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ユニゾン 生命一心共同体  作者: カミカクシン
21/37

魔人襲来

 ゲートの向こう側、魔王城。


 魔王に幹部の魔人 アイン・バルカス が意見する。


「魔王様! これ以上魔物を送り込んでもいたずらに数を減らすだけです」

「定期的に魔物を送り込んだところで、無駄死にですよ」


「それならそうでも構わん」


「なんてことを!」


「バルカスお前はまだ若い。しっかりと考えてみろ」

「俺達は何のために異世界に手を出しているんだ?」


「食糧確保のためです」


「そうだな。じゃあ魔物が死ねばどうなる?」


 魔人は何かに気が付く。


「なるほど」


「そういうことだ」

「魔物が死ねば結果的に必要な食料は減る」

「どっちでもいいんだよ」


「それでは死んでいく魔物がうかばれません」


 魔王はめんどくさそうに答える。


「知ったことではない」

「魔物なんていくらでも替えが利く」

「魔物を下に見ないお前のほうが特殊だぞ」


「皆同じ命でしょう」

「魔物を送り込むのをやめていただきたい」


「それはできない」


「ならば、私が直接異世界に行き、勝利を収めて見せます」


「それも許さん」

「ロディスの報告にもあったように、人間の中にも危ない奴がいる」

「時期になれば総攻撃を行う。だからもうしばらく待て」


「分かりました」


「本当に分かったのか?」


 魔王の問いかけに返事をすることなく、バルカスはその場を立ち去った。


 バルカスは怒りを抑えて部下の待つ部屋に入る。


「隊長! 結果はどうだったんですか?」


「だめだった」

「だがもう待ってられない」

「たとえ魔王様の命令であったとしても、もう耐えられない」

「ついてきてくれるか?」


「「「もちろんです」」」

「我らアイン一族の王たるあなたに従います」


「ありがとう」



 隼人達はいつものように四人で自主練習に励んでいた。


 そこに突如として空間が歪み、ゲートが開く。


「なんだここ。建物の中みたいだな」


 そこから一人、獅子のような容姿をした魔人が降り立つ。


「あそこから離れろ!」


 隼人は瞬時に状況を理解し、自主練をしている生徒に避難を呼びかける。


「扉をくぐって逃げるんだ! 早く!」


 隼人の声を聞いて生徒が走って移動し始める。


「僕が時間を稼ぐから今のうちに!」


 そういった隼人の表情がゲートを見て一気にこわばる。


 開いたゲートから五十を超える魔人が降り立ったのだ。


 バルカスが部隊に命令する。


「一人でもいいから捕まえておくように! 人質に使える」


「分かりました」


支持を受けた部隊の魔人が人質の確保に動き出す。


「行かせない!」


「身体強化レベル5! 来い新月!」


 戦闘状態に入った隼人の姿を見て魔人の足が止まる。


「あのイアリングは! ユニゾンってやつですね」

「確保は他の部隊に任せます」

「こいつは危険だ。全員で一気にやるぞ!」


 部隊は五人で構成されているようで、五人の魔人がさらに行動を開始する。


 その魔人に対してもけん制を行い時間を稼ぐ。

 しかし、隼人にも限界があり攻撃を受けたすきに魔人を通してしまう。


 練習場の中にはいつもの四人しかいない。

 三人は他の生徒の避難誘導をしたため逃げ遅れてしまっていた。


 隼人は五人の魔人と戦闘をしながら叫ぶ。


「早く! 急いで扉をくぐれ!」

「僕もこの人数はさばききれない」


 三人が扉に向かうが魔人に扉を破壊される。


「ファイアボール」


 翔が放つ魔法を魔人は避けるそぶりすらしない。

 魔人に魔法が当たるが傷一つないようだった。


「ウソだろ!」


 翔たちはあっという間に五人の魔人に囲まれてしまう。


 隼人は一対一で魔人に負けるようなことはない。

 しかし、五対一という不利な状況もあり、攻撃を受ける回数が増えていく。


「人質は一人で構いません。男のほうは殺していいでしょう」


 バルカスの命令で魔人が翔たちに攻撃を始めようとする。


 翔たちが傷つくと思うと、隼人の中にどこからか力が溢れだしれくる。


「させない!」

「ここでやれないで何のために強くなったんだ!」


「身体強化レベル6」


 今までの魔法よりもさらに強力なものが発動される。

 それは発動するのが難しく、隼人でも発動しないことがない魔法だった。

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