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7話:元剣聖、正式な騎士となる

 シャルロットの手当てした俺は共に街へと向かっていた。

 シャルロットの頬が若干だが紅潮しているように見えたので、声をかけてみた。


「シャルロット様、少し顔が赤い様ですが体調が悪いので?」

「ち、違うわよ! こ、これは……」

「これは?」

「これはそう! 動いた後だったからそれでよ!」

「そうですか? 気分が優れないようでしたら言って下さいね?」

「わかったわよ」


 それからほどなくして街に着いた俺とシャルロット。門番はシャルロットが戻ってきたことで喜んでいた。

 そのまま屋敷に向かう。

 屋敷に着くとシャルロットが俺の裾を摘まみ不安気に見上げてきた。


「どうしたのですか?」

「その、お父様に叱られる……」


 怒られるのが怖いようだ。

 誰でも親は怖いものだ。


「大丈夫ですよ。私も一緒に叱られますから。行きましょう」

「うん」


 屋敷に戻ると、使用人たちがシャルロットが無事に戻ってきたことに喜んでいた。

 書斎に行くと、エトワールさんとアイーシャさんが待っていた。


「あ、あのお父様。その――」


 シャルロットの最後の言葉は、エトワールさんとアイーシャさんが抱きしめたことで遮られてしまった。


「良く無事で戻ってきてくれた」

「シャル。無事でよかったわ」


 何度もそう言って二人は涙を流していた。


「うっ、うぐっ、ご、ごめんなさい」


 シャルロットも謝り三人は涙を流したのだった。

 それからしばらくして。


「それでアルス君。シャルはどこに?」

「はい。どうやら私の予感が的中したようで森にいました」

「森にいたのか。だがこの怪我は?」

「それは、森でグレイウルフの集団に襲われて応戦して出来た傷です」


 その言葉を聞いたエトワールさんは、「魔物に!?」と驚いていた。

 それはアイーシャさんさんも同じだった。


 俺の言葉の続きはシャルロットが説明した。


「あとは私から言うわ」

「はい」


 一歩後ろに下がる。


「応戦したけど結局は二体しか倒せず、死んだと思ったその時、アルスが助けに来てくれたの。お父様、お母様。迷惑をかけてすみません」


 シャルロットは頭を下げて謝る。だがエトワールさんは優しい言葉をかけた。


「別に構わないよ。だけどねシャル?」

「はい」

「謝るのは私たち以外にもいるのではないかい?」


 それで気が付いたのだろう。屋敷の外を見ると捜索を手伝った騎士達が話しているところだった。


 そうだ。今回の件は多くの人に迷惑をかけたのだ。エトワールさんはシャルロットにそれを知ってほしかったのだと思う。


「そうですね。皆様にも謝らなくてはいけないわよね」

「そうだ」

「そうよ。行ってきなさい」

「はい」


 シャルロットは書斎を出て騎士達にへと謝まりに向かった。

 俺も付いて行こうとして、エトワールさんに止められた。


「アルス君待ちなさい」

「はい。なんでしょうか?」

「もしかして、決めたのかね……?」


 決めた、とはつまりはそう言うことだろう。

 だから俺は真っすぐとエトワールさんの目を見て答えた。


「はい。最初はやるつもりなど考えてはいませんでした。ですが、森で必死に戦う彼女を見て、私は決心しこの命シャルロット様に預けました。そして私はシャルロット様が、王国で一番の騎士になるのを近くで、この目で見届けたいのです」


 エトワールさんの目を見て俺はそう言った。

 エトワールさんとアイーシャさんが俺を見つめる。

 だが次の瞬間には……


「そうか。君で良かった」

「そうね。君ならシャルを任せられるわ」


 エトワールさんとアイーシャさんは見つめ合い頷き、同時に口を開いた


「「アルス君、これからもシャルをよろしく頼む(お願いします)」」


 なんか嫌な予感がするのだが、気のせいだろうか?


 だが俺は二人の想いに誓うように、膝を突き宣言する。


「はい。この命に代えても、シャルロット様をお守りすることを誓います」

「そういう意味ではないんだが……」

「そうね。まあ、まだそれでいいわ」


 俺は顔を上げ首を傾げた。

 二人の言っている意味が解らないからだ。


「なんだ。頼んだぞ」

「はい」


 シャルロットが戻ってくると、膝を突く俺とそれを微笑ましく見る二人という光景に、コテンと首を傾げるのだった。





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