【エピソード 011】 調号は、倍音の「2倍の2倍の……」で同名という強い絆。五線の左端が繋がっていれば、同時に演奏。4分音符と手拍子のチャンス。符桁は、旗の本数、休符の出っ張りと同じ。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 011】 調号は、倍音の「2倍の2倍の……」で同名という強い絆。五線の左端が繋がっていれば、同時に演奏。4分音符と手拍子のチャンス。符桁は、旗の本数、休符の出っ張りと同じ。
ハル「全部に?」
ミッツ「こうして、ト音記号にくっ付けて書いてあれば、全部のファに♯を付けるの」黒板のト音記号に、「ト音記号」と指し棒。
ミッツ。黒板の五線に、加線も使って、4つのファの玉を書く。
ミッツ「このファも、このファも、このファも、全部に♯が付く。毎回♯を書くのが大変だから、代表して調号に1つだけ書く」
ハル「ファだけに、いつも♯を付ける理由って、何だ?」
ミッツ「もうっ! またそうやって、別な話題に行こうとする!」ちょっと怒っている。
ハル「え?」自覚が無い。
ミッツ「振動数の、倍音の話の時、ファの2倍音はファ、その2倍音もファって、2倍音の2倍音のってのは、同じ名前だって、教えたでしょ」
ハル「うん」
ミッツ「だから、同じ名前は、とても強い絆だから、1つのファにだけ♯を付けたら、全部のファにも♯が付くのっ!」
ハル。小声で。「強い絆か」納得ができない。
背景に字幕で「この、調号の話は、第4話で、音階スライドと、ダブルアクションハープを用いて教わり、そこでハルは納得する」を表示する。ここの主題の「音符の音価」「拍子記号」から外れるため、気になった箇所は予告程度にしておく。
ミッツ「ええーっと、何だっけ? 横道が長いと、本題を忘れちゃう。音符は音を出し続ける音価で、使い分けている。で、手拍子をするのは、4分音符のタイミング。で、4分音符が無ければ手拍子できない。そう、手拍子、手拍子!」
ハル。ぼーっと見ている。
ミッツ「あんた、さっき、4分音符が無いと手拍子できないって言ったよね」
ハル「言ったかなあ」
ミッツ「言ったのよ、忘れたの?」
黒板には、『メヌエット ト長調』の下に並べて、手拍子用の、4分音符だけの楽譜もある。2段の五線は、左端が小節線で繋がっている。
ミッツ「ハルが思っているのは、勘違いだけど、「歌の楽譜で、4分音符が使われた時が、手拍子のチャンス」って、思ったんでしょ?」
ハル「ううーん、そうかも。うん、何となく、そんな気がする」
ミッツ。ハルが、自分のセリフを覚えていないので、少し呆れた表情。
ミッツ。黒板の、『メヌエット ト長調』の楽譜の左横に立つ。「これを見て。上の段が、歌の楽譜。下の段が、手拍子の楽譜。この、手拍子の楽譜は、楽譜に慣れた人なら、超能力を使わなくても見える」
ハル「ああ、超能力ねぇ」
ミッツ「そして、五線が2段あるけど、五線の左の端、ここが繋がっていれば、同時に演奏するからね」
ハル「そういえば、ピアノの楽譜は、左側に、中カッコが書かれているな」
ミッツ「オーケストラの楽譜のことは、詳しくないけど、中カッコと大カッコがある。中カッコは「1つの楽器を、便宜上、2段に分けた」で、大カッコは「いくつかの楽器のグループをまとめる」らしい」
背景に、オーケストラの楽譜を表示する。その楽譜に重ねて(楽譜が隠れるように)、注意書き「オーケストラの小節線(縦線)や、カッコの使い方は、出版社や曲によって、違いがあるようです」を表示する。
ミッツ「でも、左の端が繋がっていたら、同時に演奏するのは、共通しているよ」
ミッツ「手拍子の楽譜はこっち、4分音符だけ。口で上の楽譜を歌いながら、手で下の楽譜を演奏すると、こうなる」黒板をコツコツ叩きながら歌う。歌の4分音符は「タン」ではなく、「ター」と、無粋に伸ばすことで、音価を表現。
ハル「なるほど、手拍子は単調で、リズムは複雑ってことだな」
ミッツ「トレビアン」手拍子をしながら、いくつかのリズムを歌う。
ミッツ「手拍子と一致しないタイミングで、歌が出ることもあるの」
ハル「そこに書いてあるのは?」椅子から立ち、黒板の近くに寄る。
ハル「分数っぽいけど」黒板の楽譜の「3/4」を指す。
ミッツ「手拍子のためのこれは拍子記号。だけど、その前に、忘れないうちに言っておくよ、8分音符からは、符桁で繋げられる」
背景に「符桁」と、そのフリガナを表示する。
注意書きの表示。「「符桁」は、「符鉤」「鉤」「鈎」と呼ぶこともあります。当アニメでは「符桁」に統一します」
ハル「8分音符「から」って?」
ミッツ「旗が付く音符ってこと。旗が付くのは、音価が短いから、繋げてまとめたら見やすいでしょ。これとこれは同じ」上下に、符桁で繋げた8分音符の例と、繋げない8分音符の例を並べる。
ミッツ「旗が多くなると、こんな感じになる」黒板に、音符の「8、16、16分音符」「16、8、16分音符」を、上段に符桁を使う例、下段に符桁を使わない例を並べる。
ミッツ「このように、旗の本数と、符桁の本数は同じ」
ハル「なるほど。その、ヒラヒラしてるのが、「旗」なのか」符桁を使わない音符の旗が、色違いで点滅し、指し棒の「旗」を添える。
ミッツ「符桁は棒よりも、線が太いよね。きっとこれは、五線とはっきり区別できるようにだと思う」
ミッツの、このセリフの「符桁」「棒」に合わせて、音符の箇所が色付きで点滅する。先んじて、指し棒で「符桁」「棒」を表示しておく。
ミッツ。教科書を指す。符桁が水平の箇所と、斜めの箇所を指す。符桁が色付きで点滅し、「五線よりも太いから、区別できる」を示す。
ミッツ「横が太くなっているのはデザインだから、手書きでは太くするかどうかは、自由だよ。細いままなら読み難いってだけ」
背景に、符桁が少し斜めの楽譜を2つ。8分音符が4つ程度。片方の符桁は五線と同じくらいの太さ、片方の符桁は太い。
ミッツ「符桁を使う理由は、見やすくするのが目的なので、手拍子のタイミングで、このように分けたり、区切りだけ符桁を1本にしたり……」符桁で繋げる例。32分音符が16個。8個と8個の間だけ、符桁が1本。「……これで見やすくなる」
音符をたくさん書くので、たくさんの妖精ちゃんも手伝う。ミッツが妖精ちゃんに「ありがとっ」と言って、ウィンクする。妖精ちゃんは、ウインクを受けて喜び、両頬を赤マルで点滅させる。
ミッツ「符桁を使うのは楽器の楽譜だけ。歌の楽譜は、符桁を使わないって聞いたけど、歌の楽譜でも普通に使われているよね。歌の楽譜で、符桁を使うのは、長音だけだって」
背景に、符桁を使う例と、使わない例の、両方がある歌の楽譜を表示する。
背景に、『むすんでひらいて』の楽譜の、最初の2小節を表示する。「♪むーすーんーでー、ひーらーいーてー」の「すー」と「いー」が、字幕で「長音なので符桁で繋がっている」と表示する。
背景に、『靴が鳴る』の楽譜の、最初の2小節を表示する。「♪おてーて、つないで」の部分。「てー」には字幕で「長音なので符桁で繋がっている」と表示する。「ない」には字幕で「長音ではないので符桁で繋がっていない」と表示する。
ハル「楽器演奏用の楽譜だからか?」
ミッツ「そうかも知れないし、見やすさを優先したのかも」
ミッツ。間髪入れずに、続きを話す。「ただし! 必ずしも、見やすさとが優先とは限らない」
ハル「何だよ。要するに、符桁の使い方はどうなんだよ!」
ミッツ「要するに、作曲者が「こうした方がいい」っていう、何かの理由が、基準になる。多くは、拍の区切りとかで、見やすくしているけど、作曲者のこだわりもある」
ミッツ。腕を組んで、眉間に困った皺、唇は閉じて笑う口。ゆっくり何度か頷く。
ハル。納得しない表情。
ハル「要するに、見やすくない繋げ方もあるんだな。じゃあ、休符は、こんな繋げ方になるのかな?」8分休符を、無理に繋げた形を黒板に書く。
次回は …… 【エピソード 012】 拍子記号は、音符の名前を使った分数。「4分音符」が「3つ」なら「4分の3拍子」になる。小節と音符を合わせたからって、だからどうした。拍子記号で踊れる。
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