5 大神官との秘密
「はい。先程の黒い力につきまして、ユウキ様の中に留めて外に出ないようにして頂きたいのです。」
「…つまり力を使うなと?そもそも自分の力が何なのか、どう使うのかもわからないのに?」
「それにつきましては、今いるこの神殿内にて力のコントロールを練習して頂けます。」
「練習?」
「はい。異界から召喚された方は必ずこの神殿に到着するようになっております。そしてこちらの神殿にてご自身の役割を知り、力の使い方を覚え、それから旅立っていただくこととなります。」
なるほど。ゲームのチュートリアル的なものか。
それにしても…
「ルーナさん貴方は大神官って言ったけど役割は違うな?」
きっと俺の予想通りならこの人俺の嘘にも気づいている…。
「そう…ですね。ハル様。ユウキ様と二人でお話させて頂けませんでしょうか?」
「え??それは私は聞かない方がいいって…事ですか?」
「今は…まだ。大丈夫です。ユウキ様を奪ったりはしませんよ?」
…おい。冗談言うようなキャラなのか?この人は?
そもそもハルにとって俺はそう言った相手では…。
「えっ!?あ、あぅ。わ、わかりました。私は何処に居ればいいですか?」
「ではあちらの扉の向こうに休める椅子がございます。ご案内致しますね。ユウキ様少々お待ちくださいませ。」
「わかった。」
ルーナさんがハルを連れて部屋を出ていく。
さて。わざわざハルに聞かせない話か。
間違い無く俺の役割に気づいている…と見るべきか。
〜〜〜
しばらくしてルーナさんが戻ってきた。
「お待たせ致しました。」
「やけに遅かったな?」
「ハル様と少々お話しておりました。ユウキ様とお離れになられるのに不安を感じられていたようですので。」
ハル…。さっさと話を済ませないとな。
「そうか。じゃあ話とやらを終わらせて迎えに行かなきゃだな。」
「はい。そうですね。ではまず…ユウキ様貴方の役職ですが…」
「やはり見えてるな?」
「気づいていましたか…。はい。私の役割の力、と言うより水晶自体が私の能力です。」
「なるほど…な。つまりあの水晶に表示されるものは把握できると言うことか。それでどうする?封印…いや処理するのか?」
我ながらどストレートに聞いてしまったな。
さてどう出るか。場合によっては…
「それにつきましては先程お話した通りです。」
ん?おや?
「私としてはハル様と共に居られるのであれば良いのではないかと考えています。」
「そんな簡単でいいのか?」
「…そうですね。きっと良くないと思います。私の立場として、この世界を導く者としては本来ならユウキ様を…」
「そりゃそうだろ。では何でだ?」
「ユウキ様のハル様に対しての愛と、役割の可能性を信じてみようかと。」
「可能性??」
「はい。本人が水晶にて見える物と私が把握出来るものは実は違う場合があるのです。」
「そうなのか。で、俺のは違ったと?」
「いえ同じと言えば同じなのですが…。なんと言いますか上手く言葉に出来ないのですが、違うのです。…いや違うと言うのも違うのですが…。」
なんか一人であーでもないこーでもない言ってるけど美人がやると絵になるなぁ。
「まぁルーナさんが納得してるならいいよ。でお願いって言うのは?他にあるんじゃないのか?」




