第2章 白いスポットライト(初杉ジロウ編)中編
真瀬志奈
「ジロウ?」
初杉ジロウ
「えっ。ああ…………ごめん。色々と考え込んでいたよ。志奈さん。僕は…………。」
真瀬志奈
「…………?」
初杉ジロウ
「ごめん。あとで話すよ。今は後片付けをしよう。」
真瀬志奈
「ジロウ…………?」
そのあとは黙々と後片付けを行って、みやくる荘に戻った。
――――みやくる荘 音楽部屋――――
真瀬志奈
「よし…………。これで文句なしね。」
声優さんに歌ってもらう楽曲が完成した。あとはジロウに聞いてもらうだけだ。私はジロウを呼びにジロウの部屋に向かう。
――――みやくる荘 廊下――――
ジロウの部屋の前に着いた。ジロウの部屋からは何か声が聞こえる。
真瀬志奈
「この声は…………アイク?」
ジロウの部屋からアイクの声がする。
初杉ジロウ
「僕は…………決心したよ。」
浦川アイク
「そうか…………。だとしたら頑張るしかないだろう? しっかりしろよ。」
初杉ジロウ
「わかっているって。志奈さんにも報告しないとね。」
真瀬志奈
「私…………?」
疑問に思っているとドアが開く。浦川さんが出てきた。
浦川アイク
「志奈…………。あいつの話を聞いてあげてくれ。」
真瀬志奈
「……………………はい。」
私はジロウの部屋に入る。
――――みやくる荘 ジロウの部屋――――
初杉ジロウ
「志奈さん…………。」
真瀬志奈
「ジロウ…………。」
初杉ジロウ
「僕は…………ダメだ…………言いにくい。」
真瀬志奈
「…………ジロウ。ゆっくりでいいのよ。教えて…………あなたの悩みを。」
初杉ジロウ
「志奈さん…………。ありがとう。僕は…………。」
少し間を置いたがゆっくりと口を開いた。
初杉ジロウ
「僕は…………教育実習に参加するよ。色々と決めたんだ。」
真瀬志奈
「そう…………ホッとしたわ。」
初杉ジロウ
「ははは…………ごめんね。」
真瀬志奈
「でも決めた。私も音楽の教員免許を取るために実習を受けるわ。何の免許を取るの?」
初杉ジロウ
「もちろん音楽。志奈さんと一緒にはなるけれど、自分の得意分野をないがしろにするわけにはいかないよ。」
真瀬志奈
「それでこそジロウよ。大学に行ったら実習を受ける申請をしないとね。」
初杉ジロウ
「そうだね。ここに来たってことは何かあったんだよね。」
ジロウに言われるまで忘れていた。ここに来たわけは音源を聞いてもらうためだ。
真瀬志奈
「ええ。私たちの楽曲が完成したわよ。」
初杉ジロウ
「本当に!? よし…………早速聞かせて!」
私は音源をジロウに聞かせる。ジロウは真剣に聴いて笑みを浮かべる。
初杉ジロウ
「最高の曲だ…………! これならいろんな人に喜んでくれるよ! 早速練習だ!」
真瀬志奈
「ええ。頑張りましょう。」
その日は夜通しをして楽曲の練習を行った。
――――虹夢大学 食堂――――
薮本マサキ
「それで…………今日は1限に遅刻寸前だったんだね。」
初杉ジロウ
「でも間に合ったからいいじゃないか。」
真瀬志奈
「ええ。なんとかね。」
浦川アイク
「まあ…………仕方ないな。」
昨日の練習は夜更けまで行ったため私たちは1限にあわや遅刻しそうだった。けれどなんとか間に合い欠席にはならなかった。
真瀬志奈
「それよりも今度の演奏会も成功させるわよ。今度の会場は?」
浦川アイク
「ああ。温水プール施設の中のステージで行う。」
薮本マサキ
「…………よし。ゲームもクリアできた。今度はこのゲームの曲を演奏してみるのはどうかな?」
真瀬志奈
「面白そうね。ジロウはどう思う?」
初杉ジロウ
「反対はしないよ。許可取りもしないと…………。」
浦川アイク
「そうだな。そこらへんは柊木に任せよう。」
真瀬志奈
「楽しみね。…………じゃあ、次の講義に行きましょう。」
講義を受けに行ったあと、私たちはサークルの部屋に向かう。




