19 部屋にて
「あ、話終わったのー?」
マリクさんと話して戻ってきた俺にハルが言う。
「あぁお待たせ。さてルーナさんこれで魔法はある程度終わったわけだけど、次は…」
「はい。闘気になりますね。」
闘気か。
魔法も正直ワクワクしたけどやはり男である以上闘気には更に期待をしてしまう。
某漫画のスーパーなんちゃらみたいな…ね。
「闘気かぁ。なんか強く慣れそうな感じ?んー。想像がつかないなぁ。」
やはり女子にはピンと来ない感じらしい。
「ですがお二人ともここ数日特にお休みにならずに魔法の訓練しておりましたし、一旦今日と明日お休みを挟んでみるのもよろしいかと。」
確かにこの世界に来てからゆっくりとしてはいないな。
とは言え社畜だったことを考えるとそこまでではないが…。
1日15時間働いて通勤往復3時間。知ってる1日って24時間しかないんだよ?後残り6時間で風呂、飯、睡眠しなきゃいけないんだよ?
「俺はそこまでじゃないけど、ハルはちょっと疲れ溜まってきてるか??」
「んー。ユウキと一緒に居られるから楽しくてそこまでじゃないけど、ちょっと疲れてるって言われたらそうかも?」
サラッと嬉しいこと言ってくれるな。この子は。
歳下に相変わらず転がされてるなぁ。俺。
「じゃあ休もうか。」
「うん!お休みもユウキと一緒!…だよね??」
本当にこの子は…。
ってそんなに俺と一緒でいいのかな。
あ、1人が嫌なのか。言ってたもんな。
「ああ、一緒だよ。」
「またこないだみたく勝手に一人でどっか行って大変なことになるとかダメだよ!」
釘刺されました。
ちょっとルーナさんに例の力の相談しようかと思ってたのに…。
「わかってるよ。じゃあとりあえず今日は部屋でゆっくりするか。明日は…何か考えよう。」
「うん!じゃ部屋戻ろー。マリクさんまたねー!」
「ハルちゃん。ワシは大体この部屋におるからのぅ。いつでも遊びに来てくれて構わぬからのぅ。」
「はーい!」
とマリクさんに挨拶をして自分達の部屋へ向かう。
しかし、いきなりハルと二人部屋になった時はちょっとドキッとしたけども…。
あの初日以来ハルがベッドに入り込むこともなく同じ部屋で寝泊まりしている。
これって同棲みたいだなぁ。
大したことない世間話をしながら部屋へ戻る。
「ただいまー。」
「ただいまって借りてる部屋だからなぁ。」
「まぁそうだけどただいまだよー。ふー。やっぱ改めて休めるって思うとちょっと疲れてたかも。魔法使うのって疲れるかもね。」
「そうだな。体力と精神力それから魔力を使うって言ってたしな。夕飯まで時間もあるし少し昼寝してもいいぞ?」
やっぱ疲れてたか。ルーナさんの気遣い礼を言わなきゃな。
「んー。でもユウキとせっかくゆっくり話せるのにお昼寝しちゃうのももったいないし。」
「明日も休むんだから話す時間はあるだろう?」
こうゆうこっちが内心喜ぶようなことをシレっと言ってくるんだよな。
「むーり。今日は今日しかないんだよー?明日は明日!でもゆっくりしたいって言うのも本音だしなぁ。あ!ユウキちょっとこっちのソファーのここ座って!」
何か思いついたようだ。
呼ばれたのは部屋にあるソファー。
大人が3人いや、詰めれば4人は座れる横に少し長いタイプ。
「この端に座ればいいのか?」
促されるままソファーの端に座る。
「そうそう!それで私が…ここにごろーん!」
ハルが残りの部分に横になり頭が俺の足の上に来る。
…おいおいこれは、膝枕と言うやつではないか!!
「ハル!?ちょっとっ!」
「んー。なーに?」
膝枕状態からこちらの顔を見あげてくるハル。
うわ。このアングルめっちゃ可愛い。ヤバい。
「膝枕だぞ?」
「膝枕ぐらい知ってるよー。重い?ヤダ?」
「い、いや別に重くは無いし、嫌でも無いけども。」
「ならいーじゃん!これなら休めるしお話も出来るし一石二鳥!」
いや別に膝枕しなくても休みながら話すことは出来るだろう…。
「さてー。何話そうか?明日のこと?何かするー?」
「明日か。でも何かするって言ってもこの神殿以外わからんし、そもそもこの神殿すらまだ全部知らないしな。外に出るにも全くわからんし。」
「そうだねぇ。お出かけはできないねー。じゃあお部屋デートだ。」
…デート。
なんていい響き。って違う。
「デ、デート?」
「休みの日に二人で過ごすんならデートでしょ?今までだって二人で飲みに行ったりデートしてたじゃん?」
「あ、飲みもデートなのか。」
俺としてはハルが飲みに付き合ってくれてたって認識だからデートの認識無かったな。
「そーだよー。デートだよー。」
まぁこの感じでデートって言ってるし、男友達と遊ぶのもデートなんだろう。最近の若い子はそうゆうもんなんだろう。
「って言っても部屋も何もないかー。まぁ休みだしお部屋でゴロゴロするのもいいかな。ユウキは何かしたいことある?」
「ちょっと考えてたのはこの世界の事調べようかなって。ルーナさんの話しだと準備が出来たら旅立つわけだろ?ハルの役割果たすのもここに居てはできないしな。となるとこの世界の事知っておかないと困りそうだなと。」
「あー。そうか。この神殿しか私達知らないもんね。」
「あぁ。精霊が居たり、魔法があったり元の世界とはかなり違うからな。元の世界の海外より違いは大きいだろう。」
「私も大学入学で地方から出てきて異世界かと思ったけどねぇ。」
そういえばハルは地方出身だったな。
「俺は産まれも育ちも関東だったからなぁ。初めて修学旅行で地方行った時はそれこそ異世界って感じだったな。」
「こっちの世界はどっちに近いかなぁ?」
「そうだなぁ。まぁ魔法とかあるぐらいだから地方じゃね?ビルとかあるイメージは湧かないな。」
「確かにー」
こうして他愛ない話をまったりしてられるのも幸せを感じるな。ハルと過ごす時間が多いってよりこっち来てからほとんどずーっと一緒に居られてる。
あ、俺召喚されて良かったかも。
「ふぁぁぁ。何か眠くなってきちゃった。ちょっと寝るー」
「じゃあベッドへ…」
「このままがいいー。おやすみー。」
「ちょ。ハルさーん?」
そのままスヤスヤと寝息立て始める。
この膝枕のまま…だと?
いや幸せ感じるんだけど…。
ちょっとばかし危機感無さすぎではないのか??
まぁ信頼されてると思うことにしよう。
…決して何とも思ってないからってことはないと信じよう…。
…寝顔可愛いなぁ。
膝枕って良いですよねー




