4 旅は道連れ花は斬ってけ
彼女に家が破壊されてしまったため、棲み家を探すために僕は旅に出ることにした。
ーーしかし、
「うーん…………もう足が痛くなってきた」
憑依した相手がまだ少女だったため、筋肉が発達していないようだ。
「筋肉痛になっちゃうよ」
何かないかなと辺りを見渡すがここは森だ。
あるのはもちろん木のみである。
「それにしても、何もないな…………」
少し違和感を感じたが、やはり何も起こる様子はなく、何かが出てくる気配もない。
しばらく進んでいると変わった形の花がある事に気付いた。
その花は、時計のような形をしていて色はいかにも毒々しい感じだ。
「奇妙な花だなあ」
この時は、そう感じただけだった。
花を通過して一時間が経った頃だった。
「あれ?この花…………」
そう、あの花がまた咲いていたのだ。
かなり不思議な気分になったがたまたまと割り切ってまた歩き出す。
再び歩きだしてから三十分ほど経つとやはりあの花の咲いている場所に戻ってきてしまった。
「やっぱり何かがおかしいよ!」
怖くなって走り出す。
そして何回もあの花を通り越す。
次第に花の場所まで戻ってくる時間が短くなっていき、
「…………」
やっとこの現象の原因が分かってしまった。
僕は一度深呼吸をして、その原因に手を伸ばす。
それを掴むと何故かヌルヌルしていてとても気持ちが悪かったが我慢して一気に土から引っこ抜く。
「キッシエエエエェ」
花の根がとんでもない爆音を発した。
「うわ!なんだこれ!?」
あまりの音量に思わず耳をふさぐ。
しかし耳を塞いでもなお叫び続ける植物はより一層大きな音を出し始める。
「…………おりゃ!」
鼓膜の限界を悟って僕は彼女の物であった剣を鞘から抜き出し、一閃…………
見事に真っ二つになった植物から生命力が断たれ、遂にあの爆音は止んだ。
「あー…………うるさかったあ。それにしても切れ味いいなこの剣!」
この植物の太くて硬い根を豆腐を切るようにスパッと斬ってしまうこの剣はきっと凄いものなのだろう。
僕はしばらくの間、この剣を振り回しながら旅路を進んだ。