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奇病恋愛  作者: 早桜
2/2

始まり

カリカリとシャープペンシルを動かす音がする。今は歴史の授業中である。

授業の内容は、奇病に関して。「2045年に急に現れた未知の病は「奇病」と名付けられ、世の中が混乱に陥る中、政府は奇病患者の保護と調査,治療を目的に「奇病患者保護施設」を設立しました。ですが、2065年の今でも奇病の治療法は確立していません。ちなみにこれはよくテストで出るので覚えてくださいね。」と言いながら教壇に立つ教師は黒板に字を書いていく。慌てたように1人の男子生徒がノートに手をつけ始める。そういえば、僕もあまりノートを取っていなかった。シャープペンシルを手に取り、板書しようとした時チャイムが鳴り響いた。授業が終わってしまった。授業終わりの挨拶をした後、教師は早々に黒板を消してしまう。しょうがない、誰かに見せてもらおう。「おーい、昼メシ食べようぜ〜」と間の抜けた声が後ろの方からかかる。クラスメイトの佐藤だった。「わかった〜今行くから待ってて」と僕も間の抜けた声で返す。いつものどうでもいい穏やかな日常である。晴れの日はいつも中庭で佐藤と志摩とご飯を食べる。「あの保護施設の話で俺、毎回政府は何してんだよ。って思うわ」と志摩が話し出す。「それなぁ結局、なんの解決にもなってないよなぁ」と佐藤が便乗し、「花岡はどう思ってんの?」と急に投げかけられた。「えっいやよく分からないかな?」しまった戸惑うあまり変な答えを返してしまった。「確かによく分からないよな…」と志摩が頷く。どうやら僕の答えは大丈夫だったようだ。「そういえば、ずっと気になってたんだけど花岡、お前腕どうしたの?」志摩に聞かれてやっと気づいた。腕が真っ赤になっている。どうやら無意識に腕を掻きむしっていたようだった。「大丈夫?なんか虫にでも刺された?」2人が心配そうに見つめている。「いや、大丈夫だよ。」とそれに返す。だが、何が原因なのか分からない。今は春だから蚊に刺されることもないだろうし、アブなどに噛まれた記憶もない。本当になんなんだろうこれは。

それからも原因不明の痒みは続き、腕だけでなく足やお腹、顔の方まで痒みは広がった。そして最近になって喉が猛烈に痒い、病院に行ってアレルギー検査もしたが何にも該当しなかった。薬も一応貰ったが効いている感じはない。もうこの痒みが始まって3ヶ月に差しかかろうとしている。

放課後、バイバイと友達と別れ1人家路に着く。家の周りにあまりこの辺りでは見かけない人達がいる。なんなんだろう。全員が男性で黒い服を着て黒い帽子を被っていて、列をなして歩いていく。それらは少し異様な光景である。どこに行くんだろう。そう思っていた彼らの行く先には僕の家があった。全員が僕の家を取り囲むように立ち並んでいる。その姿に僕の体はどうしようもない恐怖と不安に襲われ、胃がムカムカするような吐き気を催した。

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