2 何者
「あら?起きちゃったの?」
空腹が消えて、しばらく眠ってしまっていたらしい。
そして目覚めると、やはりミーヤンがいた。
ここで僕は今までずっと疑問だった事をミーヤンに打ち明けることにした。
「あの、僕は何なんですか?」
「貴方は……私の子供よ」
「そうなんですか……あと、霊素ってどんなものかお聞きしても?」
「うーん……分かりやすくいうと、私達の体を創ってるものが霊素なの。私達のエネルギーでもあるわ」
「なるほど。それと、霊素は普通はどのようにして補給するのですか?」
「いい質問ね。私達幽霊種は月の光を浴びて霊素を補給するの。でもまだ貴方は赤ん坊だから私の乳を飲まないと霊素を補給できないのよ」
そうなんだ。
…………ん?そういえばさっき僕のお母さん幽霊種とか言わなかったか?
「あれ?僕は人間ですよね?」
「そんなわけないじゃない。私達は幽霊種よ」
僕が人間じゃないだって!?
「それにしても不思議よね。普通、幽霊種は成長が異常に早いとはいえ生まれてから一日も経ってない赤ん坊が、自分について親に尋ねてくるんだもの」
ん?言葉を喋れるのは当たり前ではないのか?
「それに、真っ白な髪と赤い目……」
少し考えるそぶりを見せてからミーヤンは黙り込んだ。
「お母さん?」
「貴方…………まさか、アルビノ個体!?」
「何ですか?それ」
「突然変異、といった方が分かりやすいかもしれないわね。要するに、通常とは異なった形質を持った個体のことよ」
「そうなんですか…………」
アルビノ個体かあ…………
よく分からないけどなんか特殊ってことかな?
話し過ぎたせいか、また眠くなってきた。
「おやすみなさい、お母さん」
「おやすみ、イナセ」
僕は眠りについた。