11. 「美味しい。」
三人はマヨーナが言う、いいところに向かっている。
そして、無理やり連れてかれているフローラル。
「2人が話に夢中になっているうちに、こっそり抜け出すか…。」
「そういや前、俺が手伝った魔法薬、使ったのか?」
「ぁあ、そういや、まだ使ってないな…。」
フローラルはそろりそろり…。
「使ってねえのかよ…確か、一時的に相手の魔力容量が見れるようになる効果だったよな。」
「そうだね。私は使おうとしたんだけど…フローラが──」
『わ、私の魔力容量は、ほんっとうに少なすぎて引くだろうからっ、私がいる前では使わないでねっ!?』
『え、なんで?絶対私より多いでしょ。』
『絶対、使わないでね!?』
「──っとか言っていたような…。」
「そんなに、魔力容量少ねえのか?そんなふうには見えないけどな…。そうなのか?フローラ…?」
ジークはフローラルがいないことに気づく。
「あいつ、どこに行った?!」
「フローラ、逃げたなぁ!?」
2人はあたりを探し回った。
「「あ、」」
そして、すぐに見つかった。
フローラルは道端に落ちていた魔導書に夢中だ。
「こんな、魔導書が落ちてるなんて…!」
フローラルは2人の存在に気づく。
「あ、」
フローラルは手を引っ張られながら、連れてかれる。
「誰だよぉ、あんなところに魔導書落としていったやつ…。」
「はぁ…単純なやつで助かったぜ。」
「ほんとにね。」
そして、到着!
「やっと、着いたな…!」
「長かったね。」
そう看板を見上げると、そこには『ロクア・シャンデリ』。
入り口付近には、メニュー看板がある。どうやら、カフェらしい。
「ぁあ、カフェか、良かった。もっと変なところに連れて行かされると思ってたよ。」
そう言って、フローラルたちは中へ入る。
「お好きな席をどうぞ。」
マヨーナは、テラス席に座る。
「ここはね。昔、私が行ったところなんだけど、景色が綺麗だし。スイーツも美味しいしで、もう!」
「たしかに、ここからの景色はとても良い。な、フローラ。」
「うん。たまにはこう言うのも、悪くはないのかもしれないね。」
朱色に輝く夕日が海に反射するこの景色はまるで宝石だった。
フローラルたちは目を輝かせている。
「そうだっ、フローラは何する?」
「ぁあ、じゃあ私は…『コーヒーゼリープレミアム』で。」
「迷うな…、俺は『スペシャルジャンボリープリン』にしよう!」
「ぉお、良いね!そんじゃ、私は『アップルパイデラックス』!」
「お待ちどう。」
「やっぱり、ここのアップルパイはこれでなくちゃ!」
「すげぇ!めちゃでっかいぞ!」
フローラルはとても大きいコーヒーゼリーを見つめる。
「うわぁ、想像を超えられるとは…美味しそうだぁ。」
そして、いつの間にか、帰りたかった気持ちは完全に消え、目を煌めかせていた。
「あむっ…!」もぐもぐ。
「美味しい。」
フローラルは自然に笑顔になっていた。
「たしかに。マヨーナの言う通り、」
「コーヒーゼリーはこれでなくっちゃね。」
そして、帰り。
3人は夜空を見上げながら、進んでいく。
「やっぱり、魔法では埋まらないものもあるだなぁ!」
「でしょ!来て良かったよね〜!」
「うん。ありがとうね。マヨーナ。ジークも。」
「うん!楽しかったから、オールオッケー!」
「途中、フローラが逃げたのは焦ったけどな!」
「まぁそれも一つの思い出ってことで…。あっ!」
フローラルが何か見つけた様子。
視線の先は、超大きな魔導書ショップ。
「大型魔導書ショップ、『マホー』だと!?行こう!!」
「ぇえ!?ちょっもう日も暮れて…って!」
「今度は私が連れていく番だね!」
フローラルは2人の手を引っ張っていく。
「「いぃやぁぁ!!」」
「どれにしようかな〜!こっち?あ、やっぱりこっちかなぁ?」
1人でぶつぶつ、話しそうだ。
でも、2人のことも考えてあげてほしい。
「これ、いつまで続くんだ?」
「さぁ、明日の朝までかな?」
「明日学校だぞ?」
ジークは半泣きで叫ぶ。
「店員さぁん、もう店閉めちゃって〜!」
マヨーナも冷や汗をかく。
「よりによって、大型ショップ。24時間営業って…。」
「俺たちは一体どうなるんだぁぁぁ!?」




