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3 迷人の少女との出会い

 そして、少女のワイシャツに手をかけている男の顔面に拳を一発お見舞いする。


「ぐはっ!!いでぇえ!!」


男の鼻から血が流れている。ふらつきながらこちらを見る。よく見れば子供のようにも見える。


「寄ってたかって見苦しいんだよ。ガキども!お前ら、緑骨団の一員だろ!覚悟しろよ」

「はっ!?わけわかんねーし!」


「だれ?!いきなりなに!?ふざんな!」


 暴行を加えている5人が俺を睨む。次の瞬間、白色の髪をした男が折り畳み式の見たことのない小型のナイフを取り出し、俺をめがけて襲ってきた。


「てめー!誰だか知らないけど邪魔すんなよなっ!」


 俺は、背中にしょってある剣を構え、襲ってきた男が近くに寄ってきた時、剣の柄頭の部分でその男を押してよろけしたと瞬時にその男の腕を切り落とす。勿論、盗賊による正当防衛でだ。この世界では一応認められているから、躊躇いもなく斬る事はできる。


「いっでぇええ!お、俺の腕!俺の腕!?ふざけんなよ!なんなんだよ!!」


 そんな男の悲痛の叫びを無視して、暴行されていた少女に声をかける。


「大丈夫?危ないからもっと後ろに下がって?」

「う、うん!」


 そのやり取りをみて金髪の男も血相を変えて襲いかかってきた。いや、暴行されていた少女を捕まえようとしている。こいつ、相当自信過剰なんだろう。


「このやろー!逃げんなよ!」


金髪男の表情は怒りに満ちている。今まで弱い相手にしかできないから俺には襲ってくるのを止めたんだろう。


「もうやめろ!!」


 俺は今日の色々な出来事にイライラしていて…。彼女と男の間に入り込む。そして剣を彼に振り落とす。気付いたら彼の首を…。その瞬間、周りにいた4人が悲鳴をあげる。


「な、なんなんだよ!!トモヤが!!」

「いやー!!!トモヤーぁ!!うそ!?まじうそ!?うそだよね!!」

「ちょ、やべーよ!逃げよーよ!」

「手が痛いよ!うわああああっ!!」


 4人は青ざめた顔で逃げ出し森に入っていく…。暴行されていた少女を見ると、恐怖で怯えていた。


「大丈夫?もう心配いらないよ。やつらから物とか盗まれてないか?」


「だ、大丈夫です…。そ、その…。ありがとうござました…」


 少女は怯えた様子で俺を見ている…。たしかに第一印象があんなんだったからなぁ~。無理もない…。


「俺はルイス…。ルイス・ガーランド。冒険者さ。それより寒いだろ?」


 俺は着ていた黒っぽい上着を少女に貸す。


「あ、ありがとうございます」


 少女は戸惑いながらも、俺の目線をじっと見ている。


「大丈夫。さっきのやつらは盗賊だろ?この地域では最近の犯罪率の上昇で盗賊は処罰の対象になってるんだ。」

「いえ…。さっきのヤツラは…」


 少女は何かを言いたげにこちらを見ている。まだ警戒しているのだろう。


「安心して?君の安全はしっかり、俺が守る…」


 いや…、少女を信じていいのかわからない…。もしかしてさっきの奴らとグルなのかもしれない…。でも…。少しの希望を持つのもまた、俺の性格ゆえの悪いとこなのかもしれない…。


「私は…、スガ ヒナル…。セイエン高校1年生です…」

「スガ? セイエンコウコウ?」

「あっ…! コウコウはスクール!!スクール!オーケー?」

「スクール? んっ? えっと?」


 このくらいの子なら学校とかかな?


「「学校!?」」


 俺達、二人はハモる。少女は目をまん丸くしてぽかーんと俺を見る。そして直ぐにお互いハモった事で大笑いをする。今日あった嫌な出来事で受けた心の傷が少し癒えた気がした…。


「あはは!お兄さん、顔変です!しかも涙でるくらいおかしいんですか!?」

「はははっ!いや…、今日、少し嫌な事があったから、少しだけ気持ちが軽くなったよ。」


 ヒナルもあんな事があったのに少し笑顔になっていた。


「来るところないなら、まず安全な場所にいかないか? あの向こう側に灯りが見えるだろ?」

「あの灯りですね?」

「ああ、俺はあそこに住んでいるんだ。ギルドもあるからそこで泊まらせてもらうといいよ。」

「で、でも、ここがどこかわからないし… どこの国なのかも…。それに何で日本語が通じるのかも…」 


 ヒナルの顔が少し不安な表情を見せる。いきなりこんな場所に来たんだから無理もない。


「詳しい事は明日話すよ。こういう事はたまにあるんだ…。ギルドの方がそういうの詳しいし…」

「わ、わかりました!」


そして、俺達は街へと戻るのだった。


ヒナルがだれなのか… 続きが気になる方は『いいね』宜しくお願い致します。励みになります。

誤字脱字もあれば宜しくお願い致します。

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