【エピソード 013】 「3/4拍子」と「6/8拍子」を変えると違和感。拍子記号は手拍子のタイミングの指示。「4分音符が1」ではなく「4分音符が1拍」の単位を忘れずに。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 013】 「3/4拍子」と「6/8拍子」を変えると違和感。拍子記号は手拍子のタイミングの指示。「4分音符が1」ではなく「4分音符が1拍」の単位を忘れずに。
ここからの説明は、6/8拍子の「タララトロロ」と、3/4拍子の「タラテレトロ」の違いを、符桁の使い方で教える方法が、簡単で良さそう。
ミッツ「もし、この曲の手拍子を変えたければ、こうなる」手拍子の楽譜「6/8拍子」を書く。8分音符3つを符桁で繋げた、2つのセット。
拍子記号の左側に、枠囲みで「8分音符が6つで小節」を添える。左向きに90度傾き、「8」「6」を拍子記号と繋げる
ミッツ「ホラ、これとこれって、数字を入れ替えただけでしょ」拍子記号の近くの枠囲み「4分音符が3つで小節」と「8分音符が6つで小節」を、見比べるように促す。
ミッツ「これで手拍子すると、こうなる。1、2、3、4、5、6、1、2、3、4、5、6」数えながら、手拍子の楽譜の、1拍目と4拍目を強く叩く。テンポは『メヌエット ト長調』の8分音符と同じ。
ミッツ「ラーララララ……」『メヌエット ト長調』を歌いながら「6/8拍子」で手拍子する。
ハル「違和感がある」
ミッツ「そうでしょ。「3/4拍子」の歌を、無理に「6/8拍子」で手拍子したんだから」
ハル「でも、1小節の中の時間、「音価」だっけ?」背景に「音価」と、そのフリガナ。
ミッツ「そう、音価」
ハル「音価は同じだろ?」黒板の「3/4拍子」の下に、2つの8分音符を符桁で繋げたものを3セット書く。「これと同じだろ?」
ミッツ「すごい、ハルすごい。そう、その通り。もう、音価と小節がわかったんだ」
ハル。照れながら、得意気。
ミッツ「その通り。音価が同じでも、拍子が違うから、手拍子に無理があるんだよ。でも、これならどう?」
ミッツ。『モーツァルトの子守歌(♪眠れ良い子よ)』を、歌いながら、「6/8拍子」の楽譜をコツコツ叩く。8分音符が同じテンポ。「ねむれ」で8分音符3つ、「よいこ」で8分音符3つ。
ハル「違和感が無い」
ミッツ「「6/8拍子」の曲だからね。じゃあ、これを「3/4拍子」で手拍子すると」『モーツァルトの子守歌』を、歌いながら、「3/4拍子」の楽譜をコツコツ叩く。
ハル「今度は違和感がある」
ミッツ「そうでしょ。どっちも「8分音符が6つの時間」だってのは、さっきハルが言ったとおりだよね。これを、簡単に言えば、「3/4拍子」は「2×3=6」で、「6/8拍子」は「3×2=6」ってこと」
ハル「「簡単に言えば」って、余計にややこしいぞ」
ミッツ「じゃあ、ピアノの伴奏で見てよ。こんな感じ」
ミッツ。ピアノを弾く。両手で8分音符刻みの歌伴奏。「3/4拍子」を2回と、「6/8拍子」を2回を、交互に何度か。
ミッツ。ピアノを弾きながら、歌も加える。「3/4拍子」の伴奏では『メヌエット ト長調』を歌う。「6/8拍子」の伴奏では『モーツァルトの子守歌』を歌う。
ハル「なるほど。納得だ。1小節の音価は同じ。手拍子だけの楽譜で使う音符を、拍子記号に書いてあるんだな」
ミッツ「他にもあるよ」
ミッツ。『かえるの合唱』の楽譜を書く。歌の楽譜は1つで、手拍子は「2/2拍子」「4/4拍子」「8/8拍子」を書く。
ミッツ「ここが「4/4」なら手拍子はこの楽譜、ここが「2/2」ならこれ、「8/8」ならこれ」それぞれ、歌いながら手拍子。
ハル「通分すれば、1だろ。全音符が1つの時間と同じ」
ミッツ「手拍子のタイミングの指示だから、通分は関係なしっ。「3/4拍子」と「6/8拍子」も、通分すれば同じだけど、それは、小節の時間が同じってだけ。手拍子に使う音符が違ったでしょ」
ミッツ「これで、1小節の長さを変えると拍子記号はそれぞれ、こうなる」『かえるの合唱』の小節を半分にする。拍子記号を「1/2」「2/4」「4/8」に書き直す。手拍子しながら歌う。
ハル「歌の楽譜には、どんな音符を使ってもいいんだな」
ミッツ「そう。歌の楽譜では、どの音符を使っても、どの休符を使っても、音価の足し算をして、拍子記号と同じ時間になればいいの。歌のタイミングが、手拍子のタイミングとずれていても大丈夫」
ミッツ「1小節の時間が、拍子記号と同じだからこそ、「手拍子が繰り返される」になるの」
ミッツ。黒板に、歌のための音符「8、4、8分音符」の楽譜を書く。その下に、手拍子用の、4分音符2つの楽譜を書く。両方の楽譜に、音価を示す長方形を添える。
ミッツ「こんな感じに」背景に再度、「音価」の文字とフリガナ。
ミッツ「ほら、これなら、手拍子のタイミングと、歌の「音を出し始める瞬間」がずれているけど、1小節の時間は同じでしょ」
ハル「手拍子だけの楽譜は、必ずしも4分音符とは限らないんだな」
ミッツ「そう、8分音符を使うこともある。拍子記号のここが「8」なら、手拍子は8分音符を使う」
ハル「小学校の時の、「4分音符を1とする」ってのは、わかりにくいな」
ミッツ「そうだよね。8分音符で手拍子することもあるんだから」
ハル「4分音符が「1」、2分音符が「2」じゃなく、4分音符が「1拍」、2分音符が「2拍」。そして、4分音符の音価を表す四角を数える。四角の長さは、全音符の長さを基準にして、4分の1ってこと」
ハル。疲れて、椅子に身を投げて座る。天井を見上げる。疲れた声を出す。
ミッツ「あ、それから、さっき教科書を写譜していたから、気付いたと思うけど、小節の横幅は、音価とは無関係だから」背景に「写譜」の文字とフリガナ。指し棒で「楽譜を書き写すこと」を添える。
ハル「えっ?」疲れているので、呆けた反応。
ミッツ「音符が多いか少ないかで、小節の横幅は変えていいんだよ」
ハル「あ、そうか。全音符だけなら横幅は狭くてもいいし、16分音符ばかりなら横幅が広いな。時間が同じでも、横幅が違うってのは、違和感があるけど」背景に、全音符だけの小節と、16分音符ばかりの小節の例。
説明の「音符の数が少ないと、小節の横幅を狭くしても良い」を添える。
ハル「音価が、半分の半分のってことは、128分音符とか、1024分音符も、あるのか?」背景に、1024分音符だけの小節が、遠近法で画面の遠くで消失。
ミッツ「理屈としてはそうだけど、そんな楽譜は、見たことはない」
背景に補足「細かな音符の場合、装飾音符などを使います。それ以外は、コンピュータが無かった時代であり、人間には演奏不能で識別不能なので、使われた例の有無は不明です」を表示する。
次回は …… 【エピソード 014】 繰り返し記号のジャンプ。歌詞を頼りに慣れる。「戻る方向に」「進む方向に」の2種類。「ここからジャンプ」「ここに着地」の2種類。リピート記号は、入れ子禁止。
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