その景色は何なのか
第2話です。
まだまだ不馴れなため、文章量も少ないですがゆっくりとやっていきます。
そこは空間であった。
そこには闇が広がるばかりで。
見えるものは何もない、
喋ろうとするも音がでない。
ただ、感じるのは手に伝わる感触。
俺達は1人じゃないという感覚。
故に安心できていた。
大丈夫、何が起きても乗り越えられると。
彼等は感じていた。
やがて
そこに小さな光が見える。
風を感じる。
光は徐々に強くなり、それに目が慣れてくれば、何が光っていたのかが分かりはじめる。
白い靄。緑の面。青い水、
それが何か、すぐに理解できた
雲があり、森があり、湖、あるいは海が見えたのだと。
その認識が出来ると、身体に異変が起きる。
その異変に最初に気づいたのは、男だったか、女だったか。
とにかくそう、一言だけ呟いたのだ。
「あっ、落ちる」
さて、ここで、重力、あるいは万有引力と言うものをご存知だろうか?詳しくはその授業を受けてみてくれ。
つまり。空からの落下。
異空間へとつなげられたあの渦は、彼等を遥か彼方の空へと排出したのだ。
彼等はスカイダイビングをした経験など皆無だ。誰も彼も、顔をひきつらせて、大きく口をあける。行幸なのは誰1人手を離さなかったことだろう。ただ表情で笑顔のものは誰1人としていない。泣きそうな顔。驚いた顔。気を失いそうな顔。
もちろん、誰も周りの表情は見ていない。
自分のことでいっぱいいっぱいなのだ。
「おぁーーーー!?!?」
「きゃーーーー!?!?」
そして悲鳴。
むかうは地面、もしくは海。
風の影響でどれだけ流されるのか、それは誰にもわからない。
32人の少年少女は、紐無し、パラシュートなしのスカイダイビングを余儀なくされたのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おや、結局こちらに来たのですね」
そう言って、1人の人間が立ち上がる。
見たところ年は50歳くらいであろうか。
メガネを掛けたその風貌は、決してカッコいいとは言えない。
着ている服も、茶の綿パンに白いカッターシャツの様なもの。
丘で空を見上げているおじさんは、そのまま何かに語り掛ける。
「シルフさん、彼等を受け止めてあげてください、そうですね。アルファ平原辺りに自然に着地できるように。あそこなら、冒険者や探索者の初心者さんがたくさんいてるので、彼等を助けてくれると思います」
空の風が一際強く吹き荒れている。
まるでその言葉に返事をするかのように。
「あはは。不安ですか?大丈夫ですよ。彼等を助けるのには理由があります」
そう言って、彼は歩き出す。
キランと、頭部が輝き、彼は目の前の光景ににこりと笑う。
そこに広がるは王都の街並み。
都民300万人を超える人々が生活を営んでいる場所。
「さて、私にできることをしましょうか」
彼は前に手をかざし、何かを呟く。
すると六芒星が空間に現れ、それは徐々に形を変えていく。空間には文字が刻み込まれていき、円形に広がっていく。
俗に言う魔方陣だ。
「静寂なる風よ、私に力を」
そう言って、魔方陣に力を込める。
一際強く魔方陣が輝くと、それは霧散した。
「さて、と。来るべきに備えて、行動しますか。あぁ、そうだ、1つだけ」
そう言って、彼は空に語り掛ける
「少年たちよ、よく学び、よく遊べ。そして、よく育めよ」
ある訓示を並べ、彼の姿は消えてしまった。
さて勇達の運命はいかに。
紐無しスカイダイビング。ただただ恐怖ですね。
そして、謎のおじさん!
いやはや、まだ出てこないと思っていましたが。
彼は一体誰なのか。
ゆっくりと短い文章で進めさせていただきます。