【エピソード 041】 テレビのスタジオ収録(2)ネウマ譜のノートが現代日本で市販されている。ストロークの音符。バッハの顔が広がる。初めて見た表記に驚いても、読めるから、まあいっか。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 041】 テレビのスタジオ収録(2)ネウマ譜のノートが現代日本で市販されている。ストロークの音符。バッハの顔が広がる。初めて見た表記に驚いても、読めるから、まあいっか。
▼ 場面変更
司会(音楽の先生)「次のメールです。「楽譜用のノートを買ったのですが、線が4本しかありません」ほほう。画像が添付されていますね」画像。ノートの表紙。大きくト音記号のデザイン。
バッハ。顔の輪郭は大きいが、目鼻口が小さく、くしゃっとした顔。顔を大きくしようと、両手で頬やこめかみを引っ張っている。
バッハ「ネウマ譜だね」
司会(音楽の先生)「バッハさん。ありがとうございます。続きをお願いできますか?」
バッハ「現代の楽譜が普及する前は、4本線のネウマ譜が使われていた。現代もネウマ譜用のノートが市販されているのか、この日本で。驚きだな」
司会(音楽の先生)「メールの続きを読みます。「4本の線のうち、1本が赤くなっています」」
バッハ「赤い線?」
司会(音楽の先生)「画像が添付されていますね」画像。4本の線のうち、上から3番目の線が赤い。「これは……、英語のノートですね」
バッハ「なんだとぉ!」驚いて、ムメンシャンツ(Mummenschanz)の粘土のお面のように、顔がびろーんと延びる。
司会(音楽の先生)「何をなさっていますか?」
バッハ「こうして、顔が大きいのが、魅力だろう」
ステラ。小声で「オランウータンみたい」背景に、オランウータンの顔。
バッハ。ステラの小声が聞こえた。ステラを睨んで、静かな口調で。「顔が広い方が、何かと活動がしやすいのだ」
司会(音楽の先生)「もう一度、表紙の画像を」大きくト音記号が描かれているが、文字の「English Note」が書かれている箇所を強調。
司会(音楽の先生)「やはり、英語のノートですね」
司会(音楽の先生)「表紙のト音記号は、単なるデザインだったようですね」
バッハ。顔の輪郭の大きさはそのままで、くしゃっとした顔が、もっとくしゃっとなる。
▼ 場面変更
司会(音楽の先生)「ギターの質問です。「ギターの楽譜ですが、これって、音符ですか?」」
司会(音楽の先生)「ギターですので、どなたにお願いしましょうか」
ハル。そっと挙手する。なぜか、和服(羽織)を着ている。
司会(音楽の先生)「はい、手が挙がりました。早坂君、お願いします」
ハル「最近、ギターを始めたばかりなので、自信はありませんが。あのー、楽譜を見せてください」
司会(音楽の先生)「おっと、遅くなって申し訳ありません。音符に似ていますが、玉が棒のように書かれています」楽譜。コードネーム付きで、ストローク。
ハル「これは、ストロークです。いわゆる、「コードのガチャガチャ弾き」というのです」
ハル「「コード」とは和音のことで、音符を使わず文字だけで和音を表現したのが「コードネーム」です」楽譜のコードネームを、色の点滅で強調。
ハル「コードネームが「Am」と書いてあれば「ラ、ド、ミ」を鳴らす、「G7」と書いてあれば「ソ、シ、レ、ファ」を鳴らすという意味です」
ハル「でも、「ラ、ド、ミ」なんて覚えなくてもいいんです。「Am」と書いてあったら、コード表の形を真似すれば、ちゃんと「ラ、ド、ミ」が鳴ります」
ハル「コードの意味は知らなくても、形を真似ればいいのです」
司会(音楽の先生)「ギターでもピアノでも、ドはたくさんありますが、どのドを使いますか?」
ハル「オクターブ違いで、どのドを使うかは、コードネームでは指定できません。どのドを使うかの指定は、楽譜ではできますが、コードネームは、頑張って文字だけで表現したので、勘弁してください」
ハル「それでも、音符の玉の代わりに、太い線で表現すれば、音を出すタイミングは、指定できます」
司会(音楽の先生)「次の小節で、コードが変わっても、音符の書き方は変わりませんね」
ハル「それが、このストロークの書き方の利点だと思います。「高いド」「低いド」の指定をせず、「要するに、ラ、ド、ミ」とか、「要するに、ド、ミ、ソ」とかは、コードネームに任せて、音符はタイミングを指定する役割です」
ハル「コードが、ギターで普及したのは、推測ですが、楽譜を読めなくても、演奏できるからだと思います。「コードの押さえる形」を、出逢った順に5個くらい、多くても10個くらい覚えたら、形の意味は知らなくても、たくさんの曲が演奏できます」
司会(音楽の先生)「他には、楽譜を使わないので、手書きのメモが簡単など、ありそうですね」
背景に、コードの押さえ方が、いくつか漂っている。
ハル「例えば、Amは「ラ、ド、ミ」が鳴ればいいので、こんな押え方でも、こんな押え方でもいいんです」3種類の押え方。
ハル「どれでもいいので、Amを1つ、G7を1つ、Cを1つというように、5個くらいを覚えれば、たくさんの曲が演奏できます」
ハル「では、コードを押さえて、ガチャガチャ鳴らしてみます」コード弾きする。
ハル「楽譜で、細かく「ラ、ド、ミ」などの音符を書かずに、ガチャガチャと弾くタイミングだけを指定するために、音高を指定しない玉として、こんな形の音符で表現したんです」
ハル「では、演奏してみましょう」メールの添付楽譜を演奏する。
司会(音楽の先生)「ありがとうございます。そのように演奏するのですね」
小人症(ミゼットプロレスなどで活躍)への考慮があれば、「2頭身」「上手に弾ける」「腕が届く」のセリフがあっても良い。単に、わざとらしく「ギターを始めたばかりで、いつの間に、上手になったのでしょう」でも良い。
ハル「この楽譜では、Amの押さえ方の指定はされていません。コード表にある形とは違うAmを使うなど、工夫すれば、こんな演奏にもなります」腕を袖に入れて、再び出す。なぜか、手の甲には、毛が多い。
再度の演奏は、楽譜の通りだが、ハイコードも用いて、かっこよくなった。ハルは、首で拍子をとりながら、うっとりするように、斜め上を向いて目を瞑っている。
司会(音楽の先生)「素晴らしいです。同じ楽譜でも、演奏の工夫で、こんなに違うんですか」
ハル「音符の玉による、詳しい音高の指定をしないから、このようにできます」羽織の中から、ハルの父親が、暑そうに出て来る。背景に「二人羽織」と、そのフリガナを大きく表示。
ハルの父親「ストロークの音符と、普通の音符が混在していることもあります」背景に楽譜。コードの変わり目で玉の音符、それ以外はストロークの音符。
ハルの父親「この場合は、最初の玉の音符を繰り返すのです」背景に楽譜。画面上部に、さっきの楽譜。画面下部に、全部が玉の楽譜。「どちらも同じ」の文字を添える。
コードが変わらないのに、違う高さの玉が記されている箇所もある。
コードの押さえ方が変わる箇所には、押さえ方の図を添える。
ハルの父親「楽譜は、乱暴な言い方をすると「要するに、読めればいい」のですから、そうやって新しい表記が考案され、便利で、ちゃんと意味が伝われば普及し、やがては書籍に載って「正しい楽譜」になるでしょう」
ハルの父親「音楽のジャンルや、楽器によっても、普及の程度が変わるので、初めて見た表記に驚いても、「読めるから、まあいっか」と思ったことが、何度もあります」
司会(音楽の先生)「少なくありませんね」
ハルの父親「若者達が、辞書に無い言い回しをして、意味は伝わることはありますね。普及して辞書に載ったり。僕は学者ではないので、初めて出逢った言い回しや楽譜なら、表現に違和感がありながらも、「読めるから、まあいっか」です」
次回は …… 【エピソード 042】 テレビのスタジオ収録(3)ピアノの指番号は従うべきか。薬指の長さと、猫の肉球。ショパンの『英雄ポロネーズ』には、32分休符。
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