第81話 勝者なしの撤退
勝つことを考えた瞬間、相原ユウは死ぬと思った。
目の前の通路には、敵がいる。
背後には、リングがある。
上には観客席。
左右には鉄柵。
床には、赤と金の光が薄く走っている。
見えないはずのものまで見えそうなほど、闘技場全体が熱を帯びていた。
難波ジャックの声が、まだ耳に残っている。
特別公開処刑ショー。
名前からして最悪だった。
でも、相原はその言葉の中で一つだけ分かった。
これは、勝つ試合ではない。
逃げるための試合だ。
倒す必要はない。
制圧する必要もない。
観客を黙らせる必要もない。
戻る。
ただ、それだけでいい。
相原は、震える足で一歩踏み出した。
その瞬間、観客席が沸く。
「動いた!」
「翠の子、走るんか!」
「どの道行く?」
「右や! 右が出口っぽい!」
「いや、左に張った!」
声が降ってくる。
それに合わせて、通路の赤い光が強くなった。
観客の熱が、道を変える。
相原には色は見えない。
でも、床の振動は分かる。
警備員がどこへ走ったかは分かる。
観客がどの通路を見ているかも分かる。
黒瀬透真の声が飛んだ。
「右は金が濃いです! 見えている出口です!」
見えている出口。
つまり、見せられている出口。
相原は右へ走りかけた足を止めた。
バグ丸が後ろからぶつかりそうになる。
「急に止まるなや! ワシ、ブレーキ性能低いんや!」
「右、駄目です!」
「じゃあどこ!?」
相原は左を見る。
左も人がいる。
敵性選手が二人。
だが、観客の視線は右ほど集まっていない。
さらに、左の通路の入口には古い清掃用ワゴンが置かれている。
バグ丸なら、たぶん引っかかる。
引っかかれば、何かが起きる。
起きてほしくない。
でも、起きるなら使うしかない。
「左です!」
「敵おるやん!」
「でも、見られてないです!」
「見られてない方が安全って、ここどういう場所やねん!」
バグ丸は叫びながらも走った。
相原も走る。
腹が痛い。
さっき桃瀬ハナに殴られた場所が、走るたびに響く。
呼吸が苦しい。
でも、立ち止まれば捕まる。
後ろから、論田マコトの声が飛ぶ。
「観客熱量で障害が追加されるなら、注目を浴びる道ほど危険になります!」
「つまり地味な道を行けってことですか!」
「そうです!」
マコトは走りながら端末を見ている。
その画面には、公開処刑ショーの追加規約が流れていた。
【観客熱量が一定値を超えた通路に敵性要素を追加】
【逃走対象の進行方向に応じて障害強度を調整】
【制圧成功時、対象者の再登録権限を運営へ移行】
マコトは歯を食いしばる。
「再登録権限を運営へ移行……言い換えが雑ですね」
バグ丸が叫ぶ。
「雑でも怖いわ!」
「制圧後処理という名目で本人同意を回避しています。そこが契約の核です」
「核とか言わんといて! 爆発しそうやん!」
「あなたは黙って事故ってください」
「命令が雑!」
左の通路から、敵性選手が二人出てくる。
一人は赤い腕甲をつけた男。
もう一人は金属の棍棒を持つ女。
相原は足を止めそうになった。
怖い。
普通に怖い。
桃瀬ハナとは違う。
この二人には、手加減する理由がない。
だが、その前にハナが出た。
「すみません、通ります」
柔らかい声。
次の瞬間、ハナの拳が男の腹に入った。
鈍い音。
男の体が折れる。
続けて、棍棒の女が振り下ろす。
ハナは避けずに左腕で受けた。
腕が軋む。
だが、止まらない。
ハナはそのまま一歩入り、肩で女の体勢を崩し、足払いで倒した。
観客席が沸く。
「ハナちゃん強っ!」
「裏切っても強い!」
「いや、制圧してるだけちゃうか?」
「どっちに張ればええねん!」
モニターの倍率が乱れる。
【桃瀬ハナ裏切り継続:3.2 → 2.6】
【桃瀬ハナ制圧偽装:倍率変動中】
【逃走対象左通路進行:熱量上昇】
通路の床に、金色の線が伸びてくる。
相原は息を呑む。
「見られ始めてます!」
透真が観客席から叫ぶ。
「左も金が濃くなっています! 長くいると塞がれます!」
ミナトの声が上から重なる。
「相原くん、立ち止まらないで。見えたら次。止まると札が固定される」
「札が固定?」
マコトが即座に言語化する。
「観客の期待が一つに集まると、ジャックの契約が強くなるという意味です!」
「分かりやすく言ってください!」
「同じ場所にいると死にます!」
「分かりました!」
相原は走った。
バグ丸も走る。
マコトは肩を押さえながらついてくる。
ハナは後ろを守るように歩いていたが、契約端末が赤く点滅した。
【契約選手:桃瀬ハナ】
【警告:制圧義務不履行】
【関連債務者:ミユ】
【債務再計算準備】
ハナの足が止まりかける。
相原は、それを見てしまった。
ハナの顔が、ほんの一瞬だけ青ざめた。
「ハナさん」
「大丈夫です」
「それ、嘘です」
マコトが言った。
ハナは苦笑する。
「論田くん、本当に嫌なところ突きますね」
「今は必要です」
マコトは端末を見ながら言う。
「あなたが僕たちを守る形になると契約違反になる。なら、制圧行動として成立させればいい」
「どういうことですか?」
「僕たちを逃がすのではなく、僕たちを追い立ててください」
ハナの目が細くなる。
「追い立てる?」
「あなたは運営指示に従い、対象を指定区域へ追い込んでいる。そういう建前にします」
バグ丸が走りながら叫ぶ。
「え、つまりハナちゃんに追いかけられるん!?」
「はい」
「それ普通に怖いやつやん!」
「怖い方が自然です」
「自然を理由に恐怖を押し付けるな!」
ハナは少し考えた。
そして、拳を握る。
「分かりました」
次の瞬間、ハナの足元に紅翠の光が走った。
彼女は相原たちの後ろから、強く床を踏む。
リングではなく、通路の床が震える。
「逃げてください」
ハナは笑顔で言った。
「捕まえます」
「言い方!」
バグ丸が悲鳴を上げる。
ハナが走り出す。
速い。
相原たちは本気で逃げるしかなくなった。
観客席がさらに沸く。
「ハナちゃん追撃!」
「やっぱ制圧側か?」
「いや、逃がしてるやろ!」
「どっちでもええ! 面白い!」
熱が割れる。
制圧なのか、裏切りなのか。
観客の解釈が分かれる。
その分、金の流れも割れる。
上段で、ミナトが端末を操作していた。
「いいね、論田マコト」
小さく呟く。
「言い訳を作るのがうまい」
ミナトは、賭け札の流れにまた黒を混ぜる。
【桃瀬ハナ:制圧行動として追撃中】
【桃瀬ハナ:保護宣言との整合性不明】
出所はぼかす。
断定はしない。
客が勝手に揉めるようにする。
「制圧やって!」
「いや保護やろ!」
「どっちやねん!」
「両方成立するなら札どうなる!?」
紅の熱が、また分散する。
ジャックの金線がわずかに揺れた。
監視室で、難波ジャックが笑う。
「ミナトくん、うまいなあ」
声は楽しそうだった。
だが、指は机を強く叩いている。
「でも、それくらいでワシの舞台は割れへんで」
ジャックが端末を叩く。
通路の先に、鉄扉が落ちた。
相原たちの目の前が塞がる。
バグ丸が叫ぶ。
「閉まったあああ!」
相原は足を止める。
前は鉄扉。
後ろからはハナ。
横には古い非常階段の扉。
非常階段。
だが、扉には金色のロック表示。
所有されている。
透真の声が飛ぶ。
「非常階段は金が濃いです! たぶん罠です!」
「じゃあどこですか!」
相原は周囲を見る。
一度目。
鉄扉が落ちた。
非常階段は罠。
通路の上。
天井に、古い点検口がある。
ただし、高い。
普通なら届かない。
近くには清掃ワゴン。
さっきも見た。
清掃ワゴンの車輪は、片方が歪んでいる。
押せば斜めに動く。
それを踏み台にすれば。
「上です!」
相原は叫んだ。
「点検口!」
バグ丸が天井を見る。
「届くか!」
「ワゴンを使います!」
「ワゴン信用して大丈夫なん!?」
「大丈夫じゃないです!」
「なんで使うんや!」
「他がもっと駄目です!」
マコトが言う。
「合理的です。最悪ですが」
「最悪な合理性嫌いや!」
バグ丸は叫びながら、清掃ワゴンを押した。
当然、まっすぐ動かない。
斜めに滑る。
壁にぶつかり、跳ね返り、なぜかちょうど点検口の下で止まる。
バグ丸が固まる。
「……ワシ、天才?」
「事故です」
マコトが即答する。
「褒めて!」
「あとで」
「絶対褒めへんやつや!」
ハナが迫る。
「捕まえますよ」
声は柔らかい。
でも足音は速い。
相原はワゴンへ飛び乗る。
足が滑る。
落ちかける。
バグ丸が慌てて支えようとして、逆に自分が転び、ワゴンが大きく傾いた。
「うわあああ!」
傾いたワゴンが、相原の体を跳ね上げる。
狙っていない。
完全に事故。
だが、その事故で相原の手が点検口に届いた。
指がかかる。
痛む腹に力を入れる。
「っ……!」
引き上げる。
無理だ。
腕力が足りない。
だが、下からマコトが相原の足を押した。
「早く」
「ありがとうございます」
「礼はあとで」
バグ丸も、なぜかワゴンの下敷きになりながら叫ぶ。
「ワシも押してる感じ出してるで!」
「出してるだけです!」
「精神的支援!」
相原は点検口へ体を滑り込ませた。
狭い。
埃っぽい。
腕が擦れる。
でも、入れた。
下を見る。
マコトが次に来ようとしている。
だが、ハナがすぐ近くまで来ていた。
このままでは、マコトが捕まる。
相原は点検口の中から叫ぶ。
「ハナさん、右足!」
ハナが一瞬止まる。
「右足?」
「さっき肩を狙う時と同じです! その角度だと、マコトさんの肩を壊します!」
ハナの目が揺れる。
その一瞬で、マコトがワゴンへ足をかけた。
バグ丸が下から支えようとして、なぜかワゴンのロックを蹴り外す。
ワゴンが動く。
マコトの体が変な角度で跳ねる。
「ぐっ」
相原が腕を伸ばす。
マコトの手を掴む。
引く。
重い。
腕が痛い。
でも、引く。
マコトが点検口へ入る。
バグ丸が残った。
「ワシは!?」
下から叫ぶ。
ハナがバグ丸の襟を掴む。
「捕まえました」
「終わったああああ!」
ハナはにこりと笑う。
そして、バグ丸を点検口へ向かって投げた。
「え」
バグ丸が宙を飛ぶ。
「ぬおおおおお!?」
相原とマコトの間に突っ込む。
三人まとめて、点検口の奥へ転がった。
下でハナが言う。
「制圧対象を指定方向へ移動させました」
マコトは埃まみれになりながら呟く。
「……苦しい解釈ですが、成立はします」
バグ丸は天井裏で丸まったまま震えている。
「今の投げ方、優しかった? 優しかったんか? ワシには死の空中散歩やったけど!」
相原は息を切らしながら、狭い天井裏を這う。
前方に通路が伸びている。
暗い。
狭い。
でも、観客の視線は届かない。
ここなら、少しだけ熱が薄い。
透真の声が端末から聞こえた。
『相原さん、今のルートは金が薄いです。しばらく進めます』
相原は、端末を握りしめる。
「はい」
だが、安心するには早かった。
天井裏の先から、冷たい気配がした。
ロロ。
相原は、体が固まる。
暗闇の向こうに、ロロが座っていた。
まるで最初からそこにいたかのように。
「やあ」
ロロは笑った。
「二度目、うまくなったね」
相原の喉が閉まる。
マコトが小さく息を呑む。
バグ丸が後退しようとして、天井裏の梁に頭をぶつけた。
「痛っ!」
ロロは楽しそうに笑う。
「いいね。君たち、弱いのに道を作ってる」
相原は震えた。
ロロは怖い。
ハナとは違う。
ジャックとも違う。
遊びながら壊す。
そういう怖さだ。
「どいてください」
相原は言った。
声は震えていた。
ロロは目を丸くする。
「君がそれ言うんだ」
「どいてください」
「嫌だよ」
マコトが低く言う。
「相手に交渉の意思はありません」
バグ丸が囁く。
「終わりやん」
その瞬間、天井裏の床が嫌な音を立てた。
ぎし。
バグ丸の下。
相原は目を見開く。
「バグ丸さん、動かないで!」
「動かへん! ワシ今、銅像!」
ぎしぎし。
ロロが楽しそうに見る。
「へえ」
バグ丸が泣きそうな声を出す。
「これ、落ちるやつ?」
次の瞬間、床が抜けた。
「やっぱりいいいい!」
バグ丸が落ちる。
相原とマコトも巻き込まれる。
天井板が崩れ、三人は下の通路へ落下した。
だが、落ちた先はロロのいる側ではなかった。
古い分岐の下。
点検口の構造が途中でずれていたらしい。
三人は、ロロの背後ではなく、横の別通路へ落ちた。
バグ丸は床に叩きつけられ、しばらく動かなかった。
そして、むくりと起きる。
「生きてる!」
マコトが咳き込みながら言う。
「本当に、面倒な能力ですね」
「能力ちゃう、不幸体質や!」
相原は痛む体を起こし、周囲を見る。
別通路。
観客の声が遠い。
金のロックも薄い。
そして、遠くに非常口の標識。
「こっち……出口に近いです」
端末から透真の声がした。
『その通路、金が薄いです。今なら行けます』
だが、後ろからロロの声が響く。
「逃げるんだ」
楽しそうだった。
「いいよ。追わない」
相原は振り返らない。
追わないという言葉を信じるほど、馬鹿ではない。
マコトが言う。
「走ります」
バグ丸も叫ぶ。
「今度こそほんまに走る!」
三人は走った。
通路の先で、ハナが合流する。
彼女は別ルートから回り込んでいた。
肩で息をしている。
契約端末はまだ赤く点滅している。
だが、彼女は笑った。
「こっちです」
「ハナさん」
「私は、制圧対象を出口方面へ追い込んでいます」
マコトが即座に頷く。
「その建前で行きましょう」
ハナは相原の背中を軽く押した。
「走ってください」
「はい」
一方、観客席では透真がようやく階段を降りていた。
背中が痛む。
足もふらつく。
それでも、進む。
ミナトが上段から降りてきて、横に並ぶ。
「動くなって言ったよね」
「動かないと、届きません」
「そういうところ、ほんと危ない」
「すみません」
「謝るなら走って」
ミナトは端末を見せる。
「相原くんたちは非常口側。だけどそこ、最後に金の封鎖が来る」
「ジャックが閉じる?」
「たぶんね。観客が出口に気づいたら、一気に閉まる」
「なら、その前に」
「いや、閉まる前に行くんじゃない」
ミナトは目を細めた。
「閉まる瞬間に、別の熱を作る」
透真はミナトを見る。
「別の熱?」
「観客の視線を出口から逸らす。派手なものを見せる」
「何を?」
ミナトは、少し嫌そうに笑った。
「俺が見つかる」
次の瞬間、ミナトは観客席の中央に飛び降りた。
黒《影帳》を解除する。
それまで薄かった存在感が、一気に戻る。
観客の一部が気づく。
「鴉羽ミナトや!」
「情報屋!」
「上で金流いじってたやつか!」
ミナトは端末を掲げた。
「難波ジャックの金流ログ、今なら買い手多そうだね」
観客席がざわめく。
監視室のジャックが目を細める。
「ミナトくん」
ミナトは笑う。
「冗談だよ。売らない」
そして、端末から一つだけ公開ログを流した。
【観客熱量→契約強度変換ログ】
【抽出元:公開処刑ショー観戦端末】
【観客参加契約:自動同意扱い】
観客席の空気が止まった。
「自動同意?」
「ワシらも契約に使われとるんか?」
「熱量って、客のことか?」
「おい、どういうことや!」
熱が変わる。
興奮から、不信へ。
紅はまだ赤い。
だが、向きが変わった。
ジャックの舞台を盛り上げる熱から、ジャックに向く熱へ。
金の線が乱れる。
出口へ伸びていた封鎖の金線が、一瞬だけ薄くなった。
透真が叫ぶ。
「今です!」
相原たちは走った。
非常口の扉が閉まりかける。
ハナが前に出る。
拳を叩き込む。
扉は完全には壊れない。
だが、歪む。
マコトが叫ぶ。
「観客参加契約を隠していた時点で、公開処刑ショーの参加同意に矛盾があります!」
蒼い線が走る。
金の封鎖が、一瞬だけ止まる。
バグ丸がその隙間へ突っ込む。
「ワシ先頭!? 死ぬやつやん!」
扉の下に転がっていた工具箱につまずく。
工具箱が跳ねる。
中から古い鉄棒が飛び出し、扉の隙間へ挟まる。
封鎖が止まった。
バグ丸は床に転がりながら叫ぶ。
「見たか! これがワシの生き様!」
マコトが言う。
「事故です」
「もうちょっと言い方!」
相原は、扉の隙間を見る。
一人ずつなら通れる。
まず、バグ丸が転がり出る。
次にマコト。
相原はハナを見る。
「ハナさんも」
ハナは少し笑った。
「私は最後です」
「でも」
「追い込む役なので」
その背後から、敵性選手たちが迫っている。
ハナは拳を握る。
「早く」
相原は唇を噛んだ。
そして、扉の隙間を抜けた。
外の空気が頬に当たる。
冷たい。
地下の熱とは違う。
相原は、外に出た。
完全な自由ではない。
浪華色街の敷地内。
まだ追手は来る。
でも、地下劇場からは出た。
透真とミナトも、別階段から合流する。
透真は息を切らしている。
ミナトは平然としているようで、端末を握る指に力が入っていた。
ハナが最後に扉を抜ける。
背後で、金の封鎖が再起動した。
鉄扉が重く閉まる。
地下から観客の怒号が漏れる。
相原は膝をつきかけた。
透真が支える。
「相原さん」
「黒瀬さん……」
「戻ります」
その言葉に、相原は泣きそうになった。
戻る。
その言葉を、ずっと探していた。
だが、安心するには早すぎた。
敷地の出口へ向かう通路。
その先に、人影が立っている。
白い上着。
整った顔立ち。
真っ直ぐな姿勢。
その背後に、数人の影。
空気が変わった。
浪華色街の熱とは違う。
清潔で、硬く、逃げ場のない正しさ。
男は静かに言った。
「国家管理外で色相戦を起こした」
透真の体が強張る。
ミナトが小さく舌打ちした。
マコトが目を細める。
ハナは拳を下ろさない。
相原は、ただその男を見た。
男は続ける。
「説明してもらおうか」
日向アキラ。
国家非公式最強チーム、七曜会。
その白が、出口に立っていた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
今回は、浪華色街からの撤退戦でした。
難波ジャックを倒したわけではありません。
ロロも倒せず、浪華色街そのものも壊せていません。
それでも、相原を地下闘技場から外へ出すことには成功しました。
勝利ではなく、勝者なしの撤退です。
そして最後に、七曜会が現れました。
次回も読んでいただけると嬉しいです。




