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夢幻戦隊MSガールズ  作者: 硫化鉄
第11話 「新生」

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シーン7 その頃のアラジンと客人。

 アラジンの前に置かれた大きな棺桶。その大きさは普通の棺桶に比べて優に二回り三回り大きかった。相当重そうだが、ジンはこれを引きずってきたのだろうか。


「ジニー。これは一体、どういう事なのだ?」


 少しイラっとしてアラジンが問う。ジニーはちょっと目を泳がせながら答えた。


「えっとー。どうしてもこの状態でないと外出したくないとおっしゃって……。

 ほら、おとたまっ!」


 わき腹に肘鉄を入れられて、ジンはいそいで棺桶の蓋に手をかける。


「ハイハァ~イ♬ アラジン様のお客人様のよそいき着様を~っ!!

 オォ~~プンンっ!!」


 ジンの大きな手が棺桶の分厚い蓋をぐいっと持ち上げた。

 中には……棺桶。


「ジニー。これは一体、どういう事なのだ?」


「えっとー。

 ん~もう、おとたまっ!!」


「ハイハァ~イ♬ アラジン様のお客人様のよそいき着様の、そのまた中身のおしゃれ着様を~っ!!

 オォ~~プンンっ!!」


 ジンの大きな手が棺桶の中の棺桶の蓋をぐいっと持ち上げた。

 中には……棺桶。

 少し小さめだが、金色に輝く装飾が施され、中におさめられた人物の身分の高さを表している。


「ジニー。これは一体、どういう事なのだ?」


 アラジンはその棺桶を見つめたまま、もう一度言った。


「えっとー。宮殿にいらっしゃる時もこの状態でしたのでー……」


 ジニーは少し肩をすくめて言った。

 ジンとジニーがこの客人の宮殿についた時から、彼はこの棺桶の中に籠っていて、顔も見せてはいない。そもそもジンもジニーも客人の顔は知らされていなかったから、見たところで何の確認もできるものではなかったが。


「な、なるほど……」


 アラジンはぎこちなくうなずくと、客人の棺桶に近づき、コンコン、とノックした。


「到着しましたぞ。是非、このフタを開けて、出てきて頂けませぬか」


 だが棺桶は微動だにせず、中から物音も聞こえて来ない。


「ううむ……」


 少し困り顔のアラジンに、音もなく近づいて、ジンはささやくように言った。


「ずいぶんと満を持しておられるようですなぁお客人は。

 ふふん♪ 父は満を持す事からは卒業したのだよジニー?」


「おとたまうるさい。

 アラジン様、実はあたしもお客人のお顔を見てはいないのです。

 フタを閉めたまま少し会話をしただけで……」


 その報告を聞き、アラジンは小さく何度もうなずいた。


「ふむ……。と言う事は、外の音は聞こえているのだな?

 よしわかった。

 友人である私が呼びかけているとわかれば出てきてもくれよう」


 そう言ってアラジンは大きく息を吸い、気合を入れた。


「むんっ!

 我が名はアラジン!! 出でよぉ~! ツタンカーメン王~~~~!!」


 アラジンのあらん限りの声が宮殿に響き渡った。

 そして。


「……出て来られませんね」


 ジニーがちょっと言いにくそうな顔で言った。

 アラジンはほとほと困ったという顔でぼやく。


「……折角、やっと友人の名を明かしたというのに……」


 その時、棺桶の蓋が少し開いて、その隙間からか細い声が漏れて来た。すかさずジンがその隙間に聞き耳を立てる。


「ほほうなになに? な、なんと!!

 アラジン様、少し蓋が開いて、その隙間からか細い声が!

 って、我ながらなんて説明台詞なのだい!」


「良いからツタンカーメン王の言葉を聞け」


「ハイハァ~イ♪

 ……なになに? アラジンなどと言う奴は知らん。会った事もない。

 しょーーーーうげきの! じーーー! じーーー! つーーーーー!!」


 がばっと顔を上げ、アラジンの顔を見ながら大声を上げるジン。

 ジニーは鋭く息を吐いた。


「……おとたまほんとうるさい」


 アラジンはそれどころではなく、狼狽してジンの肩を掴む。


「な、何っ!?

 そ、そんなことはないはずだ!

 確かに面識はないが……私は彼の事を良く知っている!

 彼も私の伝説を知らぬはずはあるまい。

 お互いに知っているのだから、これはもう友だちだろう……!」


 ジンをぐわんぐわんと揺さぶりながらそう言うと、アラジンはがらりと口調を変えて棺桶に語りかけた。


「……なぁ、どうしたんだよツーたん……」


 その呼びかけに、棺桶がガタッと鳴った。


「ハイハァ~イ♪

 ……なになに? その呼び方はやめろ。私はお前など知らぬ……。

 ショーーーーーーーック! アラジン様ショーーーー……ぐはっ」


「ほんっとにデリカシーのないっ!」


 ジニーは赤くなった拳を撫でながら父親にそう言うと、アラジンを元気づけるように声をかけた。


「あ、アラジン様っ、でもでも、ツタンカーメン様は、アラジン様の助っ人は、して下さるそうです!」


 アラジンはがっくりと肩を落とし、涙目で応えた。


「む……そうか。それは……なによりだ……」

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