値段を尋ねた。




 商人は答える。




 ()()は必要な者なら天井知らずの値段になりますが、お金ではお売り出来ない品物ですと。




 詐欺師は問う。




 では何を用意すれば売ってくれるのかと。






【ノクレ・オーディス】

「あなたの()()を対価に頂けるなら、ご用意しましょう!」






 詐欺師は、(いぶか)しみ尋ねる。




 己の技術とは詐術であり、それを()()の対価とすると? 詐欺師は自信なさそうに再度尋ねる。




 私の様な()()()()()()()()()()()()、でも()()()()()()()()()()()になる詐欺師でいいのかと。




 商人は柔和に答える。




 あなたが良いんですと。




 詐欺師は立ち上がり、ぎこちなくお辞儀(カーテシー)をしながら答える。






【ナークス・アエニブス】

「お、お望みのままに......」






 商人は、詐欺師に微笑みながら伝える。




 あなたには、()()()()を騙して貰うと。




 あなたの全力に期待すると。




 詐欺師は最敬礼する。




 嘘が暴露(ばれ)なければ、()()()の私にお任せ下さいと。




 商人は()()()大いに納得して、詐欺師に告げる。






【ノクレ・オーディス】

「あなたに騙して貰いたい人物は、“アレキサンドロス・アルバビロニア”陛下......この国の大帝です」






 FHSLG【アルグリア戦記】のプレイヤーの多くは、王道の職業である剣士・盗賊・回復師・魔術師系統のキャラクターで大陸制覇を目指す。




 しかし、(から)め手の奇道で大陸制覇を目指す、天の邪鬼(あまのじゃく)を地で行くプレイヤーの三種の職業は、奇術師・詐欺師・呪術師である。




 そして、奇抜(きばつ)な特化才能(スキル)を駆使して戦争ゲームで覇権を握る醍醐味(だいごみ)に打ち震えるのだ。




 ナークス・アエニブスをプレイキャラクターに選択する人は、多くはない。




 それは地精霊人(ノーム)の平均寿命は二百歳程なので、年齢も百七十三歳と高齢であり、プレイ年数の短さと所持才能(スキル)の調和の悪さ故に敬遠される。




 その才能(スキル)群は、満枠の《詐術Ⅸ》《話術Ⅸ》《奇術Ⅶ》《催眠術Ⅸ》《交渉術Ⅴ》《鑑定術Ⅲ》《礼儀作法Ⅲ》《薬術Ⅲ》《錬金術Ⅲ》《長剣術Ⅲ》であり、高レベル帯の才能(スキル)は対話系才能(スキル)三枠・幻惑系才能(スキル)二枠と見るべきものは多い、しかし低レベル帯の才能(スキル)が所作系才能(スキル)一枠・生産系才能(スキル)三枠・戦闘系一枠と、総合バランスの(いびつ)さが目立つ。




 だが、一部の好事家(マニア)が所持称号の博打性に()かれプレイをする。




 そして、そのナークス・アエニブスが持つ称号《二枚舌》が、このキャラクターの長所を危ういものにする。




 その効果は、嘘・虚言の効果(極大)【交渉時の成功率が八十パーセント上昇する】と言う超不正行為(スーパーチート)な効果である。




 しかし、交渉失敗時に嘘・虚言が必ず露見する効果(極大)【失敗時に(なにがし)かの罰則が付与される。罰則は交渉内容により変化する】がある為に、一般プレイヤーは二の足を踏むのである。




 あるプレイヤーは、戦争の詰めで同盟国軍に敵国軍への奇襲を交渉した時、交渉成功確率は九十八パーセントだったが、交渉は二パーセントの失敗確率に軍配が上がった。




 すると同盟国軍が裏切り、逆に自国軍を急襲され自国軍が敗退し、敵国軍と元同盟国軍の連合国軍により、自国が滅ぼされた事もあった。




 ちなみに交渉成功率は、最大で九九.九パーセントで、必ず○.一パーセントの失敗率が存在する。




 これは、運営製作会社(インダストリア)の、物事に絶対は無い、物事には必ず一パーセント未満であっても可能性が存在すると言う(こだわ)りが、()()()()に体現されていた。






●アルグリア大陸暦千五百三十八年一月十五日 

【ベニアス王国~王都ヘテナ~王の書斎】






【ローグレス・ベニアス】

「それは誠か? 何かの間違いではないのか?」




【フェルキウス・ウェンダル】

「残念ながら、申し訳ございません......」






 王は宰相から告げられた内容を信じたくはなかったが、知性がそれは真実であると判断する。




 ベニアス王国は、列強であるエルブリタニア帝国とフューダー大王国、強国であるバロック王国に囲まれながらも、外交を駆使して主権を守って来た。




 しかし、現実は無情であり、()()()の対処を誤れば、ベニアス王国は一瞬で隣国の強者に食い散らかされる。




 王は宰相を書斎で待たせたのち、王妃を伴い戻って来て、宰相に()()()を告げる。




 その内容を理解した宰相が、涙声ながらに土下座をして、二人に詫びるのだった。






【ローグレス・ベニアス】

(兄上なら必ず......)






 王は行方知れずの兄を思い浮かべて、(かつ)てベニアスの明星(みょうじょう)と唱われた兄なら、この状況を座して待たず、己と同様に必ず動くと確信していた。






●アルグリア大陸暦千五百三十八年二月五日 

【アルバビロニア大帝国~帝都プロローズ】






【ジズード・マラッセ】

「くっくくくくく、あっははははは......」






 帝都プロローズの一画にある豪華な邸宅で高笑いする老獪(ろうかい)地精霊人(ノーム)の男が、報せを告げた者を下がらせ(ひと)()ちた。






【ジズード・マラッセ】

「馬鹿な奴だ......」






●アルグリア大陸暦千五百三十八年三月八日 

【アルバビロニア大帝国~帝都プロローズ】






【ベスティア・ノール】

「パパ、ごめんね。私......ママに会いたい......」






 雨が激しく窓を打つ深夜、寝台に仰向けで眠る少女は涙を(こぼ)し、(うな)されながら寝言を呟いていた。




 その言葉を部屋の片隅で聞いていた大男が、静かにその少女の涙を(ぬぐ)い、静かに嗚咽(おえつ)を漏らさない様に己の口に手を当て涙を流す。




 そして、大男は少女を起こさない様に、静かに部屋を後にする。




 大男が部屋を出て廊下を進むと、廊下の影から小男が進み出て大男に告げる。




 ()()()が手に入りましたと。




 大男は静かに頷き、静かに呟く。






【キルギスタス・ノール】

「マリア、ベスを守ってくれ......」




【カルマ】

(......)






 激しい雨の中、窓辺の空中に浮かぶカルマは沈黙する! 




 その視線の先には、病魔に侵され余命(いく)ばくもない少女の姿が映っていた。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 アルグリア大陸の東の端に位置するフューダー大王国、アスト領にある霊山『不死山』には禁忌が存在する。




 一つ、霊山に冬期の入山はそれを禁ずべし。




 一つ、霊山で騒ぎを起こすを禁ずべし。




 一つ、霊山に入山し霊山のものを持ち出すを禁ずべし。




 一つ、霊山に入山し麒麟と武競べするは唯一人で行うべし。




 一つ、霊山では()()()()()を禁ずべし。




 この五ヶ条が霊山の禁忌であり、それを破ると神々の祟りがあると伝承にある。






 この禁忌の禁を破り消滅した国家が、この霊山『不死山』が在るアスト領、旧アサン皇国である。








 To be(続きは) continued(また次回で)! ......

ご都合主義満載! 新章の締めは第33話!


新章【詐欺師飛翔編】、ワクワクすると思った人は、★評価・ブックマーク登録・感想よろしくお願いします!


最後に、読者の皆様に感謝を、お読み頂き、ありがとうです!


【2020/07/20 改訂しました】

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