王様と、宰相様と、私と 2
誤字修正しました。
「不思議な声が聞こえた?」
只今、ランチ中です。
こちらの世界では食事は一日二食だそうですが、私には堪えられる訳もなく、お弁当を持参しております。
今日のメニューは照り焼きチキンバーガーです!勿論、カッパニーニ邸の厨房を借り、私の手作りです!
初めて持参した日、この国のNo.1とNo.2があまりにも物欲しそうな顔をするので、次の日から三人分用意し、休憩がてらランチタイムをするようになりました。この方々はほっとくと飲まず食わずでお仕事されるので、ちょうど良かったようです。
「そうなんです。窓を開けようとしたら、その声が聞こえて、風がやんだあとも、またね、って…お、お化けとかでしょうか?」
照り焼きチキンバーガーを頬張りながら先ほどの書類の紙々の惨状の時の出来事を説明しているところです。
私、虫とか爬虫類とかは全然平気なんですが、お化けだけは昔からダメなんですぅぅ!本当にお化けだったら、どうしましょう!?お留守番が出来なくなります!
「オバケ、とはなんでしょうか?」
そんな事を考え、震えていると、グレースさんが不思議そうな麗しいお顔で問いかけてきます。
「説明するのすら恐ろしいですが、お化けとは…」
「オバケとは?」
ゴクリ、緊張で唾を飲む音がやけに響く。
「……幽霊のことです。」
…。
……。
「ユウレイ、とは?」
「…………へ?そ、それは勿論、死者の霊魂ですよ!ひ~~~!クワバラクワバラ!!」
悪霊退散!と、私が除霊紛いなことをしていると、真剣な眼差しで、
「そなたの世界では、死んだ人間と会うことが叶うのか?」
と、王様が問うてくる。
「へ?えっと、私は亡くなった方とは会ったことはないですが、会える方と言うか、見える方はいるそうですが…」
「そうか。…良いな。」
「王様…?」
いつも無表情な王様だけど、何か様子がおかしいです。私、何か悪いこと言ったでしょうか?
「ハナコ嬢が聞いた声は多分、風の精の声でしょう。」
唐突にグレースさんが言う。
…風の精って、
「私を気紛れにこちらに連れて来た、ですか?」
「ええ。精達のいたずらでしょう。」
……………。
…なんか、怒りよりも、脱力感が…。私になんの恨みがあるんですかぁ、風の精さん!
「言われてみれば、そなたの髪に風の精の名残が残っておるな。」
そう言っていつの間にか元に戻った王様が、私の髪に手を伸ばす。
「キレイな髪だな。」
「あ、あの…、えっと…」
王様の、大きな、剣ダコやペンダコがある、ゴツゴツしてるけど、だけど何故か武骨というよりはキレイな手が、私の髪をすく。
「…っ!」
思わず息をのむ私。
「…っ!す、すまん!つい…」
「い、いえ!だ、大丈夫です!」
な、何でしょう!?顔が熱いです!
グレースさんはしょっちゅう私の頭を撫でてくれたり、髪をすいてくれたりするし、こちらの男性はスキンシップがあちらに比べて過多なのかなとは思ってたんですが。王様にはこのようなこと今までされたことがなかったので、びっくりしてしまいました!
うぅっ、私絶対、今、茹でダコのごとくなってますぅっ!
花子ダコがすっかり茹で上がと、ごほん、という音が聞こえ、その音の方を見ると、グレースさんが困ったように微笑んでいた。
「ハナコ嬢、兵部省の場所は分かりますか?」
「は、はい!分かります!」
「では、この書類をそこのレイクと言う者に渡して貰えますか?」
「はい!分かりました!この、こーきゅーの警備に関しての書類ですね!では行ってきます!!」
ごふ!ゲホッゲホッ!!
と、何やら王様がお茶にむせる様子が見えたけど、あまりの恥ずかしさに私は急いで執務室を出た。




