31 抱っこ
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「……ファイヤーアロー!!」
ハルの言葉共に放たれた大量の炎の矢がブルーウルフの群れへ飛んでいく。
ってあれ?ファイヤーアローって6発ぐらいの炎の矢じゃ無かったっけ?
今ハルが放った矢はどう少なく見積もっても20発程放たれていた。
その結果は4匹のブルーウルフは躱しきれる事もなく、燃え上がり光となって消えていく。
「すげぇ…。」
「ふぅ。…なんか気合い入れ過ぎちゃった…かも?」
ハルがちょっと恥ずかしそうに頭を捻りながらこちらへ向く。
「ハルちゃんや、練習の時より格段に魔力の込め方が上手くなってるのぅ。実戦でいきなり何かコツを掴んでしまったかのぅ?」
「えーっと?さっきのユウキの戦い見た時に凄く…ドキドキしたの。それで私も頑張らなきゃ!って無我夢中で…」
「なるほどのぅ。それにしてもファイヤーアローで20発以上発動させられるのは上位の魔法使いか、それこそ炎の精霊ぐらいなものよのぅ。ハルちゃん凄いぞ!」
…いや…ね。
魔力を初めて感じた時からこの子凄いと思ってたのよ?真面目に天才肌と言うかセンスの塊じゃないかと。それにしたってすげぇ。
「ハル凄いぞ。なんか守る!って言ったの恥ずかしくなってきたな…。」
「へへへありがとー!でもユウキが居てくれるからだよ?きっとユウキと一緒に居たいって気持ちがあるからこれだけできたんだと思う!」
そんな強くならなくても俺は一緒に居るのにな。
むしろこのままハルが強くなったら俺が用済みになるのでは…
それはまずい。非常にまずい!
「そっか。俺もハルと一緒に居られるようにもっと頑張って強くなるよ!」
「うー…う、うん!一緒に頑張ろー!」
あれ?何か間違えたか俺?ハルの反応が微妙だったような…。
「…ゼノンの言う通り助けなんぞ必要なかった。もうこのまま二人でどんどん倒していくのじゃ。後は数をこなせば問題なかろうよ。」
マリクさんが呆れ顔でそう言ってくる。
語尾にのぅをつけ忘れてるぞー。
そんなに呆れてる?
「よし。じゃハルどんどんいくぞ!」
「おー!」
二人で魔物退治を進めるのであった。
〜〜〜
それから3時間程が経過した。
3人は神殿まで戻ってきていた。
「お帰りなさいませ!皆様ご無事で何よりです。」
神殿へ戻るとルーナさんが迎えてくれた。
「ただいまぁ!お腹空いたぁ!」
…お前は小学生の子供か。いやめっちゃ可愛いけどもさ。
「お食事のご用意もできていますよ。外でのお話はお食事時に色々お伺いいたしますね。どうぞこちらへ。」
ルーナさんに促されてそのまま食堂へ向かう。
それから食事をしながらルーナさんに外での話をする。
あのハルのとてつもないファイヤーアローの後、俺達はどんどん魔物を倒した。
倒したのは最初に倒したブルーウルフの他、
1本角の生えてる兎、鳥型の魔物、猫ぐらいの大きさのネズミ。
個人的に苦戦したのは鳥型だな。剣で戦うには動きが早く捉えにくかった。
…ハルに魔法は?って言われて自分も使えること思い出してそこからは戦えたけどな。とは言え俺のウインドカッターは動いてるヤツに当てるのが難しい…
いや俺が下手な訳じゃないぞ…多分。
でもさ、ハルのあの凄い魔法見たら自分が使えることなんて忘れちゃうよね。うん。
「お二人とも大活躍ですね!これはもうタリスへ向かうのも問題は無さそうですね。」
「魔石も小さいが200個ほど溜まったしな。これタリスで換金するんだよな?どれくらいになるのかな?」
こないだ資料室で調べたのでこちらの世界のお金については知っている。元の世界よりだいぶざっくりとしていて、銅貨、銀貨、金貨、白金貨と言った感じだ。
価値としては下から元の世界の100円1000円1万円って感じだな。白金貨は10万円以上かな。
「恐らくこのサイズですと1つ銅貨1枚か2枚かになるかと。ですので。200個ですので金貨でしたら1枚か2枚と言った所ですね。」
1万円から2万円か。あんなにあっさりでそんなに稼げていいのだろうか?
と考えていると…
「ユウキ殿よ。この世界の普通の人々は先程の魔物であっても脅威なのだよ。2人がちょっと…いじ…凄いのでそんなに簡単に稼げるものでもないのだよ。」
今異常って言おうとしたな?
「まぁそうだよな。俺達もこの世界に召喚されてそのまま外に放り出されてあの魔物達と遭遇したら…」
「魔法も闘気も使えないで武器も持ってなかったら無理だよねぇ。」
ハルも続く。そうだよちゃんとチュートリアルしてもらえたから簡単なだけだな。
「よし、ハル。改めて気合い入れて注意しよう。もっと強い魔物もいるんだろうし、俺達は冒険初心者だって事を忘れないで行こうな!」
「はーい!」
「それではタリスへ旅立つのはいつに致しますか?先日もお話しましたがここからタリスへは1日の距離です。最も身体強化についてもユウキ様は優れておりますので本気で行けば数時間で着くかと。…まぁその場合はハル様を抱き抱える必要がありますが。」
「え。抱っこ??…ユウキー抱っこー。」
ハルがこちらを向いて両手を広げる。
やべ。抱きしめたいじゃないか。
あの下世話神官最後余計なんだよ。なんでわざわざそれを言う?
って可愛いハルを見れたからいいんだけど。
「ハル…。抱っこは今度な?ハルだってある程度身体強化できるんだから普通に行くぞ。」
「むー。でも今度って言ったね?私聞いたからね?」
「私も聞きましたハル様!と冗談は置いておいてそうですね。ハル様も身体強化出来ますので恐らく道中の魔物を倒しながらでも半日程でしょうか。」
なんか抱っこに凄く反応されてるが…とりあえずスルーしておこう。
「そうか。そうしたら明日はゆっくり休んで明後日の明後日出発しようか。」
タイトルが思いつかなかった…。
もうハルの抱っこしか作者の頭にはありませんでした(笑)
次回更新30日1時予定です。




