やっぱり脱獄はまずかった!?
もう、悲鳴のくだりはよろしいですよね。
びっくりしました。ええ、本当に。
神様って…。王様と魔法使いでも十分びっくりしたのですが…。
「レイニール神の力を目の当たりにし畏れた他の神々とカッパニーニ、そして、人間はなんとかかんとかその怒りを鎮め世界が滅んでしまわずにすんだそうじゃ。これが、今から千年ほど前にあったとされる神々の戦いじゃよ。」
なんとかかんとかって、その辺りは随分曖昧なんですね…。戦いというか、ブラシェウス神とレイニール神の暴走というか。ん…?あれ?
「あの、風の精霊のカッパニーニさんとは…?」
「ホッホッホッ。わしの祖先じゃ。」
「ハハ、ハハハハハハハ…。」
乾いた笑いって、こういう感じですかね。とにかく落ち着くんです!私!!
「えっと、じゃあ、この世界では、王様は神様で、カッパニーニさんことグレンリードさんは風の精霊さんなんですね…。」
「それは、ちと違うかの。神や精霊はやはりわしら人間とは違うようでの。人間との契りは結べんのじゃよ。それで神々と精霊、わしの祖先のカッパニーニは自分たちが選んだ人間にその力の一部を授けたんじゃ。そして、その者らが王になったのじゃよ。その王の子の中で必ずその力を受け継ぐ者が生まれる。強く受け継がれるか、微々たるもんかはその時々じゃな。現レイニール王に関しては史上最強と言われておる。」
…今サラッと聞き捨てならないことを言いませんでしたか!?史上最強の王様って!!私その王様に牢屋に入れられたのに勝手に出て来ちゃいましたよぉ~!!!
「どうしましょう!グレンリードさん!!私その王様に逆らって!?というかグレンリードさんのご厚意に甘えて勝手に牢屋出て来ちゃいました!!!大変です!このお屋敷ごと焼きつくされちゃうぅぅぅぅ!」
「ホッホッホッ。大丈夫じゃよ。レイニールの小わっぱかが来おったら互角とまではいかんが、腕と足一本ずつくらいへし折ってやるからの。」
じゃあ、安心かなっ、てそういう事じゃなくて!!
「ハナコ殿は思ってることが顔に出て、実に素直で可愛らしいのぉ。」
そうなんですよぉ、私昔から思ってることがすぐ顔に出るから嘘とか付けないんですよね。
…もう、そうじゃなくてぇ…
「ホッホッホッ。心配無用じゃ。あちらの世界からこちらの世界に来てしもうた渡り人は国の保護対象じゃ。あのような不当な扱いこそしてはならん。」