花子の告白?
「ハナコ…。俺は、お前のことが、好きだ。」
私を抱き締めて、王様は決して大きな声ではないけれど、でもしっかりとそう、おっしゃいました。
「俺の側にいるということは、お前に嫌な思いをさせることも、あるかと思う。」
王様の声に懇願の色が帯びる。
「後宮に入ることも、他の后のことも…もしかしたら、嫌なことだらけなのかもしれぬな。…だが、だがすまぬ。俺は、お前を、離したくはないのだ。」
ぎゅうっと、王様がさらに私を強く抱き締めます。
「約束そくする。俺は、ハナコだけが好きだ。何があっても、お前だけを、愛する。」
だから、側にいてくれ、と王様がすがり付くように抱き締めてきます。
トクトクトクトク。
王様の心臓の音が聞こえます。すごく、早い。
トクトクトクトク。
私の心臓の音も、すごく、早い。
抱き締められた状態のままで、私は顔だけを王様に向けます。
「ハナコ…」
最初は無表情で分かりにくかった王様の気持ち。今は、何となく、わかるようになりました。
「王様は、私の、ことが、好き?」
「ああ。」
困ったように、眉間に皺を寄せながら、微笑む王様。
「私、あの、あちらの世界でも、恋人とか、いたことなくて…」
「ああ。」
「初恋は、パピーで…」
「…ああ。」
私が王様と一緒にいたのは、まだ、3ヶ月と、少しだけ。
「王様が、くれた絵本、とても嬉しかったです。」
「ああ。」
「お勉強を、教えてくれたのも、嬉しかったです。」
「ああ。」
「政務の合間に、王宮を案内してくれたのも、嬉しかったです。」
「ああ。」
「美味しそうに、私が作ったお弁当を食べてくれたのも、嬉しかったです。」
「ああ。」
「好き、とか、愛してる、とか、正直、よくわかりません。でも、でも、王様が私にしてくれること、全部嬉しかったんです。」
ふとした瞬間、目が合って微かに微笑んでくれるのも、不器用に掛けられる優しい言葉も、髪に触れられるのも、抱き締められるのも、全部、全部嬉しかったんです!
他の誰にされるよりも、嬉しくて、
「わ、私、王様のことが好きなのでしょうか!?」
王様のブルースカイの瞳が見開いて、次の瞬間には細められる。
「そうだと俺は嬉しい。」
殺人的に素敵な王様の笑顔がそこにはありました。




