84 パーティーVSサンドワーム
「な、なんなのじゃこれ~~~!ぐねぐねしてねばねばして気持ち悪いのじゃああああ!」
「うへ~っ、この白いの臭いし~」
「か、固くて太いですし!!」
3人の言葉がいちいち卑猥な発言に聞こえてくる。うん、やめてくれ…。最近それでなくても出してないんだから!なにを?!
俺達は、砂漠地帯へと足を踏み入れた…。しばらく暑さに耐えながら歩いていると、地面から巨大なミミズのような気色の悪いモンスターと遭遇する。モンスターは大きな口があり、その口から白いベタベタした液体を巻き散らかしながら襲ってくる。
「これがサンドワームか!」
そのモンスターは体全身が黄色く、目が無いように見えるが、その大きな口が恐ろしく見える。口の中には円系にいたるところに尖った歯が見える。その口に入った物はその鋭い牙により脱出ができず、補食されるのみとなってしまう様に感じる。
「ルイスどの!虫なら火に弱そうでござるが…。」
しかし、この巨大なモンスターは、大きさの割にスピードが早く。体をミミズのようにぐねぐねとさせているために、こちらが何かしようとする前にその大きな頭を振り下ろし口から補食しようと攻撃をしてくる
「何とかして隙を突かないと…!」
「なら!ボクの番だな!」
シューは、そう言うと近くに転がっている大きめな岩に重量軽減スキルを付与して打ち放つ。
「さ~っ!!これで終わりだぜっ!付与解除!」
さっきまで重量軽減スキルで軽くなっていた石の重量が戻の重さの状態に戻り高速で飛んでいく。見事、頭に当たると『ぐちゃ!』と大きな音をたてる。そのよろめいた隙を突いて、スルトが即座に走り出す。
「次!誰か頼むぜぇ~っ!」
シューは声を上げると直ぐ様、小さい黒い影が瞬時に走り出す。
「次は、我がやるのじゃぁぁぁあああ!!ぬぉぉぉおおなのじゃ~~~っ!!」
勢いよく走り出したスルトは右手を構えると漆黒のオーラが拳全体を覆う。よろめいたサンドワームの体に漆黒のオーラが纏った右手を打ち込むと、そのままスルトは右手を上へと打ち上げるとサンドワームの体から『ズキューン!』と大きな音と共に黒い光が体を貫通し飛び出る。それと同時にその大きな体は上空へと舞い上がる。
「どうじゃ!!我の魔王の力なのじゃあ!!」
「次は私がやりますっ!!この化け物を浮かしますので後、宜しくお願いしますっ!! トルネードカッター!!」
エアロは、詠唱しながら両手に持つ杖をサンドワームに向けると、巨大な竜巻が上空から現れ、その大きな体を竜巻が飲み込む。飲み込まれたサンドワームは体ごとぐるぐると円形に回転しながら上へ上へと持ち上げられていく。竜巻の細かい突風がサンドワームの体の表面を切り裂いていく。
「空中に打ち上げてますっ!!トドメをお願いしますっ!!」
エアロの掛け声と共に、その隙を見ながら、今度は仁さんが真っ直ぐと一直線に空中へと飛び上がり、サンドワームの胴体の高さまで上がると即座に両手を前へと出す。
「これで倒れてくれたら良いでござるが…!神牙忍法っ!!火遁の術っ!!」
前へと差し出された両手から無数の炎が出現し、真っ直ぐサンドワームに向かって延びていく。一気にその炎が全身を包み込む。炎で包まれるとサンドワームは何度も何度もその大きな体をくねらせて熱さに踠いている。
エアロの放つ竜巻が消えると、サンドワームはまっ逆さまに落ちて来た…。俺は背中に背負ったエクスカリバーを抜く。
「うおぉぉぉぉっっっ!! セイントバーストっ!!」
俺はサンドワームが落ちてくる寸前にセイントバーストクロスを放つ。
ズダァァァァァンンン!!!
放つセイントバーストクロスはサンドワームの体をバラバラに切り裂く。それは一瞬の事だった。
………。
……。
…。
「流石、ルイスの必殺技でござるな!またレベルが上がったのではないか?」
「ヒュ~~ゥ!!やっぱ兄貴はすげぇやぁ!!」
「お兄様も仁様もお姉様もスルトちゃんも頑張りましたぁ!!」
「皆の隙を作ってくれたお陰だよ!」
「我も頑張ったのじゃ!」
シューとエアロに抱きつかれながら俺は彼女達にナデナデをする。それを見てスルトはいつも見たいに頭を差し出してくるから、スルトにもナデナデする。うん。妹みたいだ。
異空間ストレージから、俺達が戦っている場面を見ていたミランダ、クローディアも出てくる。ヒナルとクリステル、フレアとケアルは今日は晩御飯の準備中だ。
「ルイス君~。すごいね!!」
「うんうん~っ!やっぱりウサ神様の如く~凄い人だよ~っ!だって~、あの気持ち悪い化け物もズバズバズバ~っだったもん!」
「あれが勇者の戦い方ですか!?凄かったです!!痺れました!!」
コタースとミランダは相変わらずの大絶賛で持ち上げられてくる。それに何故かクローディアが何かおかしな事を言い出してる?
「って…ごめんなさい…。周りに合わせて見ました…」
「あー」
そうか…。周りに合わせて見たんだ。精一杯がんばったんだな…。これまで色々あって辛いのを我慢してやっと自我を解放できたんだから…。
俺はそんなクローディアの頭を撫でて…
「クローディアも頑張ったな!」
「う、うん!!へへっ!兄ちゃんみたいで照れちゃう…!」
「あーっ!またライバル増やすのか!?兄貴は!どんだけハーレム作ればいいんだよ!」
「うーっ…!お兄様ぁ~!ずるいです!!」
「あちゃ~っ。こりゃ雌にされるなぁ~っ!ウチはまぁ…許すかな~っ!」
「むむむっ!」
「ルイス君?まずは私とだからね?」
いや、そういうつもりはないぞ!なのに何故か皆起こってるし!なんでぇ~!!
「それにしても、砂漠にはこんなのがうじゃうじゃいるのかな?」
「ううう…、ベタベタしているの忘れていました…。お風呂に入りたいですね…」
「だなぁ~!兄貴?ストレージの中のお風呂沸かしていいー?」
「なのじゃあ~…、ヌルヌルして気持ち悪いのじゃ~」
「あちゃ~っ、それあれだよ~っ!あれ~っ!」
「ルイス君もこんなに出すんですか?」
「へっ?」
や、やめてくれ!!そう意識しながら3人を見ると、髪やら顔やら白い液体がぶっかけられていてなんか見た事ある光景になってしまっている…。
「ん、んっと~っ…」
俺はつい最近のやましいことを考えてしまって一人、パニックになってしまっている。
「ん?兄貴?顔が赤いぜ??まさかさぁ~?」
「あ…。お兄様…。まさか…」
「やめろ。俺の考えを見抜くな!やめてくれ!俺は変態でもえろくもない!」
シューとエアロはまるで察したかのように、二人はお互い顔を合わせてに~っ!とする…。そして俺の顔を見るなり…。
「いや、ボク達、まだ何も言ってねーぜ?」
「お、お兄様!?やっぱり…。そうだったらそう言ってくれたら良かったのに…」
「むむむ~っ、さっきから何の話をしているのじゃ?まったく分からんのじゃ!!」
「そうそう!お風呂ならついさっき沸かしたから入ったらいいよ?ルイス君も~」
「あ、ああ!!」
サンドワームとは二度と戦いたくない…。ある意味危険だから…。俺はそう思った…。うん…。
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