13. 魔法鍛錬の授業
「なるほど。やはり、彼女でしたか。」
暗い部屋のソファーでくつろぎながら電話をしているレーラ。
「そう、彼女は、私たちが持つ、魔法の“知るべきでない事実”を見つけ出そうとしている。」
スマホから漏れ出る声はとても低く逞しかった。
「なんとしてでも、止めろ。良いな?−7。」
「はい。食い止めてみせます。0様──。」
「あと、最後に良いですか?」
「なんだ、言ってみろ。」
「もし、何度も食い止めても、全くやめる気配がなかったが場合どうすればよろしいでしょうか。」
「その時は────。」
「ふぁあぁあ〜。」
フローラルはいつも通り眠たそうだった。
「それにしても、レーラ先生。本当に強いのかな。」
「ん、あの人は確かに強いよ。」
「なんで分かるの?あの時も『とんでもない魔力だ』とか言ってたけど…。」
「一応、みんな魔力を放っているんだよ。」
「その魔力のオーラがレーラは大きすぎたんだ。」
「オーラのデカいレーラ…。なんかややこしいな。」
「でも、私見えないけど、どうやったら見れるの?」
「ひたすら見ようとしないと見えない。地味な努力が必要になる。」
「それは、キツそうだね…。」
「まぁだから見えなくてもなにも損はしないからっ。」
「んまぁ、そうだね。」
『三・四時間目 魔法鍛錬』
みんなは学校のグラウンドに集まっていた。
「ごめんね、早速僕が担当しちゃって。」
「できるだけ、楽しく授業するから。よろしく。」
一見は悪い先生どころか、良い先生に見える。
フローラとマヨーナとジークは3人でかたまっていた。
「あの先生、絶対めちゃくちゃ強いよな。」
ジークはコソッと言う。
フローラルはしゃがんで砂の地面に指で絵を描いていた。
「なんで、そう思うの?」
マヨーナも同じように思った。
「確かに、ジークも見えるの?オーラとやらが。」
ジークは全て悟りきったような顔をし、頭に手を当てる。
「ふっ…!」
「なんとなくだよ。」
「「いや、なんとなくかいっ…!」」
そしてレーラ先生の話を聞いてなかった3人。
「では、実際にやってもらおうかな。」
「へ?」
「やべ、話聞いてなかったぁ…。」
「どどどどうしようっ!」
3人はヨタヨタしている。
「ま、まぁとりあえずみんなに合わせれば良い。」
生徒のみんなは基本魔法の遠距離攻撃魔法の練習をしていた。
「いいね〜いい感じだ。」
レーラは生徒の現状の魔法の実力を見ているようだ。
「良かった。あぁ言う感じね。」
3人も位置につく。
「前に言った通り、杖の先端に魔力を集中させるんだよっ。」
「ぁあ、もう余裕だぜ。」
「もちろん!」
『ドオォォオンッ』
「お、そこの3人も、いい調子だね。」
レーラは笑っている。
でも、その目だけは、
一瞬もフローラルから逸れていなかった。
「どうも。」
そう言って、フローラルは、冷淡な表情でその場を去る。
他にも、近距離攻撃魔法の練習や特殊魔法の上手い使い方の実践をした。
「それにしても、なんでフローラはいつも先生に愛想悪いんだ?」
「そうだよ。あんなに優しく接してくれる先生もいるのに。」
ジークたちはフローラに聞く。
「ん、もともと私は誰にでも愛想良くないでしょうよ。」
「「ぁあぁ、たしかに。」」
「納得するな。」
「でも、先生だぜ?できるだけ、媚び売るじゃないけど、ちゃんとしといた方が得だと思うけどな。」
「あの人に媚び売っても一緒だ。」
「なぜ?」
「あの人はひとりひとりの生徒の分析をしている。」
「え?前、俺の分析をフローラがしていたみたいに?」
「そう、この子は何が得意で何が苦手か、もそうだけど、」
「魔力のオーラの安定さとか、魔力抽出量の微調整とかで、」
「ちゃんと努力をしているのか。または、サボっているのかも分かるんだ。」
「だから、頑張っている人には、媚び売らずとも、分かってくれる。」
「でも、なにも努力もせずだらしなく生きてたら、いくら媚び売っても、それなりの態度でしか対応されない。」
ジークは微笑みながら言う。
「いくら魔法が苦手でも、努力していたら、その事はちゃんと分かってるって感じなんだな。」
マヨーナもなにかホッとした様子で言う。
「仕事できる先生って感じだね。」
「まぁ、そうだね。」
「私が見るには、レーラ先生の分析は相当細かな魔法技術まで見ることができそうだ。」
「少なくとも、私よりあの人の方が分析には長けているってわけ。」
「「ほへぇ…。」」
「他の生徒たちが別の練習に移っていってる。私たちも行こう。」
「おう。」
そう言って3人は次の練習ゾーンへ進んで行った。
「んあ?」
みんな一列に並んでいる。
「すごい列だな。俺たちが最後尾みたいだけど、この先何があるんだ?」
「ちょっと待ってね。」
フローラは千里眼の魔法で遠くを見る。
生徒はみんな、ソワソワしていた。
レーラ先生は何か言っている。
「ぇっ。」
「なんだったの?」
フローラルは息を呑む。
そしてフローラルの表情が固まる。
「ちょっと、やばいかも。」
「「なになに!?怖い!!」」
※いつも読んでくださっている皆様、今日から二週間ほど休ませてもらいます。活動報告で報告させてもらっているんですが、ここでも伝えておきます。今後ともよろしくお願いします。
炭酸水。




