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【エピソード 032】 「シ」は、英語なら「B」で、ドイツ語なら「H」の理由。

【前書き】

なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?

初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。


▼ 登場人物

ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。

ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。


楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。




オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。


そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。


唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。


「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。




人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。


ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。



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【エピソード 032】 「シ」は、英語なら「B」で、ドイツ語なら「H」の理由。


▼ 場面変更


音楽室。


放課後。


ハルとミッツとヤッ子。


ハル「ところで、ヤッ子先生。ドイツ語では、「シ」が「B( )ビー)」じゃなく「H( )エイチ)」なんですね」


ヤッ子「ああ、「H」は、ドイツ語の音名だな。「ハー」と読む。」


ハル「ドイツ語には「B( )ビー)」の文字が無いんですか?」


ヤッ子「B( )ビー)の文字はあるが、「シ♭」を指すんだ」


ハル。困惑して「え、ええー」


ヤッ子「ドイツで、和音の研究をしていたところ、白鍵の「シ」よりも、黒鍵の「シ♭」の方が大切だと考えたんだ」


ハル「なぜ? 音は平等ですよね」


ヤッ子「鍵盤モノサシと、音階スライドがあっただろう。それで、白鍵ばかりを使うのは、ハ長調。主音は日本語では「ハ」、英語では「C」、イタリア語では「ド」だな」


ハル「白鍵ばかりですよね。「シ♭」は黒鍵です」


ヤッ子「ピタゴラスの倍音の話があったな。あの説明では、ハ長調で倍音を説明した。「ド」を基準として、8倍音までは、こうだ」


黒板に、イタリア語の音名を並べる。「ド、ド、ソ、ド、ミ、ソ、シ♭、ド」を書く。


ハル。気付いたように。「あっ」


ヤッ子「この倍音列で、「ドミソの和音」が倍音から作られたと説明した。そこで、私はさっき、ドイツで和音の研究と言った。和音と倍音は、密接なんだ」


ハル「だから、この「シ♭」が大切なんですね」


ヤッ子「そうだ。そんな大切な音なのに、「Bの変位」とするのは、けしからんとなった」


画面下部に鍵盤を2オクターブ程度、画面上部にアルファベットを最後まで。アルファベットのAからGが、分身の術で白鍵に移動し、画面上部の使用済みのアルファベットは灰色に。


ヤッ子「そこで、この黒鍵に「B」という名前を与えたんだ」鍵盤の「B」の文字が、シからシ♭に移動する。


ハル「えっ?」


ヤッ子「しかし、名前を取られた白鍵は困ってしまった。そこで、アルファベットで、これまで使われていた「G」の次の「H」を、代わりに与えたというわけだ」画面上部のアルファベットのHが、分身の術で鍵盤に移動。


ハル。驚いて「あ、そうか、それで「H」なんだ」


ミッツ「「パンツ」って呼び方を、ズボンに取られた、下着みたい」


ヤッ子「それから、ドイツ語は、英語と読み方が違うから、ついでに覚えておくといいぞ」書棚から資料を出す。「ほら、ドイツ語では「H」は「ハー」と読む。「エー」と発音すれば、ドイツ語の「E」だろ」


ハル「これは、覚えなきゃいけないの?」


ヤッ子「楽典のついでに覚えておくと、会話で便利だってことだ。会話している相手が、もしかしたらドイツ語で話しているのかな、なんてな。楽典の謎解きの、一助になるだけで、必須ではない」


ヤッ子「見てわかるように、ドイツ語では「♯」も「♭」も使わない」


画面に、鍵盤、日本語、イタリア語、英語、ドイツ語を並べる。外国語にはカタカナでフリガナを添える。日本語には「嬰」「変」にひらがなでフリガナを添える。




▼ Cパート


吹奏楽部の、トロンボーン先輩。先生ちゃんのように、顔だけ、または2頭身。


説明用の別世界。背景は無地。


トロンボーン先輩。吹奏楽部で新たに受け取った、2声を1段に書いた楽譜を持っている。その楽譜を画面に向ける。


トロンボーン先輩「今回の楽譜は2声を1段に書いていたけれど、クラシックギターの楽譜では、3声を書くこともある」クラシックギター曲の楽譜。


トロンボーン先輩「上のここがメロディ、下のここがベース音、中間のここが和音」楽譜に色分け。それぞれの色を、指し棒で「Aさん、メロディ担当」「Bさん、和音担当」「Cさん、ベース担当」「3人分だから「3声」と呼ぶ」と記す。


トロンボーン先輩「ピアノでは、大譜表が使われているから、ギターでも2段にしても良さそうだけど、見たことが無い」ピアノの楽譜。左端の中カッコに差し棒で「この中カッコでまとめられている楽譜が大譜表」と記す。


「大譜表」にはフリガナを添える。


トロンボーン先輩「なぜ、2段の楽譜が無いのか、その理由はあれこれ推測できそう」


トロンボーン先輩「そこのキミ、気が向いたら、クラシックギターのソロの曲を、大譜表で書いてみないかい?」


次回は …… 【エピソード 033】 シャッフルとスウィングの違い。ジャズに挑戦するミッツには、ジャズの「上級アレンジ」と「簡単アレンジ」の中間を書いてみる。妖怪ヘアーのヤッ子のピアノでハルが汗だく。



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