御客様
おはようございます。
ええ、もちろん、復活しました。とっても良く寝れてしまいましたよ!
ただ、ただ、申し訳ありません!おはよう、ではないかもしれません…。
「た、太陽の位置が高い…。」
ばっ、と時計を見る。
あ、因みにこちらでも時間の概念は一緒です。ただ…目覚まし時計というハイテクノロジーの物が、ありません。
お陰で、もう10時!良かった。まだ辛うじて朝でしょうか?…て、そうではなく!
私は日頃7時には起床し、グレースさんと共に9時には王宮に出発しています。
…つまりは、寝坊です。わかってます、ええ、悪いのは私です!でも、でも!アイリーンさん、何故起こしてくれなかったのですかぁ!!
「お目覚めですか?」
「お、おはようございます?マリーさん、メリーシアさん。」
思わず挨拶が疑問形になってしまいました。
寝過ごしたからでしょうか?いつもは朝はアイリーンさんが一番に顔を出してくれるのですが…。
そんな私の疑問を、相変わらず分かりやすいらしい表情から読み取ったのか、メリーシアさんが元気に教えてくれます。
「アイリーンさんは、その、お…あ、いえ!大切な御客様の方に行っています!」
「お…」のくだりでメリーシアさんが、マリーさんに足を踏まれていたのは気のせいでしょうか?まさか、苛め!?いえいえ、このお二人もアイリーンさん同様、普段から申し訳ない程世話を焼いてくれていますが、そんな風には見えませんでした。
…気のせい、ですよね?
「えっと、グレンリードさんの御客様ですか?」
と聞くと、今度はマリーさんが答えてくれます。
「グレンリード様、というか、グレース様というか…」
あれ?グレースさんもまだお屋敷におられたのですかね?お仕事は?
そう、私が疑問に思っていると、
「ハナコ様!まずはご入浴を!昨夜はそのままお休みでしたので!!」
と、メリーシアさんがおっしゃいましたので、その通りに甘えさせていただきました。
あれから、贅沢にも昼間から入浴しさせていただきました。今は朝食とも昼食ともいえないご飯待ちです。
グレースさんはやはりお仕事に出掛けていて、グレンリードさんも同様です。
王宮であんな事件があったばかりですもの、宰相様と唯一の宮廷魔術師様が行かなければ、ということです。
グレースさんには、お仕事、置いて行かれてしまいましたが、気を使って下さったのでしょうし、恥ずかしい姿を散々見られてしまい、恥ずかしいやら何やらで、すこしだけ、ほっとしてしまっています。
何より、王様にどんな顔をして会ったらいいのか…
「ハナコ。」
うぅぅ。一晩ぐっすり寝て復活したはずが、王様の事を考えると、何だか胸がモヤモヤします。
「ハナコ?」
そう、王様の声。昨日、最後に聞いた声、とても寂しそうでした。
「ハナコ…」
「もう、なんですか!王様。私は今王様について考え……………。」
って、あれ?なんで…
「なんで王様がここにいるのですかっ!?」
王様の事を考えていたら、後ろに、王様がいらっしゃいました…。
「話が、したい。」
そう言われて、何故か真っ昼間からカッパニーニ邸にいた王様と、お庭の散策をしております。
ご飯、食べ損ねてしまいました。
「昨日は、すまなかった。」
そんな、自分の腹の虫の心配をしている私に王様が謝ります。
「すまない。だか、ハナコ、俺は、ハナコに側にいてほしい。そして、守りたい。」
王様のスカイブルーの瞳が私を捕らえる。グレースさんの優しい瞳とは全然違って、熱をもった、熱い、視線。
「王様の、側に?」
「ああ。」
風が、頬を優しくなでる。髪を緩く背中で結っていたリボンが外れて、風がさらっていく。
「ハナコ…」
王様の声がすぐ側で聞こえるとおもったら、いつのまにか、抱き締められていました。




