15 ルイスと勇者のスキルは同じ?
一人の兵隊からアレックスの話を聞いた。スキルが一時的に使えなくなった件が特に引っ掛かった。
「そういえば俺…。無意識のうちにアレックスの技を使っていたんだよな…」
「ウチ見たよ~っ!あの光が真っ直ぐびゅーん~っ て技~っ!勇者様の必殺技だったの~っ!?」
「よく解りませんが、お兄さんは規格外ですね!」
「ははは…。解れば苦労しないんだけどな…」
そうそう、その勇者様の必殺技である。何故、勇者でなく適性検査受けても何もないただの無能と呼ばれた俺が…。
「凄い人さんのスキルってまさか~っ、コピーする技術持ってたり~っ?」
「それ、俺も考えたんだけどね…。」
でも実際、他の人のスキルを使えるわけでない…。何かしらのトリガーがあるのか?いずれにせよ、適性検査の再検査を受けてはっきりさせたい…。
「あ~っ!いつまでも凄い人って~、呼んでたらダメだよね~っ…。名前教えください~っ…」
「そういえば、教えてないもんね。ルイス・ガーランドだよ」
「ルイスさんね~っ、ウチはコタースってよんで~っ。そちらの可愛い人わ~っ?」
続いてコタースはヒナルの方をニコニコしながら見ている。
「私はスガ・ヒナルです。ヒナルが名前です。本当に助かりました!コタースさんがいなかったら大変でした!というか、そのウサ耳可愛い!本物ですか?!」
「そうだよ~っ、本物だよ~。ラビット族の先祖はウサギで~っ、進化してラビット族になったんだよ~! ところでヒナルちゃん~っ!いくつなの~っ?」
「15歳です!」
「ヒナルちゃん~っ。同じ年だから敬語でなくていいよ~っ!お友達になろう~っ!」
「うん!!今まであまり友達いなかったから…、凄く嬉しい!!」
二人はお互い満面の笑顔で両手で握手を交わす。なんとも暖かい光景だ。うん!
ん?!別にやましい気持ちなんかないんだからね!!
………。
……。
…。
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オーガ襲来から数日が経った。俺とヒナルはこの数日間、ギルド長アドバンにオーガをほぼ一人で殲滅させた事により色々事情聴取されたり。街の人達からは、ちやほやされる日々を過ごしてきた。オバナさんの所の一人娘、ユリシアの具合も元通りになった事、感謝の意味を込めて大量の花が自宅に届いたりもした。あのアレックス達、勇者ご一考様方はスキルの異変の事で王国に呼び出されたらしく既に街から離れたらしい。
それからは壊された街の修繕工事の手伝い等をしている。そうそう、ラビット族のウサ耳の少女だけど、あの子も今回の件で適正検査を受け直したいという事もあり、少年隊を一時的に抜けて俺の家に居候する事にもなった。つまりは家に帰れば二人が出迎えてくれる。
今日も、1日壊された街の外壁作りをしおえて自宅へと帰る…。
………。
……。
…。
「ただいまーっ…。っと!?」
帰宅した俺の目の前には、4つの丸い柔らかそうな?マシュマロがあった。真ん中にはイチゴつきだ!何が言いたいか?それはそのなんだ?見てしまったんだよ!
「る~!ルイス~っさ~ぁんっっっ!!」
「ひゃう!!お兄さん!?」
「いっ!?こ、これは違うんだ!誤解だ!」
玄関ドアを開けたら俺の前にあるのは4つの白いマシュマロが現れた。ヒナルは小さいこぶりなマシュマロ…2つ…。ちょい大きめなマシュマロが2つ…、こっちはコタースだ!いや、何言ってんだ俺は!うん、二人はちょうどお風呂に入って上がったとこだったらしい。
「うっ…、ウチ…、まだ誰にも見せたことないのに~っ…」
「と、とりあえず服着るか毛布で隠して!?」
「あ、あぁ!!」
「ああああ…、ありがとっ!!コタースちゃん!早く行こう!!ま、また後でね!お兄さん!」
「うぐぅ~っ!!ルイスさん~っ!ご、ごめんなさい~っ、」
「あっ… ああっ!!」
うん…。偶然とはいえ大変な事になっちまった…。でも…、俺の家でこうなったんなら… 仕方ないよね?いやいや!そうじゃない!!
「犯罪じゃないよね…?」




