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25 抜忍との和解?


 -ルイス視点-


 「爆ぜろっ!!!セイントバーストっ!!!!」


 ブッチャーの体内が光だし…。小爆発を起こす…。それと同時にブッチャーの肉体飛び散る前に体が白くなり…徐々に灰となり消えた…。


 「お、お兄さん!!」


 「はぁ…はぁ…… サンキュー!ヒナル!」


 俺はヒナルの頭を撫でる。彼女は頬を赤く染めてへにゃへにゃ~っとした顔になる。なんか可愛いなぁ。それから「ウチも!ウチも!」とコタースも近寄ってくる。


 「コタースもサンキュー!コタースはやっぱすごいや!盗賊をほとんど倒したんだろ?」


 回りをみると盗賊達全員、コタースの矢を足にくらい痛さで動けなく蹲りながら踠いている。中には「助けて!」や「いてぇ~」等と口ごもった声で騒いでる盗賊もいた。

 コタースが近くまで来たから、コタースの頭もわしゃわしゃする。


 「さっすが~っ!うちの旦那様になるひとだけある~っ!」


 間違えて可愛いウサギ耳のところをわしゃわしゃしてしまい…。


 「はにぁ~~っ… んっ… だめっ…」


 「え!?」


 甘ったるい声で喘ぐコタース。いまここでやめろ…。別の剣が光だすだろ!一応これでも我慢してるんだぞっ!俺は!


 「あんっ… ルイス… 続きは…ベッドの上で…」


 俺はコタースの頭を軽くチョップする。うん。いや…、それはないから…。いや半分嘘だけど…。


 「ぶぅ~…」


 頬をぷく~っと膨らまさせるコタースも可愛い。



 そして、ジェイさんを見ると…。


 「じ、仁…。そ、そこにいるのか…」


 「まだ生きておるのか…。渋いでござるな…」


 どうやら、ジェイさんも決着がついていたようだった…。でもまだ、二人が話合っている。俺達はジェイさんの所に向かった。


 「仁…、すまなかったなぁ…。俺が操られていた…ばかりに…。酷い事を…してしまったなぁ~」


 「…っつ!?今、なんとっ!?」


 「それにしても…お前の覚悟…、しっかり…うけとったぜ…。お前なら…スザクの野郎を…潰せるはずだ…」


 「…」


 仁さんと呼ばれているジェイさんは何も言わず無言で頷く。


 「仁よ…。ありがとう…。俺は…お前の…最終秘伝奥義を……食らった後から…体のいうことが…聞くようになった。それまでは…意識はあったが…体と言葉が言うことを聞いてくれなくてなぁ… ぐっ…!」


 「それはいつからだ!?」


 「はぁ…はぁ…、半年前の…里の襲撃時…にだ…」


 ルシルは呼吸を苦しそうに息継ぎしながら答える。


 「一体…一体誰にやられたのだ!」


 「スザク…、スザクと黒ずくめの異様な雰囲気の…赤い髪をした女だ…」


 「その二人が事の発端でござるか!?」


 「あぁ… はぁ…はぁ…はぁ…」


 スザクは段々と呼吸が荒くなる…。


 しばらく、ジェイさんは考えるように目を閉じて立ちすくみながら顔を天井に向けて黙り込む…。それは数分…。その間もだんだんルシルは苦しそうに呼吸を荒くしていく…。


 「ルシル…、ヒナルどの…。すまぬ…。ひどい目にあわされたのに無理な願いを承知で言う…。ルシルを…。ルシルをどうか回復魔法をかけてあげてくれぬか?」


 ジェイさんはヒナルに頭を下げる。


 「…。わかりました…。操られていたいたのだから仕方ないですよ…」


 ヒナルはルシルに近づき両手を出す。ヒナルの手の平から光が出て輝きだし、ほわっとした暖かいオーラがルシルを包みこむ。



 「ヒナルと言ったか…。操られていた…とはいえ…、怖い思いをさせてしまった…、かたじけない…」


 ルシルのズタズタに切り刻まれている傷等がたちまちにみるみると回復しだしていく。なんとか一命は取り戻す…。ルシルはよろよろと立ち上がり…。頭を下げ…土下座をする。額を床につけ何度も何度も「すまなかった!」と謝る。


 「ヒナルどの…どうかファデューも…回復させてあげてくれないか…、あいつも俺と同じで操られていたんだ…。あいつも俺からすりゃー仁と同じ様に弟みてぇなやつなんだ…。もしまだ操られているなら、殴ってでも冷まさしてやる!この通りだ!」


 「ヒナルどの…、拙者からも無理を承知で頼む…」


 ジェイさんもヒナルに向かい土下座をして頼み込む。


 「わかりました…」


 ヒナルはファデューの所に向かい…、回復魔法をかける…。ファデューも同様に傷がみるみる回復していくのが分かる。


………。

……。

…。



 ほかの盗賊やヒナルを苛めていた女の子二人をコタースがその辺に有ったロープでしっかりと縛って大人しくさせている。二人の女の子は既におかしくなってしまっているが…。


 それからしばらくして落ち着いたルシルが今まで経緯を詳しく話してくれている。


 「俺はスザクの暴動の時の件で抜けたのは、あいつを見込んで連れてきたのが俺だったからだ。何人かの死者をだしちまっただろ…。中には俺の弟子も何人かいたしな…。」


 「…」


 「ファデューも自分のダチを連れてきてそうなってしまった事に落ち目を感じたんだろうな…、お前に黙って抜けた理由はお前の父に抜ける時に俺から言わないでほしいと言った。お前に迷惑をかけんのが嫌だったからなぁ…」


 「そんな事ないでござるよ!何故…、何故もっと早く言ってくれなかった!?」


 「あぁ…本当だ…。今思えば、状況を変えれてたのかもしれないのにな…。操られている間もずっと悔やんだ。悔やんで悔やんで…でも言えない…言いたくてもいうことが聞かない俺を俺自信で殺したくもなった…」


 ジェイさんは目を瞑りながらルシルという人の話を無言で聞きいている。


 「俺とファデューは山奥のとある村で暮らしていた。だか、半年前にスザクと黒ずくめの女が来るなり黒ずくめの女の目が赤く光ったらと思ったら魔法を唱えた…一瞬にして俺とファデューは意識を失い…。気付けば里がやられちまった後だったってわけよ…。あの時は意識はなかったが…でもなかったじゃすまねぇ…」


 「その黒ずくめの女とスザクが原因でござるか…」


 「あぁ…」


 ルシルは後ろを振り向き…。奥の方に手を伸ばし指を指す。


 「向こうの奥に、あの女が連れてきた少女がいる。なんでもあの女にとっちゃー重要人物らしい…助けてやりたいんだ…。ひどい事はされてないが可愛そうだ…。3ヶ月前に連れてこられてな…」


 ルシルは立ち上がり…。俺を見る。


 「俺が行ったら怖がらさせてしまう…、そこのアンタ…、んっと…名前は?」


 ルシルは俺の右肩に手を置き。


 「ルイスって言います」


 「ルイスよ。アンタが助けに行ってくれないか?アンタは優しく見えるし何より強い…。あの女から力を貰っていたあのデブを倒しちまったじゃねぇか…。あの少女を助けてやってくれ…」


 ルシルの顔は本気で彼女を助けたがっているのが凄く伝わる。


 「俺はこいつと一緒に村に行って謝ってくる。何年だって罰を受けていい…。死罪も受け入れる…」


 そう言うと、ルシルはファデューの元へとゆっくり歩み…。ファデューを持ち抱える。


 「俺は先に村に言って謝罪をする…」


 ルシルが立ち去ろうとする時、ジェイさんがルシルに駆け寄る。


 「ルシル…。いや…兄弟子よ!行く事はないでござる!拙者と一緒に戦ってくれぬか!!」


 ジェイさんがルシルを呼び止める。するとルシルの目からたくさんの涙が溢れ出す。


 「俺は…、俺は…」

 

 ルシルは口ごもった声で…

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