【エピソード 001】 ハワイアンギター遊びから、倍音。2倍は同じ名前。ピタゴラスの音の幾何学。弦が8の字に振動。
【前書き】
なぜ記号だらけの楽譜を見て、音にできるのか?
初心者向け楽譜の謎解きエンターテインメント。
▼ 登場人物
ハル、ミッツ、ステラ、ショージ …… 同じ中学校の生徒。
ヤッ子 …… 理科教師。プライベートでジャズピアノ。
楽譜の読み方「楽典」を、アニメ脚本っぽい形で説明します。
「一方的に教えるのではなく、疑問に応える」「アニメ表現を利用」です。
オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』から、「余計な物語りは不要、要するに音楽の話だけ」の需要に応えた、楽典に特化したものです。
そのため、ドラマチックな「キャラの魅力」「ラブ要素」「ジョーク」は無くなりました。
唐突に音楽の話になる「教育アニメ(エデュテインメント)」となりましたから、ストーリーには違和感があります。
「再放送や、Blu-rayの、長期的な繰り返し需要の視点から、web小説よりも、アニメで説明したい」という気持ちが強いです。
人間ドラマも含めたもの、アニメ化に向けての自由度(情報の取捨選択、話数変更など)は、オリジナル『ガクテン』または『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧願います。
ここでは、人間ドラマなどが無く、音楽の情報だけが、連続している。レトロSFの宇宙食のように、味気の無いものです。
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【エピソード 001】 ハワイアンギター遊びから、倍音。2倍は同じ名前。ピタゴラスの音の幾何学。弦が8の字に振動。
■ 第1話。
放課後の音楽室。
ハルが、学校備品のギターで、乾電池を使って、ハワイアンギターのようにして、遊んでいる。
ハルは、乾電池を操作して、不定音高で「しゃべるバイオリン」のように、石焼き芋「♪いぃーしー、やーーーきぃ、いんもーーー」などを面白がっている。
乾電池が、弦の長さの中央なら、音色が変わる。ハルは、これを「ギターのボディの端だから」と、勘違いしている。
音楽室に、ミッツとヤッ子が入って来る。
ハル「ヤッ子先生。ギターで、不思議なんですが」
ヤッ子「どうした」
ハル「ギターのここの区切りの位置に、電池があると、音色(ねいろ)が違うんです。ホラ」鳴らしてみる。
ヤッ子「それは、ギターの構造ではなく、弦の長さの由来する。その場所は、弦の長さの、ちょうど半分の位置だ」
ヤッ子「2分の1の場所で、音色が変わるのは、倍音だな」背景に「倍音」と表示。
ヤッ子「早坂君の興味に寄り添うと、ピタゴラスが発見した、うーん、音の幾何学かな?」
ハル「音楽が幾何学?」
ヤッ子「そう。音の高さは、振動の速さで決まる。2つの音が同時に鳴った時、振動数の比が近ければ響きが良い、遠ければ響きが悪い」
ハル「振動数が近いと響きが良いって、調律が少しずれていると、響きがいいんですか?」
ヤッ子「振動数ではなく、振動数の比だ。「比が近い」というより、「比が簡単」と言う方が適しているか。振動数の最小公倍数が小さいと響きが良い、大きいと響きが悪い」
ヤッ子「弦がこう振動する」左手を上下する。
ヤッ子「もう1本の弦が、こう振動する」右手も上下する。
ヤッ子「すると、同時に振動が始まり、次に同時に戻って来るのが、いつか」
ヤッ子の手の動きに従い、2本の波線が並ぶように出現して比較される。両手の位置とそれぞれの手の動く向きは、オシロスコープの波の比較のようにするなど、見やすい向きにする。
波線は、太い方が望ましい。細いと、学術的な硬さに感じる。太い方が、説明を受ける側としては、優しく感じる。
ヤッ子の手が上下する動きに、揺れる弦の中央位置が重なる。手と一緒に揺れる弦の中央位置に、点が出現する。弦と手が消えて上下する点だけになる。点の動きを記録するように左に流れ、オシロスコープの波形になる。
波の比較で、「2:3」の2つの波(色違いにして重ねる)のセットと、「15:16」の2つの波(色違いにして重ねる)のセットで、2セットを並べる。
2つの波が同時に戻る頻度が多いセットに「響きが良い」、頻度が少ないセットに「響きが悪い」と示す。
オシロスコープの、2つの波を並べ、同時に戻って来た箇所に印を付け、文字で「同時に戻って来た」を表示。このセットを2つ表示し、「同時に戻る頻度が多い」「同時に戻る頻度が少ない」を表示する。
ヤッ子「振動数が2対3なら良い響き、15対16なら響きが悪い。その振動数の比を、簡単に出したのが、早坂君、君のアイディアなのだよ」
ハル「僕のアイディアですか」
ヤッ子「早坂君は、電池の左側を押さえていなかったから、弦の全体、電池の右側も左側も、両方が振動したんだ。だから、弦が8の字に振動した」
ヤッ子。黒板の左下に図を書く。1倍音の弦を表す、縦に一本の線。弦の振動を表現するための、マルカッコのような実線と点線。
ヤッ子「普通に弾いたら、弦はこのように振動するが、君が乾電池で、弦の中央を触ると、このように振動する。普通のギターの演奏なら、乾電池ではなく、指で触る演奏を「ハーモニクス」と呼ぶ」
ヤッ子「ギターの演奏は、普通は「弦を押さえる」という方法だが、ここでは弦を押さえず、軽く触るだけだ」
ヤッ子。黒板に、1倍音の右隣に、2倍音の弦の振動が8の字になる表現を、実線と点線で。
ヤッ子「3分の1の場所ならこう、4分の1ならこう」黒板の、更に右隣に図を追加。指で触ることが分かるように、手のイラストも添える。
ハル。黒板の図のように、ギターを机上に置いたまま、指で弦を触って鳴らしてみる。カメラアングルは、黒板の図と同じ、弦が上下方向の縦線。画面上部に糸巻き(ペグ)。
画面左側が黒板、画面右側がハルの演奏。
ギターの弦の振動が、大袈裟に表現され、8の字に見える。
ヤッ子「こうして、弦の触る場所を、2分の1、3分の1と変えることで、弦の振動するスピードが変わる。スピードが、2倍、3倍と早くなる。これが倍音で、これを発見したのが、ピタゴラスだ」
ヤッ子。指をパチンと鳴らす。先生ちゃんの画面に変わる。
▼ 場面変更
先生ちゃん。ピタゴラス。
説明用の別世界。背景は無地。先生ちゃんは、今後も2頭身、または、顔だけ。
初めての先生ちゃんなので、場面変更は、視聴者に優しい表現にする。
画面上部に、左から右に向かって「ド、レ、ミ、……」をカタカナで3オクターブ並べる。ドが4つ。
先生「この弦は、ドが鳴るように、私が調律した」バイオリンの弓のような形の弦を、ビヨンビヨン鳴らす。「ホラ、これがドだ」
先生「まず、普通に弦を弾いたら、最も低い「ド」が鳴る」
振動する形を、少し大袈裟に浮かび上がるように表示。振動の音はすぐに止まるが、振動の形は、マルカッコのような実線と点線で残ったままにする。
先生「これが1倍音だが、これを基準とするから「基音」と呼ぼう」背景に「基音」と、フリガナの「きおん」。
先生「「ド」に合わせたから、これを「ド」の場所に置こう」弦を、黒板の左端の「ド」の下に、磁石のようにくっ付ける。文字の「基音」も黒板に表示する。
先生「同じ弦を用意した。鳴らすと、さっきと同じ「ド」に調律されているだろう」ビヨンビヨン鳴らす。
先生「弦の2分の1の場所を、指でそっと触って弾くと、このように8の字に弦が振動する」実線と点線の8の字の形を、大袈裟に表示。振動の音はすぐに止まるが、振動の形は残ったまま。
先生「振動は2倍速いから2倍音だな。2倍音は、ここだ」弦を、黒板の左から2番目の「ド」の下にくっ付ける。文字の「2倍音」も黒板に表示する。
先生「また、同じ弦を用意した。4分の1の場所を触ると、2倍の2倍で4倍音だ」弦を、黒板の左から3番目の「ド」の下にくっ付ける。文字の「4倍音」も黒板に表示する。
先生「また、同じ弦を用意した。8分の1の場所を触ると、2倍の2倍の2倍で8倍音だ」弦を、黒板の右端の「ド」の下にくっ付ける。文字の「8倍音」も黒板に表示する。
先生「どうだ、「2倍の2倍の」とすると、どれも「ド」だろう。同じ名前の音は、全部こんな関係なんだ」
先生「2倍と4倍の中間の、3倍なら「ソ」が鳴る。3倍の2倍は、同じ名前の「ソ」だ」新しい弦を出して、それぞれ、3倍音、6倍音のソの下にくっ付ける。
先生「5倍なら「ミ」、7倍なら「シ♭」だ」同様にする。
先生「これは、「ド」に調律した弦の場合だ。「レ」や「ミ」に調律したら、別な音になるが、原理は同じだ」
先生「これが、音階の基礎のひとつにも役立ったんだ」
先生「自宅の工作で、倍音を出して遊ぶこともできるぞ」
自宅での遊び方の紹介。安全面に気を付けることも、明示する。
次回は …… 【エピソード 002】 ギターのフレットの幅は、ゴム紐の伸縮。弦の「軽い、重い」「短い、長い」「張りが強い、弱い」が、ギターにはある。
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