【エピソード 023】 音叉のA=440。「A」が「ド」ではないのは、民族音楽と白鍵。『ドレミの歌』が、昔もあった。祖父がキーボードを始める。コードがあれば、わざと間違えても気付かない。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 023】 音叉のA=440。「A」が「ド」ではないのは、民族音楽と白鍵。『ドレミの歌』が、昔もあった。祖父がキーボードを始める。コードがあれば、わざと間違えても気付かない。
▼ 場面変更
次の平日。学校。
理科の授業の後。
ハル「ヤッ子先生、ちょっと質問が」
ヤッ子「何だね」
ハル「休みの日に、父と楽器店に行ったんですが、これ、音叉も買って来ました」音叉を見せる。背景に「音叉」と、そのフリガナ。
ヤッ子「おお、これは大切だな」
ハル「ここに「A=440」って書いてあって……」
ヤッ子「ああ、これは、周波数が440の意味で、1秒間に440回の振動をする音高は、Aと名付けてあって、この音叉はその音が鳴るように作られているんだ。楽器の調律の基準に使うな。音名の「A」を、これに合わせる」
ヤッ子。音叉をハルから受け取る。
歴史的には、音楽用でも変遷があり、音楽とは別な用途の音叉もあるが、視聴者が混乱する懸念があるので、表示しないのが良さそう。
ヤッ子。音叉で膝を叩く。「このままでは、音が小さい」と指し棒。ヤッ子が音叉を壁に当てると「音が大きくなる」と指し棒。壁が振動しているのがわかるように、大袈裟にアニメ。
ハル「それはわかるんですが、どうして「ドレミ」の始まりの「ド」じゃなくて、中途半端な「ラ」なんですか?」
ヤッ子「うーん。次の授業の準備があるから、手短に話すが、歩きながらでいいか?」
ハル「はい、済みません」
ヤッ子。音叉をハルに返す。
ヤッ子「Aは宇宙の音高、赤ちゃんの産声もそうらしいし、なぜか、世界中の民族音楽で、この音高が最重要だと聞いた。その大切な音高に、「A」と名付けたわけだ」
ハル「宇宙の音高? そうなんですか」
ヤッ子「なぜ、「宇宙の音高」なのかは、わからないが、民族音楽では、Aが最も多く使われていて、その他の音高も使われていて、あちこちの民族音楽で共通している音高がいくつかあって、それらが、今のピアノの白鍵になったんだ」
ヤッ子「まあ、まだピアノが発明される、ずっと前だが」
ヤッ子が歩きだしたので、ハルも一緒に歩く。
ヤッ子「白鍵だけを使っていると、長調ではドが主音だから、音階で「ドレミ」の「ド」が大切だとなった。Aが先に決まり、ドが後で決まったってことだ」
ハル「ありがとうございます」
ヤッ子「それから、ええーっと、何だったかな、大昔の歌で、『ドレミの歌』のような、「♪ドーナツ、レモン、みんな」みたいな歌で、ここから「ドレミファソラ」が……」
背景に、曲のタイトル、『ヨハネ賛歌』を表示。楽譜も表示して、わかりやすいように、各段の先頭に「ド」「レ」……を添える。
ハルとヤッ子。職員室の前に到着する。
ハル「歌が先にあって、階名になったんですか?」
ヤッ子「そうだ。ここから「ドレミファソラ」が、ああ、当時は「シ」はちょっと、特殊でな。教会旋法は白鍵だけを使っていて」
ハル「はい」
ヤッ子「まあ、そんなことだ。じゃあな」職員室に入る。
ハル「ありがとうございます」
▼ 場面変更
吹奏楽の先生からウクレレを紹介された生徒の、親戚の家。生徒が遊びに訪問。
祖父(70歳代)が、座敷の大きなテーブル(食卓)の前で、座布団であぐらをかいている。テーブルにはキーボードがあり、弾いている。
生徒。楽譜を見ると、手書きメモがいくつかある。印刷の「C」の所に手書きで「ドミソ」と書いてある。その他のコードにも、手書きがある。
その他、演奏の補佐になるような、こじつけとも思われるメモや、矢印が、いくつかある。
生徒「おじいちゃん、これって、コード? ギターじゃないのに、コードがあるの? この手書きはなあに?」
祖父「コードで使う音を、忘れないようにな。Cが、何の音だったか、覚えられないから」
生徒「へえ、コードで、使う音が決まってるんだ」
祖父「決まっているというより、ここ、「C」の「ドミソ」は、「ドミソだらけ」ってことだな。使うのは、ドミソが多くて、それ以外は珍しい」
祖父のノートには、コード表がある。各ページが「Cの仲間」「Dの仲間」などとなっている。
「Cの仲間」のページには、「C:ド、ミ、ソ」「Cm:ド、ミ♭、ソ」などがある。「Fの仲間」のページには、「F:ファ、ラ、ド」「F♯7:ファ♯、ラ♯、ド♯、ミ」などが、見やすい大きさの手書きがされている。
生徒「おじいちゃん、このノートが、何々だらけなの?」
祖父「そうだ。弾きたい曲に、出逢った順に、先生に書き足してもらっているんだ」
祖父「もし、外れても、聞いている人にばれないこともある」
生徒「本当?」
祖父「わざと間違えて、弾いてみようか」楽譜の「♪むーすーんーでー」の、左手の「ドーーーミーーー」となっている箇所で、わざと誤って「ミーーーソーーー」または「ソーーーミーーー」と弾く。
祖父「どうだ?」
生徒「え? うん、じゃあ、今度はわざと間違えて弾いてみて」
祖父「今のが、わざと間違えて弾いたんだ」
生徒「ウソ? え? ホント?」
祖父「正しくは、こう」正しく弾く。
生徒「あ、……うん」
祖父。正しい演奏と、誤りの演奏を交互に。鍵盤と楽譜を併記。左手は指1本で、楽譜にある正しい鍵盤を、楽譜から太い矢印で指す。
生徒「どっちも正しいんじゃないの?」
祖父「そう思えるってくらいに、コードは便利だってことだ」
生徒「コードって、便利だね」
生徒「この本、童謡が多いよね」
祖父「ああ、そうだな。童謡だったら、歌詞を知っているから、楽譜のどの箇所だったか、楽譜の歌詞を見たら、すぐに見付かる」
次回は …… 【エピソード 024】 五線は、ピンストライプの代表の5本。中央ドと音部記号。ソプラノリコーダーとギターは、1オクターブずれ。ビオラはハ音記号。チェロはヘ音記号と、時々ト音記号。
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