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序幕 死の導き

 ◇序幕◇


 世界は常に軸が必要であり、軸なきコマは狂うように世界もまた狂う。

 だから僕は軸になる。

 世界の軸、つまり王様に。


 高校二年、最後の夏、僕は病室でパソコンを開き起動するのを待った。液晶画面に、起動したという文字が浮かび上がる。僕は迷うことなくマウスを動かしていく。

 VRMMORPGという種類のゲームらしい。僕はそのゲームをいつものように起動した。

 このゲームはすべてにおいて自由度が高く、ゲームというよりひとつの世界そのものだった。

 僕はその世界において、全サーバーの頂点。王、という階級クラスのプレイヤーだ。僕が全てであり、神にも等しい絶対的な力をもっている。

 僕はその世界が大好き、否。愛していた。

 気味がられたところで、これは揺るがない。

 共に幾多の死地を乗り越えた友、依頼を受け発展させていった街。すべてが愛おしかった。

 生まれる世界を間違ったのかもしれない。そんな考えが脳の全てを覆っているように思う。

 僕は、死を迎える。

 余命を費やした世界に想いを馳せて。



 

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