【エピソード 043】 テレビのスタジオ収録(4)「bis」は、リピート記号のネスト回避。終止線が無いと、永久に終わらないのか。「Fine.」は晴れではない。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 043】 テレビのスタジオ収録(4)「bis」は、リピート記号のネスト回避。終止線が無いと、永久に終わらないのか。「Fine.」は晴れではない。
▼ 場面変更
司会(音楽の先生)「次のメールです。「楽譜に「bis」と書いてありました。どういう意味でしょうか?」です」
司会(音楽の先生)。にやりと笑う。「サティさん、お願いします」
サティ(エリック・サティ)「なぜ、楽典の回答者として、俺を呼んだんだ? 俺の楽譜は、デタラメだと言われているのに。嫌がらせか?」
ハル。隣に座っているダリ(画家)に、小声で聞く。「デタラメなんですか?」
ダリ。眉毛を、ヒョイと上げるだけ。
サティ「そうだ、デタラメだともーーー!」楽譜の紙を、どっさりと宙に撒く。スタジオ内を、紙が舞う。
何枚か、紙がカメラ前に来て、ゆっくりとなり、説明の文字や矢印などを表示。紙が去り、別な紙が来る。
カメラの前に来る、紙の例。『グノシエンヌ 第1番(Gnossienne)』小節線が無い。
カメラの前に来る、紙の例。『LES TROIS VALSES DISTINGUEES DU PRECIEUX DEGOUTE』小節線が無い。2段目以降、音部記号が無い。4分休符の書き忘れ?
ハル。少し跳ねて、紙を1枚、手に取る。
司会(音楽の先生)「キャスティングについては、申し訳ありません、存じ上げません。ご質問の「bis」の回答をおねがいします」
サティ「「2回演奏する」の意味だ」楽譜。画面上部は「bis」の表記。画面下部はリピート記号の表記。繰り返し部分は、3小節程度で表記。「これは、どちらも同じ意味だ」
ハル。楽譜の紙で、紙飛行機を折っている。第3話で、ハルが考案した、垂直尾翼があるもの。
司会(音楽の先生)「ではなぜ、「bis」の表記をするのでしょう?」
サティ「既にリピート記号を使っていたら、その中には使えないだろう。リピート記号の入れ子(ネスト)はできないんだ」楽譜。画面上部も下部も、もっと広い範囲のリピート記号。
サティ「画面下部の楽譜では、リピート記号が入れ子になっている、セットが崩れている。だから「bis」にする。嫌がらせか?」
司会(音楽の先生)「ありがとうございます」
▼ Bパート
司会(ショージ)「CMが明けて、司会者が変わりました。ショージです」
司会(ショージ)「あいさつ代わりに、この鼻が……」自分の鼻を指す。「……こんな花になります」ピアノのペダルを離す記号になる。
司会(ショージ)「ピアノの楽譜には、ペダルを踏む記号と、ペダルを離す記号がありますね」背景に楽譜。指し棒で「ここで踏む」「ここで離す」
記号の「ここで踏む」は、分身の術で分かれ、分かれた1つの形が、ゆっくり「Ped.」になる。これにより、記号に見えるものが、文字由来と知らせる。
司会(ショージ)「ふと思うのは、この記号をデザインした人は、駄洒落が好きだったんですね。このマークは、花に似ていて、ペダルを離す記号が花のマーク」背景に「離す」「はな」「花」を並べる。
スタッフが、ショージの目の前にカンペ(カンニングペーパー)を出す。
司会(ショージ)「はいはい、わかりましたよ」
司会(ショージ)「クラシックの同じ曲の楽譜でも、出版社によって、ペダルの記号の書き方が違ったりします」
背景に、ペダルの範囲を指示する表記の違いをいくつか。
▼ 場面変更
司会(ショージ)「メールを読みます。「終止線の無い楽譜がありました。永久に終わらないのですか?」ということで、先ほどのすごく長い曲ではなく、永久に終わらない曲をお作りになったショパンさん。お願いします」
ショパン「もしかして、『マズルカ 作品7-5』ですか? ちゃんと終わりますよ」
司会(ショージ)「では、終止線の説明からお願いします」
ショパン「楽譜は、小節線で区切られています。縦線とも呼びますね」楽譜。指し棒で「小節線」。吹き出しで「「縦線」とも呼ぶ」を添える。「縦線」には、フリガナの「じゅうせん」も添える。
ショパン「終止線は、楽譜の最後に書く、特別な小節線です」楽譜。最後の終止線に差し棒。「終止線があれば、楽譜の終わりなので、次のページはありません」
ショパン「終止線によく似た「リピート記号」がありますね」楽譜。リピート記号。
ショパン「リピート記号が、楽譜の途中にあれば、このように進みます」リピート記号の中を2回演奏し、終わりに向かう。机上の楽譜を斜めから見て、メイド服のカンガルーが歩くと足跡が付き、立体矢印で戻るジャンプ、戻った後は、終わりに向かう。
メイド服のカンガルーは、第2話で、ステラの自宅で登場し、繰り返しの説明をしていた。
ショパン「楽譜が、リピート記号で終わっていれば、1回繰り返して終わり、つまり、2回の演奏をしたら、終わりです」さっきの楽譜が表示されたまま、終わりの部分がぼんやり消えて行く。
ショパン「僕の『マズルカ 作品7-5』も、この形式です。もちろん、気分によって、繰り返し回数を増やしても良いでしょう」
司会(ショージ)「ご質問のメールには、添付画像があります。回答してくださった『マズルカ 作品7-5』ではない、別な曲です」楽譜を表示する。
司会(ショージ)「確かに、終止線がありませんし、リピート記号もありません。でも、次のページもありませんね」
ショパン「この楽譜は、終止線ではなく、停止記号で終わります」楽譜。
司会(ショージ)「停止記号は、目玉に似たフェルマータですね」楽譜の、フェルマータの部分にズームアップ。
ショパン「フェルマータは、普通なら、音符や休符に付きます。けれど、この楽譜の場合、小節線に付いていますね。ここで停止する、つまり、ここで曲は終わりです」
ショパン「慣例として、小節線の上にはフェルマータ、下にはこの文字を書きます」楽譜の「Fine.」を目立たせる。
司会(ショージ)「曲が終わって、晴れ晴れした気分ですね」
ショパン「英語の「晴れ」「ファイン」ではありません、イタリア語の「フィーネ」です。「フィナーレ」「フィニッシュ」ということです」
ショパン「もちろん、一度は楽譜の最後まで行って、ジャンプで飛び戻ってから、フィーネで終わるんですよ」
ショパン「楽譜の最後から、先頭方向にジャンプする記号は、リピート記号以外では、「D.C.」と「D.S.」があります」
司会(ショージ)「あ、一度は最後まで行って、この「ダ・カーポ」、または、「ダル・セーニョ」で戻ってから、楽譜の途中で終わるんですね」
次回は …… 【エピソード 044】 テレビのスタジオ収録(5)納得できないランキング。絶対音楽と標題音楽で魔法使いをデシリットル。著作権の切れたクラシック曲なら安くしてほしい。ケチケチするのも仕事のうち。
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