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colorful 〜2nd memory〜  作者: 宮来 らいと
第1章 初杉ジロウ編

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第3章 藍色の夜景に(初杉ジロウ編)前編

 ――――商店街――――



 私たちは商店街に着いた。どうしてここに…………? 私はジロウの顔を見る。


 真瀬志奈

「ジロウ…………どうしてここに?」


 いつの間にかジロウに問いかけていた。


 初杉ジロウ

「ここ…………見覚えがない?」


 真瀬志奈

「この商店街に…………?」


 初杉ジロウ

「もっとわかりやすいところに向かうよ。…………おいで。」


 ジロウは私の手を握り、商店街のある場所に向かう。


 商店街のある場所に着いた。ここは…………確かに見覚えがある場所だった。画面を通して。


 真瀬志奈

「ここは…………ジロウがストリートミュージシャンをしていた場所…………。」


 初杉ジロウ

「見てて…………。」


 ジロウは背中に担いでいたギターケースを手に取り、ギターを鳴らす。


 初杉ジロウ

「聞いて。志奈さんと作った曲。」


 ジロウは一生懸命にギターを演奏する。私が新しく作った曲を完璧に演奏する。


 画面で見たときのジロウよりも演奏技術がはるかに上がっている。ジロウは過去を乗り越えて今を楽しんでいる。そんな表情が目に見えた。


 真瀬志奈

「ジロウ…………。」


 初杉ジロウ

「志奈さん…………。これが僕の出した答えなんだ。志奈さんも…………乗り越えられるはず。だからさ…………待っているから!」


 真瀬志奈

「…………ええ。頑張るわ。私…………どんなことがあってもジロウと一緒なら頑張れるはずだわ!」


 初杉ジロウ

「うん! じゃあ行こうか。ほかにも案内したい場所があるんだ。」


 真瀬志奈

「そう。エスコートは任せるわ。今日はジロウの赴くままに…………。」


 初杉ジロウ

「お任せを! じゃあ…………。」


 そのときスマホの着信音が鳴る。


 真瀬志奈

「学務課からだわ…………。」


 初杉ジロウ

「学務課? 出てみなよ。」


 真瀬志奈

「ええ。」


 私は学務課からの電話に出る。


 真瀬志奈

「はい。真瀬です。…………ええ!? 本当ですか!?」


 急に声が出たのかジロウは少し驚いていた。


 初杉ジロウ

「志奈さん…………?」


 真瀬志奈

「はい…………。わかりました。ありがとうございます。」


 スマホの電話を切り、ジロウにこのことを伝える。


 真瀬志奈

「私の健康診断の結果…………異常は何ともないみたい…………。」


 初杉ジロウ

「え!? それって…………。」


 真瀬志奈

「どうやら名簿の記録が1個ずれていたみたい。…………良かった。」


 初杉ジロウ

「そう…………。良かった…………。」


 ジロウはなんだか照れ臭そうに目をそらす。


 真瀬志奈

「ジロウ? どうしたの?」


 初杉ジロウ

「いや…………別に…………。」


 真瀬志奈

「ジロウ…………?」


 初杉ジロウ

「その…………まさか間違いだとは思わなかったからこうして励まそうと思ったけど…………こんなことになるとは…………。」


 真瀬志奈

「…………ふふ。」


 初杉ジロウ

「……………………?」


 真瀬志奈

「あはは! ありがとう! …………ジロウ。とても助けられた。ジロウのおかげで心が楽になったわ!」


 初杉ジロウ

「志奈さん…………!」


 真瀬志奈

「ジロウの演奏も聞けたし私も頑張らないと。…………ああ。ほかにも行きたい場所があるんじゃなかったっけ?」


 初杉ジロウ

「うん。展望台にね。行く?」


 真瀬志奈

「ええ。もちろんよ。行きましょう。」


 私たちは軽くなった心で展望台に向かう。


 

 ――――六郭星展望台――――



 どこかの記憶でやって来たことのある展望台。懐かしくも感じる。


 真瀬志奈

「素敵ね。この夜景は。」


 街並みが展望できるこの場所は夜になると藍色の夜空がネオンの光で照らされて…………とても綺麗だ。


 初杉ジロウ

「とても素敵な景色だ。…………心が軽くなる気分だよ。」


 真瀬志奈

「ええ。いつ見てもいい景色。」


 初杉ジロウ

「……………………。」


 真瀬志奈

「ジロウ…………。私…………。怖かった。」


 初杉ジロウ

「志奈さん?」


 真瀬志奈

「また…………あのときのように苦しむのかもと思うと…………本当に怖かった。」


 初杉ジロウ

「…………志奈さん。」


 ジロウの暖かい手が私の頭を優しくなでる。


 初杉ジロウ

「頑張りました。これからも…………頑張ろう。」


 真瀬志奈

「…………ありがとう。ジロウ。」

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