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02-10.元特務隊長、世界情勢を知る

「そうか、岡崎が第二王女とねえ……」

木下ハジメ新日本共和国大統領は、妻のカナデから報告を受けていた。

「その娘はどんな子なの?」

「屈託がなくて誰とでも仲良くする、誰からも愛されるタイプだと聞いていますよぉ」

「へえ。天然なのか、あるいは父親に似ているのかね」

ハジメは疑わしそうに言った。


「人形作り師ザッキーの正体が岡崎だって知ってたんだよな? まあ、日本人で名前がオカザキならそのまんまかもしれねえけど、あいつはそれは明かしていなかったはずだし、岡崎っていう名前の隊員なら他にもいるからな」

「王女が独自の情報網を持っている、と? 相手は11歳の女の子ですよぉ」

「転生者だったりするかもしれねえし、天才かもしれねえよ。岡崎を簡単に転がすようなタマかもしれねえ」

「タイチョー岡崎くんのこと好きですからねー。でも心配しすぎじゃないですかぁ?」

「だといいがな。ギスリムさんちの娘さんならどうなんかなーって思って。俺はあの王のこたぁ嫌いじゃねえが、信用はしてねえからさ」

ハジメはぶすっとした顔をして言った。

「あの王様、たくらみが多いんだよ」


「ところで世界各国に散っているオシイ商会の隊商たちから情勢を伝える報告が来ていますよ」

羊皮紙による手紙の束をカナデはハジメの前にちらつかせた。

「ざっと目を通しておきましたけど、バルゴサはいずれ確実にトラホルンを攻めると思われますね」

「前々から噂はされてたけどなあ。やっぱりやる気か」

「ここ数年不作が続いていて、食糧危機が深刻みたいですね。狙いはトラホルンの穀倉地帯でしょう」

「金で食料を買い上げてしのぐ、っていう発想はねえのかね」

「それなら兵力を増強してトラホルンを取り、さらにイェルベ川の西側も制圧するっていう腹積もりでしょうね」


「カディールはバルゴサに反対しねえの?」

「不干渉、という体裁をとるようですが黙認というより実質的に支持をする立場のようです」

「東方通商連合は?」

「先のにらみ合いにおいて仲裁という立場をとりましたが、それ以上の介入は考えていないようです」

「トラホルンと新日本国の連合軍に対して、バルゴサの竜軍団、ないしはカディールの後押しつきか」


「異世界自衛隊はすでに東方重視でカリザトに兵を増強しています。第3普通科増強連隊と、第5普通科臨時編成連隊がカリザト駐屯地に編成済み。カリザト施設科群は北東の国境地帯にバイアラン臨時駐屯地を建設中です」

カナデは淡々と報告した。

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